竜の方舟
いずも
第0話 おとぎ話
『フゥト・カァ・レヴァタ』と呼ばれるこの世界のお話です。
かつて、この世界は竜の神様が作りました。
海に山に、自然に生命に満ち溢れた素晴らしい世界です。
そうして繁栄した世界に満足した神様は、次なる大陸を求めて旅立ちました。
残された竜の王様はこの世界をより良くしようと必死に統治しました。
世界はより豊かになりましたが、王様のやり方についていけない者たちも現れ、暴君だと非難しはじめました。
やがて疲れ果てた王様も姿を隠してしまい、竜の王様の時代も終わりを迎えました。
その頃には様々な種族が誕生し、中には竜という巨大な図体を捨て、機敏性に特化した変化を遂げるものも現れました。
彼らは『竜人』と呼ばれ、さらに己の寿命と引き換えに文明の発展に尽力する者が出てきます。
彼らは『人間』と呼ばれています。
かつて竜が支配していた世界は竜人が支配するようになり、やがて竜人も表舞台から姿を消し、人間の時代がやってきます。
これは人間が歴史の中心となった世界を生きる竜人の物語です。
――もっとも、竜人とは人間から見た呼称であり、彼らは自身のことを『竜族』と呼んでいますが。
そして。
竜の神様が旅立つ際に乗り込んだとされるのが『竜の方舟』であり、その方舟に本来乗るはずだった竜の王様の乗船券が世界のどこかに存在するという。
楽園行きの乗船券。
いつしかそんな噂が広がり、そのお宝を求める冒険者達が、おとぎ話を現実にするため今日もまた旅立つのです。
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