感じて気づいて、伝えたいことは

こまち

料る

私は意外と新しいものに出会うのが好きだ。

極めたいと思わないでもないが、そこまでの胆力が自分にないことを知っているくらいには、子供な自分を捨てる気にならない成人である。

またもや、そんな自分に気づいたのはこの言葉を紹介してもらったからである。


有川浩(今は名前を変えて、有川ヒロさんであるが)著 倒れる時は『倒れるときは前のめり』に「読んでおいしい本」というコラムがあり、おいしい食べ物に目がない私はかなり楽しんだ。

その中に紹介されていた書籍のうちの一冊を購入することはさておき、実は、この「料る《りょうる》」はその本文ではなく、書籍された後に足されたであろうコメントの中に、その言葉への想いが紹介されている。

たった一言、読むこともしなければただの文字なのに、伝えることを忘れない人にとっては、この言葉を未来につなげていくことに意味を見出すのだと気づくと同時に、私は、こんな言葉があることが意外だった。


子供の頃、親はなんでも知っていると思って過ごすが、大体中学あたりで何でもかんでも知ってる人間はいないことに気づく。

子供らしい自分でもそこの折り合いはついているので、知らない言葉が出てくることにはそう驚いたりしない。

だが、この言葉意外だった。

なぜなら、私がこれまで出会った道だった言葉は、すべて、当て字のような読み方だったり、そもそも知らない感じで複雑さしか感じなかったりするものだったからだ。

でも今回は、「料る」と書いて「りょうる」。小学生で習うような簡単な感じを使っているくせに、本当に日本語かと思う読み方で、そのままの「料理をする」という意味なのだ。

ある見方をすれば、覚えやすい優しい言葉ともいえるが、なぜ、料理するではダメなのか。

実際にこの言葉を使う有川さんも、間違いではないか、と問い合わせがあるそう。

なのに辞書に載るくらい、な言葉なのだ。

別の意味で言えば、昔から使う言葉であるのだ。


クイズで出題されれば、答えられそうだと思ってしまうのは、新しいことを知った喜びからか、他人と比較した優越感からなのか。

子供と大人の境界に立つ自分には、どちらも、共存している。

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