キジマ魔法堂2〜在りし日のワスレソウ〜

むむ山むむスけ

在りし日のワスレソウ


落雷——…


まだ夕方になったばかりだというのに、突然降りはじめた大雨によって生まれた分厚い雲が、この世界をすっかりと暗闇で包み込んでいた。


雨が引き連れてきた空を切り裂くような稲光りは、体の底をも貫いてしまいそうなくらいに激しい雷鳴を轟かせながら、何度もまばゆい閃光を放っている。


全く灯りがともされていなかったその部屋の中では、もはや時折大きな音を立てて落ちるその稲光だけが唯一部屋の中を照らす頼りとなっていた。


部屋の中では妙齢の女性が一人、ロッキングチェアに揺られながら一枚の写真を眺めていた。


落雷の度に部屋の中へと広がる光が、女性の手元に握られた古い写真を鮮明に映し出す。


…恋人同士だろうか。


その写真の中では、若い男性が同じく若く美しい女性に跪きながら花束を渡している姿が撮影されている。


写真の中の二人の表情は、とろけそうなくらいに幸せそうだ。


落雷の度に広がる青白い光に合わせて、女性は写真とは別のもう一枚のメッセージカードを取り出した。



“どうかこの花を僕だと思って大切にしてね。

            愛する君へ。


      ロビンソン・K・シュタイン“



そのメッセージカードにはそう記されていた。


「…嘘つき。」


そのメッセージカードを眺めていた女性は、眉間のシワをさらに深く刻み込みながら、とても悲しそうな表情でそう呟いたのだった。



   ◇◇◇



「魔法を一つくださいな。」


とても穏やかな昼下がり。

店の掃除をしている最中に、カウンター越しにそう声をかけて来たのは、とても可愛らしい一人の少女だった。


腰のあたりまで伸びた艶やかな金髪に、長いまつ毛に包まれたその潤んだ赤い瞳は、どこか子ウサギを思わせる。


少女のそんな美しさに、オーナーは思わずハタキを頭上で構えたまま、動きを止めて息を呑んだ。


ちなみにこの『キジマ魔法堂』のオーナーは白衣を身に纏っただけの全身ガイコツの姿をしているのだが、その少女はそんな事になど一切気にも止めていない様子で、普通の人であれば、たちまち驚いて逃げ出してしまうくらいのそんなオーナーの風貌にも全く臆する事なく、ただただ可愛らしい瞳でこちらをじっと見つめている。


「…お金が、足りませんか?」


そう鈴の音のように澄んだ声で話した少女の目の前には、すでに数枚の金貨が重なって並べられていた。


全く反応がなくなってしまったオーナーの事を見かねてか、少女はさらに自分のカバンの中身を探りながら新たに金貨を取り出そうとしていたが、チラリと見えた彼女のカバンの中には驚く程の金貨が詰め込まれていた。


『…一体何者ナノ…?コノ店に一見いちげんさんが来る事ハ、最近デハトテモ珍しいンだケド…』


そんな彼女の様子を黙って見守っていた鳥のポトフが、思わず止まり木の上からそう声を掛けた。


「あ、私はイザベラと申します。このお店に来ればなんでも願いが叶うと聞いてやって来たのですが…」


そう言って口元に手をやりながら上目遣いでこちらを見るイザベラ。


その所作の一つ一つや丁寧な言葉遣いから、彼女の育ちの良さが伺えた。


「願いが叶うって…もちろんここに来たからと言ってなんでも叶うというわけではない。それでもある程度の願いであればここにある魔法道具で十分補えると思うよ。それにその服、カザイの国周辺の衣装だよね?見たとこ一人でここまで来たみたいだけど、お付きの者とかはいないのかい?」


そう言ってガイコツ姿のオーナーは、今まで棚の上の埃を払うために乗っていた椅子から降りると、少女がいるカウンターの前にもたれかかった。


「それが…私は魔法が使えるようになりたいって思った瞬間に、お金だけを持って国を飛び出してきたものですから。さすがに時間はかかっちゃいましたが、とても楽しい旅でした。」


そう言ってにっこりと微笑む彼女。


『…ソンナ軽装備デ、ヨクここまで辿りツイタね。』


そんな彼女を見て、ポトフが呆れた表情で喉を鳴らした。


長旅をして来たというのに、彼女の服はさほども汚れてはいない。


よほどここまで来る旅路が良い道のりだったのだろう。


…祝福持ちか…


そんな彼女の姿を見たオーナーの頭の中には、ふとそんな言葉が横切った。


「魔法を…売ってはくれないのですか?」


「魔法かぁ…物にもよるけどあるにはあるよ。ただ…」


そう言ってチラリとポトフを見るオーナー。


『…デモ今日はコルクがイナイカラ、売れナイんジャナイ?』


「…コルク…さん?」


聞き慣れないその名前に、より一層イザベラはキョトンとした表情で小首をかしげた。


「…あー…本当は僕が魔法道具を扱えれば良かったんだけど今はちょっと事情があって…ね。僕はこの店の品を売ることが出来ないんだ。いつもだったらコルクっていう店員がいて、その子が対応してくれるんだけど、生憎今は出かけててね。」


そう言って全く毛の生えていない頭を擦ると、バツが悪そうにあさっての方向を見るオーナー。


そんな時…


カランカラン…


突然店の扉が開かれ、頭からフードをかぶった一人の女性が店内へと入ってきた。


その女性はカウンターの前に立つやいなや、こう口を開いた。


「…全てを忘れる事の出来る道具を売っていただきたいんですけど。」


そう言ってフードをおろしたその下からは妙齢の女性の顔が姿を現した。


『マタ、一見いちげんサン?珍シイネ。』


「…あなたは…」


その女性の姿を見た瞬間、ポトフは不思議そうな表情を浮かべたが、一方のオーナーの方はすっかり動きを止めてしまっている。


「残念ですね!私も今魔法道具を買いに来たのですが、今は道具を売れる店員さんが不在だそうですよ!」


自分も今日来たばかりの一見さんであるはずなのに、何故か腰に手をやりながら自慢気に話すイザベラ。


「…それならば、僕が魔法道具を売ってあげようか?」


そんな声と共に突然湧き上がった煙の中から出てきたのは、シルクハットを被った一人の少年だった。


『…ペドロ…。』


少年の名前を口にしたポトフは険しい表情でその場で身構える。


そんなポトフの事を、オーナーは静かに手で制した。


「…マダム、もしお急ぎだというのであれば、そちらの少年でもご希望の商品をお渡しすることが出来ると思いますが。」


「…ありがたいわ。じゃあそうさせていただこうかしら。」


そう言って口元だけで笑って見せたフードの女性の瞳は、まるで氷かのように冷たかった。


「…ペドロ君、一応ウチのお客さんだから注文書の記入はウチのものを使ってもらっていいかな?」


そう言って、カウンターの中から注文書を取り出すとペドロに差し出すオーナー。


するとペドロはその注文書を受け取ると、店のドアを開きながらこう言った。


「いいよん。こちらとしては手数料さえもらえればそれで良いからね。…それではマダム、どうぞこちらへ。」


そう言って再びフードを被った女性は、ペドロと呼ばれた少年にエスコートされながら店の外へと出て行った。


「えぇー!?私の方が先にこの店に着いていたのにぃっ!もしもーし!私も急ぎですぅ!私も一緒に…!」


そう言って必死に自分の存在をアピールしながら、二人の後を追いかけて行こうとするイザベラの腕を、オーナーはがっしりと掴むと、先程までとは全く異なった低い声でこう制した。


「…辞めなさい。あなたと彼女では覚悟が違う。」


そう言ったオーナーの表情は、ガイコツだというのにとても険しいものとなっていた。


「…私の方が順番が先だったのに、ずるいです。」


ペドロと女性が去った後、イザベラはぷぅっと頬を膨らませながら何とも不服そうな表情でお店のソファーにもたれかかっていた。


『…多分コルクはシバラクは帰って来ナイカラ、今日はモウ諦メテ帰った方ガイイヨ。』


そう言って彼女を諭そうとするポトフに対して、イザベラは腕組みをしながらこう答えた。


「いいえ!せっかくここまで来たのですから、何がなんでもそのコルクさんって方が帰って来るまでここで待たせていただきます!」


そう言ってイザベラは、さらにそのソファーへと深く腰掛けたのであった。


◇◇◇


「よっしゃぁぁぁぁ!!」


その頃、とある洞窟の奥では3名の男達が一斉に歓声をあげた。


まるで地鳴りかのような大声が、それぞれの腹の底から寸分たがわず湧き上がる。


それもそのはず。

この男達は冒険者で、たった今近隣の村から出されていた掲示板のモンスター討伐に成功したばかりだった。


「やったぜ!一時はどうなる事かと思ったけど何とかなるモンだなぁ!」


このパーティーのリーダー格となる恰幅のいい髭面の男が豪快に笑う。


彼の名前はバルガ。

巨大な肉体で巨大な斧を巧みに操り、その笑い方同様なんとも豪快な戦いっぷりを見せていた。


「…すごい…すごいよぉ、僕達だけでもこんな巨大なモンスターを倒せたんだ!」


そう言って同じパーティーの細身で色白の男は、胸元で鞘に収めた長剣を抱えながら、その場でしゃがみ込んだ。


よほど気が抜けたのか、掛けているメガネもすっかりとズレ、その声もうわずってしまっている。


彼の名前はケヴィン。

こんな気弱そうなナリをしているが彼は立派な剣士で、その戦い方も決して力強くはないが繊細で確実、かつしなやかな動きが美しかった。


「実際俺達だけで、コイツの討伐をするのは無理だったろうよ。どう考えてもあの魔法商人のおかげだろ。」


そう言ってケヴィンの言葉に、後方にいるコルクの事を親指で指し示しながら答えたのはロイスという銃士だった。


ロイスは普段は二丁の拳銃で戦っているようだったが、この巨大なモンスターを倒す時にだけ、小型の大砲の様な物を扱っていたのでコルクはそれをとても興味深く思っていた。


そんなロイスの言葉に、バルガは再び豪快な笑い声をあげながらコルクの元へと駆け寄ってきた。


「いやー!コルク君、今回は君を雇ってみて良かったよ!本当にありがとうな!」


そう言って、力なく横たわっているモンスターの体から捕獲縄を回収していたコルクを無理矢理抱き寄せ頬擦りまでするバルガ。


彼のモジャモジャとした立派な髭がコルクの頬を不快に刺激した。


「ほら、ウチは見ての通りむさ苦しい男だらけの肉体派パーティーだろ?誰一人として攻撃魔法も回復魔法も使えないモンだから、いつもだったら紹介所で魔法使いとか聖職を雇うか、それこそ魔法道具をしこたま買い込んでから出発したりするんだが…まさか魔法商人ごとレンタルできるサービスがあるだなんて知らなかったよ。こんな事ならもっと早くに利用すれば良かったな!」


そう言ってまたもや豪快な笑い声をあげるバルガ。ここまで喜んでもらえるならば、魔法商人冥利に尽きるというものだ。


「今は昔よりも魔法商人自体が少なくなってきましたからね。ウチは比較的老舗の方なので、依頼があれば同行もいたしますが、場所によっては同行する事で店番がいなくなってしまう場合もありますからね。なかなかこのご時世、魔法商人の同行も難しいみたいですよ。」


手際よくモンスターの遺体から捕獲縄を外し終えたコルクは、それを丁寧にまとめるとその場で火をつけてそれらを燃やした。


洞窟の内部がより一層明るくなる。


こういった戦闘で使用した魔法道具の後処理も、同行した魔法商人の立派な仕事となっている。


「さて、今回の料金ですが…」


縄につけられた炎が丁度良い塩梅になったのを確認したコルクは、カバンの中から分厚いメモ帳と羽ペンを取り出しながらバルガに向かってそう言った。


「…よし、聞こうではないか。」


そう言って地面の上に腰を下ろして、妙に改まった格好となるバルガ。


その姿は今回の出費の発表に、すっかりと覚悟を決めているようだった。


「まず、今回の旅に魔法商人の同行した事による料金が300枚、洞窟内部で使用したラージサイズの発光石8つで16枚、このドラゴンとの戦闘の際に使用した朝日のランプ…先程までこの辺りを照らしていたこれですね。このランプが一つ40枚。途中で使用した各種薬草と回復薬がそれぞれ15個ずつで275枚。ドラゴンの動きを止めるのに使用した捕獲縄7本が700枚、ドラゴンが火を吹いた際に使用した簡易シールド10枚で4000枚、ロイスさんが使用している大砲に込めた爆裂玉、これもラージサイズで5発セットが20枚、ケヴィンさんの剣に使用した精霊の加護が3瓶で15枚。ドラゴンの目眩しに使用した閃光弾、2発で6枚、ドラゴンに辿り着くまでに遭遇した吸血コウモリに使用した眠り袋3つで15枚、バルガさんが道を間違える度に使用した道しるべ14個で42枚、バルガさんが道を間違えて毒ヘビを踏みつけた時に使用した毒消し草3枚で24枚、バルガさんが道を間違えたあげくにお腹を壊した時に使用した漢方薬が一つ8枚…」


「…一体いくらになるんだよ…」


ものすごい量の魔法道具と、その値段を淡々と読み上げていくコルクに対して、3人の表情はみるみる内に青ざめていった。


「…それって…全部単位は銀貨?」


「もちろん、全て金貨ですよ。」


そう言って手にしたメモをめくりながらニッコリと微笑むコルク。


コルクは彼らの戦闘に加わる傍ら、今回の冒険で彼らが使用した魔法道具を全て事細かに記入していたのだ。


「…だぁ!そんなまどろっこしい事はもういい!一体合計でいくらになるんだ!?ええいっ俺も男だ!ここは一つ耳を揃えてきっちりと払ってやろうじゃね〜か!」


バルガも思った以上に経費がかさんでいた事にビックリしていたようで、自分の片膝をパンっと叩くと、その場に座り直してから神妙な面持ちでこちらを見据えている。


「…しめて金貨9600枚ですね。今回は旅が楽しかったのもあって、少しだけ割引しておきました。」


「きゅ…9600…!!」


「…田舎の国だと城が買えるレベルだぞ!?」


相変わらずニコニコと微笑むコルクの言葉に、3人は一斉にどよめきの声をあげた。


「…い…いいだろう!どうせ紹介所で腕のいい魔法使いと聖女を雇えばそのくらいにはなるんだ!よぉし、ここは一つこの大斧を売っ払って…!」


そう言って意を決したように自分の自慢の大斧を握りしめるバルガ。


「何言い出すんだよ!?バルガ!」


「…だ!ダメだよ!そんなの!斧を売ってしまったら次からどうやって戦うんだよ…!」


そんなバルガの事を近くにいたケヴィンとロイスが必死になだめる。


ちなみにバルガの言う『このくらいの値段で雇える聖女や魔法使い』というのは、あくまで王国正規軍のトップに君臨するレベルの優秀な逸材達である。


一般的な魔法使いや聖職であれば、コルクの同行賃に多少の毛が生えたくらいで雇うことが可能だ。


ただし、もちろん魔法使いは攻撃魔法、聖職は回復魔法といったようにそれぞれに得意・不得意の分野があるので、威力を問わないのであればその二つの職業を雇うよりも、攻撃の火力強化と回復を同時にやってのける魔法商人を雇う方が得策だと考える冒険者もいる。


とはいえ、魔法商人は直接戦闘に加わるような事はせず、魔法道具が必要となる場面を瞬時に見極めて雇い主達が戦いやすいように道具でフォローする、いわば補助的な方法でしか戦いに参加できない。


それでも己の肉体を武器にした接近戦を主流とするバルガ達にとっては、回復と攻撃補助の両方をやってのけるコルクの存在がとてもありがたいものとなっていた。


「…この大斧、あんただったらいくらで買い取る?」


そう言ってコルクに自分の大斧を差し出すバルガ。


その大斧は素材で言えばミスリルだろうか。


あんなに硬い肌を持つドラゴン相手に何度も斧を振るっていたというのに、その刃は刃こぼれ一つしておらず、丁寧な装飾と背につけられた宝石の数からかなり上質な品だといえる。


…これはもしかしたら、名高い王か何かから授けられた物ではないのか?


コルクはふとそんな事を思ったりもしたのだが、やはりそこは専門外なのでそれ以上は口を挟まない事に決めた。


「残念ながら僕は魔法商人であって、武器商人ではありませんからね。そういった類いの物は買い取っていません。…それにわざわざそんな大切な大斧を売る必要などありませんよ。」


コルクはそう言って、後ろに横たわっているドラゴンを指差した。


「見たところあのドラゴンはデビルドラゴン。しかも今時珍しい純血種です。純血のデビルドラゴンのツノやキバは、相当高く売れますからね。きちんと捌けば、ツノとキバを売るだけで僕が先程提示した金額の倍以上のお釣りがきますよ。」


「良かったなぁ、バルガ!」


「…あぁ、良かった…本当に良かったよ…」


コルクのそんな言葉に、ロイスとケヴィンの二人は一斉に瞳を輝かせはじめ、バルガに至ってはうっすらと涙を浮かべていた。

 

「…あと、一つだけ忠告させていただくならば…そこのメガネのあなた。」


「…あ、はい。僕ですか…?」


突然コルクに指名をされて戸惑ったのは、例のケヴィンという剣士だった。


ドラゴンとの戦いの最中に壊れてしまったのか、相変わらず彼のメガネはその鼻元でズレてしまっている。


「そうです、あなたです。一緒に旅をするにあたって、あなたの直感はかなり的を得ていた気がします。今回出費がかさんでしまったのも、元はといえばバルガさんがなんの考えもなしに突っ込んで行ってしまったのが原因の一つです。もし、あの時正しいルートを辿っていれば、多分今回の半額以下の値段でドラゴン討伐が出来ていたと思います。…これからはあんな風にボソボソと自分の意見を言うのではなく、もっと自信を持って発言してみて下さい。あなたも、立派なパーティーの一員なのですから。」


そう話すコルクの言葉に、ケヴィンは先程よりもより一層瞳を輝かせ、その場で「はい!」と大きく返事をした。


「…良かったなぁ!ケヴィン!俺も凄腕の魔法商人様のお墨付きとあっちゃあ鼻が高いゼ!」


そう言ってバルガはケビンの肩に腕をまわすと、ガハハハハとまた豪快な笑い声をあげた。


「俺もこれからはもっと周りの意見を聞きながら行動をする事にするよ。俺のせいでみんなを危険な目に合わせるわけにはいかないからな。」


とてもみんなを毒ヘビや、無駄なモンスター達に散々遭遇させてきた人物の発言とは思えないが、それでも彼のそんな優しい微笑みに、みんな頷くことしか出来なかった。


「さ、そうと決まれば、ちゃっちゃとこのドラゴンを捌いちまって、街に戻って祝杯だー!」


そう言って自慢の大斧を振り上げたバルガと共に、みんなも歓声をあげながら後に続いた。


「ほら、コルクさんも欲しい部位があれば持って行っちゃって下さいよ!早くしないとなくなっちゃいますよっ!」


そう言って嬉しそうに駆けていくケヴィンを微笑ましく思いながら、コルクもドラゴンの元へと向かって行ったのだった。

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