第8話 教会のシスターとは仲良くなっておくこと

 教会には行ける時は顔を出すようにしている。


 信者というよりは、シスターの信頼を勝ち取る為の打算でもある。


 教会というよりは孤児院に近い。


 身寄りのない子供を保護して育てている。


 だけど、いつの世も孤児院を経営するにはお金が掛かる。


 教会だけの支援では子供を育てることは不可能だ。


 日本でも子供一人を育てるのに1000万円くらい掛かる。


 子供が何十人もいれば、1億、2億では足りない。


 異世界の物価が違っても、掛かる費用はそれくらい掛かるだろう。


 つまり、手っ取り早くシスターの信頼を勝ち取るには、愛とかそういうもの以前にお金が一番手っ取り早い。


 ただ、直接お金を渡すと遠慮されてしまい、そこに信頼関係が生まれない。


 WIN、WINであることが望ましい。


 教会の周りはなぜか土地が広大だった。


 無駄に広いと言っても過言ではない。


 その土地を上手く使わない手はない。


 少量の野菜を育てているみたいだけど、少し食べていくのがやっとで子供たちは毎日お腹を空かせているのだ。


 その環境を何とかする為に、シスターにお願いして見た目は雑草にしか見えない薬草を育てもらい、その薬草を私が買い取っている。


 買い取ったお金でシスターは足りない食料を買うことで、今はお腹を空かせた子供たちはいなくなったとのことだ。


 雑草にしか見えない薬草も下級ポーション(薬)の材料になる。


 ただし、一般的の下級ポーションではこの雑草みたいな薬草を使用しない。


 くどいようだが、雑草にしかみえないというところに価値があり、下級ポーション(薬)の材料になるところに価値があり、炒めたり、お総菜にして食べれる優れものだ。


 この世界では食べないみたいだが。


 食べれるのだから、食べていいだろう。


 むしろ、腹が膨れるなら食べるべきだ。


 シスターに3人の奴隷を紹介した。


 どうして高齢な奴隷を買ったのか聞かれたので、やんわり無難に答えた。


 軽蔑とかそういうのは特になかったので良かった。


 子供たちと少し遊んで、また来ると伝えて帰宅した。

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