第3話 魔王誕生?
「魔王ですか?」
神様は俺が魔王として生まれ変わると言ったがアニメやゲームの世界などの想像上の生物だったはず、何かしらの例えだろうか?
それとも俺が知らないだけでそういう名前の人に生まれ変わるのだろうか?
「そういえば、お主の世界には魔王はおらんかったな、そこも説明しようか」
この世には俺が現実だと思っていた世界以外に俺からするとアニメやゲームのような非現実とも思えるような世界が本当に存在するらしい。
動物が言葉を話すファンシーな世界やロボットが心を持つ超科学的な世界、惑星間でやり取りができてくるものように宇宙船が一家に一台あるのが当たり前のような夢の未来のような世界、魔法があって勇者や魔王のいるファンタジーの世界、等々様々な種類の世界があるという。
その中には魔王という生き物がいる世界もあり俺はその世界へ生まれ変わるのだという。
そういう名前の人間ではないようで、人間をやめるのは決定事項なのだろうか?
ちなみに生命が生まれ変わるときは基本的に生命は同じ世界の中で生まれ変わる事でそれぞれの世界が交わる事を防いでいるので他の世界の存在に気付くことができないらしい。
しかし今回のようなケースで特別不幸な生まれ変わりを複数回でした生命は同じ世界に生まれ変わらせると不幸が剥がせないらしく特別に別の世界へ生まれ変わらせるのだという、いわゆる異世界転生がこれである。
過去に2回連続で不幸な運命になった魂に対して神様が生まれ変わりたい世界や、生まれ変わる際の年齢等の希望を聞く事もあったという。
死んでしまったときの年齢のまま生まれ変わりを希望した場合は異世界転移とも呼べるのではないだろうか?
というか
「今まで2回までは連続で不幸にしたことがあったんですね」
「滅多にないんじゃがな、その者達は生まれ変わった先で天才、勇者と呼ばれて幸せに寿命を全うしたぞ」
連続で不幸になってから生まれ変わると運だけでなく身体能力も上がるのかな?
「そしてお主は魔王のいる世界に生まれ変わってもらうんじゃが、魔王の意味も世界によって変わっていてな」
魔王とは魔法に関する称号、役職であるための魔王のいる世界とは主に魔法あるファンタジーの世界のことを指す。
そのファンタジーの世界でも魔王の定義がまちまちで、例えば、魔法が得意な生き物の魔族の王様のことを魔王と言う世界や、人間の敵のリーダーになる程、力を持ったものを魔王と言う世界、一番多く魔力を持つ者を魔王と言う世界、等魔王の意味は世界によって色々変わる。
この中で気になったのが
「ダンジョンマスターを魔王って言うんですか?」
ゲームなんかでは秘密基地のようなダンジョンを広げたりモンスターや罠を配置して侵入者を追い返したりする役割のキャラをダンジョンマスターと言っていた気がするが俺のイメージでは魔王とは繋がってこない。
「概ねそのイメージで合っとるわい、ダンジョンとは魔力のたまり場で迷宮になっている場所のことを指し、そのダンジョンを魔境と呼んでいた時の名残で、ダンジョンの管理人であるダンジョンマスターを魔王と呼んどる世界がある、そこなら送りやすいのじゃが」
確かに、他の魔王の定義だと何かしらの頂点に立つ者を指す。
その世界には基本1人で多くても3、4人だろう、そこに新しく生まれるとトラブルになりやすい。
その点魔王もといダンジョンマスターならばダンジョンの数だけ魔王がいるのでトラブルは少ないか、新しいダンジョンが増えるのは珍しい事ではない世界もあるらしいし。
だが、
「そもそもなんで俺は魔王に生まれ変わるんですか?」
これまで転生した人みたいに勇者だとかにしてほしいとは言わないが、不幸から開放された普通の人として生まれ変わるだけでいいのに。
「すまんの、お主の魂と不幸な運勢が同調してしまっていての、そのせいでお主の魂自体が不幸の化身となってしまって転生先が人間の不幸の象徴である魔王になってしまっているのじゃ」
「それって大丈夫なんですか?」
たしか他の世界に生まれ変わるのって不幸から開放されるためだったはずだが、開放されそうな気がしないんですが?
「お主が生まれ変わる瞬間に魂が一度作り直されるから、そのときに魂から不幸を切り離す。
それでなんとかなるはずじゃ。
じゃが生まれ変わる前に生まれ変わる先を決めてしまうのでそこに不運の影響が出てしまうのは免れんのう」
「魔王にしか生まれ変われないんですね」
3つの人生にまたがって取り憑いてきた不幸は生半可なものじゃないってことか。
じゃあしかたない。
「ダンジョンマスターが魔王と呼ばれる世界で生まれ変わります、もし出来ればその世界の中でも同じ世界から生まれ変わった人がいない世界でお願い出来ませんか?」
流石に魔王に生まれ変わることを受け入れたとしても腐っても魔王、人間の敵である。
変なこだわりかもしれないができることなら同郷の人とは敵対したくない。
「希望通りにしよう」
「ありがとうございます」
うまいことダンジョンを運営してできるだけ敵を作らずのんびり異世界を過ごそうかな。
と生まれ変わったらどうしようかと夢を膨らましていると、
「少し講習するからもう少し付き合うのじゃ」
「えっ?」
神様からまだ話があると思考は引き戻された。
「ちゅーとりあるというやつじゃよ」
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