第65話 古代遺跡

「ワカナのアイテム素材を得るには、魔賢者ソーマシルと暴魔ブラギシスを倒す必要がある。それと、ルビアのアイテム素材は鋼魔の巨人を倒さないといけないんだ」


「それって、どの魔物もお強いということですよね?」


「ああ、三体とも強いことで有名だ。とにかく、オレは足手まといになるだけだから、ハルとユーカ、ワカナ、ルビアの4人で行って来てくれ。俺はその間に森林地帯の奥で『はやて草』を採取して、鉱山地帯で『シルバーストーン』をゲットしてくる」


 テツさんの話に私たちは首を縦に振り、二組に分かれてアイテム素材を集めるべく、移動を開始したのでした。


 道中に話をしたのですが、魔賢者ソーマシルは雪原地帯の奥深く、暴魔ブラギシスは渓谷地帯、鋼魔の巨人は古代遺跡にいるとのことで、まずは街から一番近い古代遺跡を目指すことに決まりました。


 古代遺跡は入り口からして荘厳な感じがあり、奥へ入っていくと灯りの一つもありませんでした。


「とりあえず、テツから借りてきた松明を使うわ」


 ユーカさんが松明に火を灯して、先頭を進んでくださいました。私は暗いところとかは好きではないので、ユーカさんがドンドン先を進んでいくのをカッコいいと感じました。


 その後もドンドン奥へと進んでいきますが、道中の魔物との戦闘は私とユーカさんが前衛として敵を防ぎとめて、ワカナちゃんが後方から弓で仕留める。そして、戦闘終わりにはルビアちゃんが回復するという感じで、順調に進んでいきました。


 古代遺跡の内部は真っ暗で、モンスターと突然遭遇して、バトルになってばかりでした。


 そうして、もう何連戦したか分からない頃に、最深部に到着したのです。扉の大きさは私の身長の3倍ほど。およそ5メートルほど……でしょうか?


「ハルは左を開けてくれ。私が右を開ける。ワカナとルビアは臨戦態勢のままで頼む」


 私はユーカさんの指示通り、左側の扉に手を当てました。そして、ユーカさんとタイミングを合わせて、ゆっくりと力をこめて扉を開けます。


 扉の開いた先は一寸先どころか、ずっと奥まで闇が続いている感じでした。ユーカさんが松明で奥を照らそうとしますが、それでも奥が見えないのです……


「とりあえず、中に入るぞ。このままじゃ埒が明かない」


「はい、そうしましょう……!」


 怖いですが、部屋の中へと足を踏み入れてみます。まず、一歩。そして、もう一歩。


 恐る恐る先へ進んでいくと、途中で一気に部屋が明るくなりました。壁際にかけられた松明の炎が赤々しております……!


 その奥には金属製の巨人……ゴーレムのような感じのモンスターがおりました。あれが鋼魔の巨人さんなのでしょうか?


 はたして、ドロップアイテムをゲットできるのか、ボス戦がいよいよ始まります!

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