第1話
新入生の制服の採寸と受け渡しは学校でやるらしく、体育館で今身長などを測っている。
採寸途中、2階からピンポン玉の音が聞こえ行ってみると卓球部が部活をしていて、僕と同じで気になって見てる人もいる。
僕はある先輩のプレイに魅了された。
どんな球でも返し、そして攻める時は攻める。
卓球ってこんな凄いのかと思った矢先。
「何であんな遅いチャンスボールミスしてるとかダサすぎだろ」
ある先輩が聞いてたのか。
「誰今のプレイを馬鹿にした人は、名乗りなさい」
「僕達ですけど何か?」
男逹5人が手をあげていた。
「大口叩くからには私に勝てるのよね」
「あんな遅い球、返せますし決められますよ」
「分かったわ、もし私から1点でも取れたら何でも言うこと聞いてあげる
でもこっちが勝ったら部員逹に謝ってもらえるかしら」
「良いぜ、1点だろ楽勝楽勝」
男逹も1点なんて余裕と思ったのか学校においてあったラケットを持ち始める。
何か凄い展開なってきてるんだが。
突然僕の肩をたたかれる。
「君卓球に興味あるの?」
「少し気になったから」
「自己紹介がまだだったね。僕今年新入生の
「僕は、
「まぁ、お姉ちゃん凄いから見ててよ」
「あの人達也君のお姉ちゃんなの?」
「呼捨てでいいよ。そうだよあれが僕のお姉ちゃん。試合始まるから見ててね」
「ルールは11点先取の1セットマッチでスマッシュは使わないであげる。サーブ権はいらないから全部あなた達にあげる」
先輩が一通りルール説明して試合が始まった。
男がバック側にロングで出してくる。
風間先輩は簡単にフォア側に返す。
男が思い切りボールを振り抜くが自分のコートに落ちてしまう。
球が前に飛んでない事に凄い驚いていた。
「あれがお姉ちゃんの得意なカットって打ち方だよ」
「カット?」
「ボールの下を切る事でバックスピンがかかり普通に打つと真下にボールが飛んでしまうんだよ」
「へぇーそうなんだ」
「あれを返すにはツッツキかドライブを打つしかないんだけどね」
「ツッツキ?ドライブ?」
「まぁ卓球部に入ればそのうち分かるよ」
話てるうちに、男がサーブを打っている。
それを簡単にカットで返す。
男はまたしても思いっきり振り抜くが自分のコートに落ちていく。
「スマッシュじゃカットした球は上がらないよ」
「回転かかっているなら、理論上寝かせて返すか上回転をかければ返せそうだと思うんだけど」
「上回転で持ち上げれば返せるけど姉ちゃんのカットは全国レベルだから初心者には難しいと思うよ。
初心者が返すなら寝かせて返す方法が無難かな」
話てるうちに一人目の男との試合が終わったらしい。
宣言通り1点も取られていない。
次の男もその次の男も1点も取れないまま
最後の男との試合が始まる。
カットした下回転を寝かせて返して少しラリーが続いたが
先輩の横回転や逆の横回転をかけられたボールに対応できず試合が終わってしまった。
「約束通り謝って」
鋭い目付きで男達を睨んでいる。
「すみませんでした」
これ以上怒らせるのはまずいと思ったのか、
男達はちゃんと部員に謝って去っていった。
「流石お姉ちゃん、スマッシュやドライブ使わないで勝つって優しい」
本当に先輩は凄かった。
プレイに魅了されたし卓球ってこんな事もできるのか。
「達也見てたんだ」
「お姉ちゃん格好良かったよ」
「ありがとう。それよりは隣の子は友達?」
「さっき初めて会って話したばかり、卓球に興味あるんだって」
「へぇー」
そんなことを言いながら僕の目の前まで近寄ってくる。
間近で見ると艶のある黒髪、白い綺麗な素肌そして一目惚れしそうな程の綺麗な顔立ち
だが卓球をする時は子供みたいに無邪気に楽しんでた先輩とは思えない。
「興味があるなら見学していけば」
そう告げて先輩は練習に戻っていった。
先輩の卓球をもっと見てみたいそう思ってしまった。
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