第64話 素材集めです!

 ユーカさんとテツさんのお二人がパーティに入ってくださってから、二週間ほど。


 そんなある日、テツさんからメッセージが届きました。何のメッセージかといえば、『作るアイテムが決まったから素材集めを頼みたい』とのことでした。


 そんなメッセージを受けて、全員がテツさんの工房前に集合したのです。


「ワカナちゃん、今日もカズさんは来られないのですか?」


「……うん。今週も模試があるみたいで忙しいみたい。ログインはしてクエストも一人で受けに行ってはいるみたいだけど」


「そうなのですか……」


 実を言うと、ここ二週間はカズさんと一度もお会いできていないのです……


 カズさんはユーカさんとテツさんに引き合わせたいのですけど、なかなか実現しないのです。


 ですが、それも受験が終わるまでの間!カズさんには頑張ってもらいたいです!


「……ハルお姉ちゃん、テツさんログインしたよ」


 ワカナちゃんに呼び戻されて前を見ると、すでにルビアちゃんやユーカさんも揃っておられました。後は、テツさんが工房に到着するのを待つのみです。


 そうして、待つこと3分ほど。テツさんが工房に到着なされました。


「悪い。今、鍵を開けるよ」


 そう言って、テツさんがドアに手をかざすと、ドアが音を立てて開きました。テツさんが言うには、ドアが工房の持ち主しか開けることが出来ないんだそうです。


 工房の中に入り、中央のテーブルを囲むように全員が集まりました。


「よし、メッセージをした通り、アイテムに必要な素材を集めてもらいたい」


 テツさんから提示されたメモはこんな感じでした。


 ―――――


 ハル用:『韋駄天の指輪』耐久+52、敏捷+260 素材:はやて草、シルバーストーン


 ワカナ用:『魔導王の指輪』魔力+252、HP半減時魔法攻撃20%アップ 素材:魔賢者の指輪、暴魔の銀塊


 ルビア用:『守護王の首飾り』体力108、耐久162、魔法ダメージ5%軽減 素材:鋼魔の巨人のコアパーツ


 ―――――


「正直、ハルのアイテムは森林地帯の奥で取れる『はやて草』と鉱山地帯で採れる『シルバーストーン』があれば良いから、手っ取り早く作れるんだよ。問題はワカナとルビアのアイテムだ」


 とりあえず、私のアイテムを作るのに必要な素材はすぐに集まるとのことでしたので、先に集めてしまおうということになりました。


 その後でワカナちゃんとルビアちゃんのアイテムの素材集めをすることになったのです。


 ですが、ワカナちゃんのアイテムに必要な素材を集めるのは思っていた以上に困難なのでした……!

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