2.ゆかり(1)

あ~。だるい


月曜日は憂鬱だ。昨日は久しぶりのデートだったので、ちょっと張り切り過ぎちゃった。


朝はいつもキツイけど、月曜日は特別ね。


また、仕事、仕事の一週間が始まると思うと気分が沈んでくる。


どうせ、あたしなんか居なくったって会社は動いていくんだし・・・。


って考えてしまうのよね。ついつい。


新卒で今の会社に入って3年。それなりに仕事はできるようになって来たつもりだけれど・・・。


まあ、仕事で生きていくつもりはあんまりないんで、それなりの扱いしかされないのかなっても思うけど。


それにしても、毎日の混雑した電車は3年経ってもなかなか慣れない。


こんなに他人と密着するってありえない。いつもは女性専用車両に乗るんだけど、今日は時間があまりなかったので途中の車両に乗っちゃった。


周りは男の人だらけ。怖いわけではないけど、やっぱ慣れない。


できるだけドアのそばのコーナーをキープしたいんだけど、そこにはなんかゲームやってる男が・・・。


しょうがないので、その前に立ってあまり押し込まれないように祈ってる。


でも、ある駅で中年のおやじが乗ってきた。


こいつは強引に車内へ入ろうとしている。


あたしの前に後ろ向きで立ち、背中でぐいぐい押してくる。


横からも押されているらしく、横に動きながら奥にも入ってくる感じだ。


あたしの後ろの男は中に入っていかないので、おやじと男に挟まれて身動きがとれなくなった。


あ~もう!これだから一般車両は!


でも、これに乗らなきゃ遅刻するし。少しの間だからガマンするしかないか。


前のおやじは、しばらくごそごそ動いてるし・・・。


もう! 動かないで欲しい。


ゲームをやっている男もなんかこのおやじが気になってるみたい。


何とかしてよ・・・。

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