第95話-青行灯-
青行灯とは、百物語の終わりに現れる妖怪のことである。
その正体は大蜘蛛であるとも、鬼であるともされる。
また、百物語を終えたときに起こる不気味な現象自体のことを指すとも言われるが、詳細は不明。
なにしろ百物語を行う時は普通、青行灯の出現を防ぐために九十九話目でやめてしまうので、青行灯自体についての資料は多くない。
その証言が残っていないのは、百話目を話し終えた人間は皆どこかへ連れ去られてしまうから……とも言われている。
得体の知れないものに、興味本位で近づくものではない。
軽率な行動は時に身を滅ぼす。
しかし、いつの時代にもいるのだ。
触れてはいけないものにうっかり触れてしまう人間が。
青行灯は、いつでもそんな人間を探し、現世を覗いている。
手を変え品を変え、百物語を呼ぶ。
人の不安を強く煽る。
人の憎しみを増長させる。
そうして闇の中でひっそり、ニヤニヤと笑っているのだ。
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