あの何方様でしょうか?存じ上げませんけれどどうしましょうか?

一ノ瀬 彩音

第1話 結婚

彼女は23歳で今、実家暮らしをしているのですけれど、

父親と母親との三人暮らしです。


彼女には兄妹も姉妹も居ませんし、一人っ子なのです。


一人っ子の彼女は某企業に勤務しているのですけれど、上手くいってないようで

失敗ばかりしているのです。


某企業に勤務して2年目になるのですけれど、失敗ばかりしていると上司から

解雇しないといけなくなると言われ、彼女はどうしようという気持ちになるのです。


今日はもう定時に帰らないといけないので帰宅している時、

彼女はどうすれば失敗しないで済むのかなって考えているのです。


そんな時です。


彼女の事を後をつけている男性がいるのですけれど、彼女はまだ

気付いてないようです。


彼女の自宅が見えてくるといきなり後をつけていた彼が回り込んで

彼女の前に出ると一言。


「元気にしていたか?」


彼女は不思議そうな顔をしているのです。


「何方様でしょうか?」


「忘れたのかよ、君の婚約者だよ」


「私に婚約者なんていません」


「いやいやっ、これを見ろよ」


彼はポケットから書類みたいなのを差し出してきて

彼女に見せるのです。


「これは何なの?」


「婚約した時の書類だ」


そこにはしっかりと彼女のお名前が記載されており、

嘘もなければ偽りでもないのです。


しかしながら、彼女には身の覚えもない事なので

どうしましょうかって感じです。


彼が言う通りに婚約者なのはわかるのですけれど、

一体どうすればいいのかなって感じです。


「ごめんなさい、わかりません、本当にごめんなさい」


彼は諦めたかのように落胆しているようで彼女の前から

居なくなるのです。


彼女は扉を開けて中へ入り、玄関で靴を脱ぐとそのまま自室へ

行くのですけれど、さっきの事を思い出しているのです。


婚約者がいるとなると彼女は心の中でどうすればいいのって

感じですけれど、一体どうすればいいのでしょうか。


気分が悪くなってくると彼女はベッドに寝転がるとそのまま

瞼を閉じて眠りにつくのです。


眠りについている彼女は夢の中で先程の彼と一緒に行動

している夢を見ているのですが、何処に居るのかも

わからない状態です。


そして、翌日。


今日はお仕事がお休みで一日ゆっくり出来るのですが、

昨日の件が気になるので気晴らしに散歩に行くのです。


外はお天気も良くて本当に散歩するのには良くて

散歩していると、昨日の彼がまた言い寄って来ると

彼はこう言います。


「ごめんな、本当にごめん」と言いながら、私の唇にキスしてくるのです。


キスされた私はいきなり頭痛がしてきてその場で倒れてしまうのです。


私が目を覚ますとそこは病院で病室のベッドで横になってて

そこには彼がいたのです。


「大丈夫か?」


「う、うん」


「まさか倒れるなんてびっくりだな」


「ごめんなさい」


「気にしなくていいよ」


「そう言ってくれると助かるわ」


「なぁ、本当に俺の事を覚えてないのか?」


「いいえっ、思い出したの」


「本当か?」


「はい」


「それは良かった」


「今まで心配かけてごめんなさい」


「いやっ、本当に気にするな」


彼は彼女のおでこに手を置くと手を退けて、おでこにキスしてくるのです。


キスされた彼女は赤面してて耳が赤らめているのです。


本当に恥ずかしかったのでしょう。


数日後、彼女が退院すると2人はそのまま帰るのですが、

彼からいきなりある物を渡されるのです。


それは指輪でした。


彼女は嬉し泣きをしていると指輪を薬指に嵌めるのです。


彼女は彼と共に幸せを手に入れると本当に嬉しそうで

何よりでした。


それから半年後。


彼女と彼は結婚して晴れて幸せな夫婦となるのでした。

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あの何方様でしょうか?存じ上げませんけれどどうしましょうか? 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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