第49話-鬼-
鬼は妖怪だけど、怖い人のことを鬼って言ったりもするだろ?
鬼教官とか鬼嫁とか。
で、これはそういう鬼の話。
何千年も昔、ある国に最低の王様がいた。
自分の贅沢のために税金を取り立てまくって意見を言うやつがいれば即刻打ち首。
国中の美人を自分のそばに集めて、まともに政治もせずにずっと遊んでばかりいた。
残酷なエピソードなんかも大量に伝わってて、逃げ回る人間を弓矢で撃ちまくるゲームをしてたとか、少しでも気に入らない料理を出したコックは腕を斬られたって言われてる。
「腹の中の赤ん坊がどうなってるのか見たい」とかいって、妊婦の腹を切って殺したって話もある。
そいつが王様になって六年目に、国が危うくなってクーデターを起こった。
当然だよな。
そこで王様は一緒になって悪いことしてた大臣とかと一緒に処刑されて、国には無事平和が戻ったんだけど。
さて、恐ろしいのはここからだ。
実は歴史的に見て、こういう残酷な王様ってのは世界各地にいるんだよ。
しかも調べて見ると、それらは大体同じくらいの周期で現れる。
大体百年に一人、世界のどこかに暴君が現れるっていう法則があるんだよ。
今がその大体百年の頃だ。
もしかしたら明日にでも、世界のどこかに最悪な王様が誕生するかもしれないぜ。
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