第九話 校庭での激しいかも?の戦闘

春、大陸からの黄砂が舞う季節 広い校庭


砂埃がゴッちゃん(巨大なゴキブリ)と沙月ちゃんの足下を舞う


沙月ちゃんは自分の両方の手首から細い金の腕輪をはずす


「預かっててくれる?」ちほちゃんに手渡された金の腕輪を茉莉花ちゃんは見て

「こ、これは?」


「どうしたの?茉莉花ちゃん」


「噂の沙月ちゃんの怪力封じの金の腕輪!!」


「なんでも、派手なアクセサリーを持ち込んだとして

一度、学校が取り上げたらしいけれど、外した途端

学校の床をすべて踏み壊し、黒板に文字を書こうと触れただけで黒板はおろか、

隣の教室の壁まで砕いてしまったという・・


その怪力パワーを封じた伝説の金の腕輪・・・」


ごくんと唾を飲み込む茉莉花ちゃんと応援団である同級生一同さま


「はああああ」とそのゴッちゃんの前足を握り、軽々と

今はザトウクジラ並みの大きさとなったゴッちゃん(ゴキブリ)を持ち上げ


背負い投げした。


ずおおおんんんと大地を揺るがし、ゴキブリは仰向けに倒され、

地響きがとどろく。

歓声が上がる


そんな中、生徒が一人駆けて来た。


「大変だよお!!医務室に薬を取りに行っただけど、医務室にあった

この小型TV見てよ!」

「何?何があったの?」TVを見る、同級生達はじめ学校の皆様

「緊急ニュース? 『福岡の町で今!!』て何?」

「あああああ 町にまで巨大化した虫達が・・・」


「あのが蛾は『ヤガ』、『スズメガ』、 『アリンコさんは『アミメアリ』だね?

そしてビル程の大きさの蝶は、皆も知ってる『モンシロチョウ』」

昆虫学者を父に持つ ちほちゃんのコメント


「この季節、校庭やその辺の近くの野原いるけどなんで?

蛾や蝶がなぜ あのゴッちゃん(ゴキブリ)のように巨大化してるの?」


頑丈で巨大なゴッちゃんにとどめを刺す為、背負い投げをくり返し、

何度も地響きをとどろかす。


「三良先生はどこに行ったのかしら?そういえばあの薬・・」


「・・たぶん、『愛しのみゆきちゃん?』の韓国行きの飛行機を止める為

街を混乱のうずに巻き込んでいる・・そんな所じゃない?」

とタロットカードを手の持ち、呟く茉莉花ちゃんの言葉に

無気味な沈黙が漂う。


そんな中、沙月ちゃんのキックが、パンチが、背負い投げが、ゴッちゃんに

地響きと共に炸裂していた。


「今日は、部活の帰りに博多ラーメン食べるつもりだったのに」

泣きわめき、怒りをぶつける沙月ちゃん

「あああ、ピンクの水玉?」ほおおとため息をつき頬を赤く染める男子生徒


大きな石が飛んでくる「だから・・・人の下着を覗くなあああ」

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