第133話 泉での再会

「マサミさ~ん!」


「あっ、ハル!」


 マサミさんは私の呼び声に答えて、氷漬けになった泉を走って渡って来られました。そんなマサミさんの笑顔はキラキラしていて、それはもう眩しいものでした。


「この氷はハルが?」


「はい、そうなのです!といっても、加減を間違えてしまったのですが……」


 そうなのです。とにかく広範囲にしようと思っただけなのですが、泉の外まで凍らせてしまうとは思わなかったのです。


「いやいや、それでもスゴイと思うんだけどなぁ……」


「いえいえ、私の氷魔法がレベル10だったからなわけで、他の方でも同じことができると思うのですよ?」


「ホント、ハルはそういうところは謙遜するよね……」


「……マサミさん?」


 マサミさんがどこか遠い目をしておられるのですが、何を思っていらっしゃるのかまでは私にも分かりませんでした。


「そうだ、ハル。アタシも一緒に小型のモンスターを狩ってもいい?1人だと心細くって……」


「……アヤさんのクランの方々は一緒ではないのですか?」


「あぁ、アヤから1人で動くように言われているんだよね。アタシの移動速度についていけるようなメンバーはアヤと一緒に大型モンスターを狩りまくってるし……」


 なるほど、他のプレイヤーでは敏捷の面でマサミさんに付いて来られない……と。


 イベントの間、マサミさんを1人で放置するなど、いくらアヤさんと言ってもヒドイのです……!


「分かりました。一緒に行きましょう!私もマサミさんと一緒の方が動きやすいですから!」


「ありがと、ハル。助かる!」


 そんなわけで、臨時でマサミさんと一緒に行動することになったのですが、マサミさんが加わってからというモノ、小型のモンスターを発見する頻度も上がり、かなりの数の小型モンスターを仕留めることもできました。


 また、2人で協力すれば中型モンスターも難なく倒せるので、かなりのポイント稼ぎになりました。


 そうこうしているうちに時間が過ぎ、第9回のイベントの時間も残りわずかとなりました。


「そうです、マサミさん。アヤさんのクランから抜けるというお話は……」


「それは今回のイベントが終われば、アヤに頼んでみるつもり。あと、ケースケにも相談したら、一緒に抜けたいって言われたんだけど……」


「ケースケさん……ああっ、呪術師シャーマンの彼氏さんでしたね」


「そう。話をしたら、『おいらもアヤのクランは抜けようと思っていたところなんで』って言ってたよ」


 ケースケさん。第8回イベントの時にお会いしたことがありますが、まさかケースケさんも抜けるつもりだとは思わなかったです。


 ……もしかしなくても、マサミさんと同じく私たちのパーティに加わるおつもりなのでしょうか?


 その辺りは確認してみる必要がありそうです!

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