第3話 戦う沙月ちゃん そして・・問題教師
騒ぎをよそに、床にのびていた男がパチリと目を覚ます
問題を起こした張本人である科学の先生
巨大なゴキブリをぼおおお?と見ながら、ぼんやり考える
どうやら あの薬は超強力な惚れ薬ではなく、昆虫を巨大化させて
しまったようだ
すぐ近くに 少し溢れていたが、
その薬が三角フラスコの中に大量に残っていた
薬を作っていた時の生徒達との会話を思い出す
『「先生 何を作っているのですか?」
「まさか 爆発物か毒薬!! 空港に撒いて、飛行機を止めるつもり!!」』
『空港に撒いて、飛行機を止めるつもり!!』
「でへへ?」にやりとほくそ笑む教師が一人
すぐ傍では 学級委員長の女の子が一人戦っているというのに
立ち上がり、騒ぎの中 彼は自らの欲望の為、
一人、そっと科学実験室の教室から出てゆく
「『ちほ』ちゃん たしか貴方のお父さんて、理科の先生で
昆虫の本を出してる先生だったわよね!!!」
「う、うん たしかにそう」
「なにか退治するいい方法はない!?」モップを持つ手と足(?)は休まず
戦いつつ、 同級生に聞いてみる
「本来、昆虫て、外骨格で、相応の筋肉もないのに
自重に耐えられないから巨大化、出来ない身体なのに!!
今は普通の害虫駆除で、倒せるのかな?とりあえず身体の側面にある気門
((呼吸をする所)洗剤等でふさいで「ちっ息」させる)めがけて、
中性洗剤かけるのは? 殺虫剤は?」
そして、教室に筋肉質のジャージ姿の大男が、現れる
「なんじゃこりああ!?」と体育の三良先生
「原因は、先生のお兄さんの科学の三良先生です」
(ちょっと、生徒達の額に「怒りマーク」)
生徒達の押し殺した冷淡な声が、怒りの大きさを物語る
「兄貴、また何かやったのか?(汗)」顔をひきつらせ、やっと出た一言だった
はい!と生徒の一人が手を上げ
「御近所の美人OLへのストーカー行為にあきたらず、
怪し気な薬を作り、ゴキブリを巨大化させました」
はい!とまた別の生徒が手を上げ
「その巨大化したゴッちゃん(ゴキブリ)と学級委員長の沙月ちゃんが
戦ってます」
ちほちゃんをはじめ、茉莉花ちゃん達、同級生は
教室である科学実験室の
数個の「たらい」やバケツに、水を入れ、さらに大量の中性洗剤を入れる
その横でも、戦いは続いていた
沙月ちゃんは軽々とジャンプして ゴッちゃんの前足の攻撃を避ける
「危ない!!沙月くん!」
体育の三良先生は、沙月ちゃんを助けようと実験室にあった
大鍋で後ろからゴッちゃんを叩く
薬で強化されたゴッちゃんの身体は、堅く、金属のような
いい音が響く かきいいいんん 黒光りする羽がきらりいいん
鋼鉄の身体(のような強度)を持ってしまった、、ゴッちゃん(ゴキブリ)
騒ぎを聞き付け 別校舎の他の生徒や先生達も来てくる
「どうしたんですか!?」「なんだ!?」「何事かねえ」
「歴史の一ノ瀬先生いい、隣の校舎の生徒達に
今年90歳になる校長先生・・まで・・・ああ他の先生もおお」
落ち着いた様子で、茉莉花ちゃんとちほちゃんは
「歴史の一ノ瀬先生、図書管理の紫城先生 生徒達を避難させて下さい。」
「貴方達はどうするの?貴方達も避難しなくていけないわ!!」
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