第36話 リベンジマッチ
私とカズさん、ワカナちゃんの3人はお茶を飲んで一息ついて、SdnGへとログインしました。
リアルで会っているのに結局やることはSdnGなのは、私たちらしいのかもしれません。
そして、リアルで会った後にSdnGで会ってみると、なんとも言えない面白おかしい気分になってしまうのです。
「さて、今日は何か3人で狩りに行くか」
「……うん、そうしよう」
「そうです!前に仕留めそこなったネイビーラビットを狩りに行くというのはどうでしょう?」
私がそう言って提案すると、ワカナちゃんがニヤニヤとしておられました。
「……もしかしなくても、私がいない間に二人で狩りに行ったんだ?」
何やらからかうような感じでしたが、その対象は私ではなく、カズさんの方でした。
ニヤニヤと笑みをうかべるワカナちゃんに詰め寄られたカズさんはやりにくそうな表情をしておられました。
ですが、カズさんはワカナちゃんの肩を掴んで、距離を取った後、大きな歩幅でクエストの貼られた掲示板へと向かっていかれたのでした。
そんなカズさんを私とワカナちゃんは追って、三人でクエストを受注したのです。
「……カズ兄、報酬はどんな感じ?」
「コインが10万だな。そうだな……二人分の武器を今よりも良いヤツに買い替えれるくらいの額だな」
「……じゃあ、カズ兄とハルお姉ちゃんが買い替えたら?私は後で良いから」
私はワカナちゃんに申し訳ないと遠慮したのですが、ワカナちゃんには聞き入れてもらえず、私とカズさんの武器――サーベルと大剣を買い替えることになったのです。
とはいえ、今こんな話をしても、捕らぬ狸の皮算用というヤツなのですが!
私たちが町から一番近い森へ入ること5分ほど。突然、脇の草むらからネイビーラビットが飛び出してこられました。
「オラァッ!」
カズさんが横薙ぎに一閃なさったのですが、ネイビーラビットには惜しいところでかわされてしまう形に。
「やあっ!」
続いてワカナちゃんの放った矢がネイビーラビットに命中――しかけたのですが、ネイビーラビットの動きが素早いこともあって、耳をかするだけに留まりました。
「追うぞ!ハル!ワカナ!」
「……うん!」
「はい!」
私たち3人は一時間近くかけてネイビーラビットを追いかけ、私の氷魔法で足元を凍らせたところをワカナちゃんが雷魔法で撃ち抜いて、ようやく仕留めることが出来たのでした。
「ん?これはドロップアイテムか?」
カズさんはネイビーラビットからのドロップアイテムを回収し、走ってこちらへ戻ってこられたのでした。
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