儚げな美女

だめだよ、みさきちゃ?ん(汗)」とため息をつく

若きサラリーマンと課長 


「あの す、すみません、ちょっとお聞きしたいのですが

こちらの課にいる『水守 綾香』さんは御無事ですか?

今、どこに?」


「て、寺崎くん?」部屋の奥から、弱々しいかすれた声


「あ、綾香ちゃん」

「寺崎くん」


部屋のすみから、ゆっくりと『寺崎』くんの方に

歩いてくる長い髪の娘、彼女は巨大な蛾に襲われ、燐粉まみれになり

その服は蛾に、ひっぱられて、噛まれて、かなり破れて痛々しかった。


「あれは!!会社でも1、2を争う、と評判の美女、『水守 綾香ちゃん』


そのまるでファンタジーやお伽話にでも出て来そうな

お姫さまのような風情と穏やかな性格は、


会社の男子だけでなく、女子、掃除のおばちゃまにまでモテモテ」

コメントする、みさきちゃん


近ずこうとしてよろける。

妖精のような、すんなりとした華奢な身体を、受け止める。


「綾香ちゃん」「寺崎くん」


見つめあう二人、そして二人にとって


お茶目でラヴリーな看板娘のOL、みさきちゃんと

ゴジラが好きな若いサラリーマンと課長の事は忘れ去られた存在

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