第236話 1 イグニスの正体 ゾンネの底力

俺達がここまですんなり来れたのはとある人らの協力があったからだ

以前エド国でお世話になった冒険者チームさ


ミヤビ冒険者チーム 『エアフォルド』(Cランク)

トッカータ  片手剣士

イビルイ   片手剣士

クルミナ   魔法使い

ローズマリー 槍師


彼らも一緒にバクフまで来てくれたのだ

ティアがミヤビに一度寄り道したほうが良い、と言ったから寄ったんだ

ギルドで彼らを見つけると、挨拶してからティアが懐から金貨30枚入った布袋をトッカータさんに手渡して言い放ったんだよ


『ホンノウジ手前まで案内してほしいです。前金です!』


金持ちだった

それもその筈、彼女は回復魔法師会からテスラさんに沢山お金を貰っている

というかあれだ、回復魔法師会グリンピア支部が出来たら正式に参加することを告げたから眩暈がするほどの金貨が家に届けられたとか言っていたんだよ


時間を買い、ルートを間違わないために金を使う太っ腹さは本当に女性なのか疑問だ

受け取ったトッカータさんは驚き過ぎて鼻水出てたのは今でも覚えている


バクフ街の入口で馬車を降りると、ティアは残りの金貨30枚を彼らに手渡す


トッカータ

『凄いな…いや本当にいいのかティアちゃん』


ティア

『はい!詳しい人に案内してもらいたかったので』


ローズマリー

『女性なのに太っ腹ねぇ』


イビルイ

『やべぇ…分けても大金だぞ』


トッカータ

『てか聞いたよ!ティアちゃんとリリディ君の話はマグナ国の冒険者ギルドにも流れてるよ。カブリエールに黒賢者』


ティア

『あはは…』


クルミナ

『顔は割れてないだろうけどもあまりステータスは見せないほうが良いわね。引き抜き対象にピッタリ』


ティア

『気を付けますね』


時刻は昼過ぎ、俺達はホンノウジ側まで歩き、宿を探すと夕方までかかったよ

ギルドに行く用事もないのだが、やはり冒険者だから行ってしまう

中の構造はどこも同じだ、多分協会で決まっているんだろうけど王都だけはこの構造とは違うらしい


ロビーの丸テーブル席に仲間と共に座り、いちごミルクというジュースを飲みながら周りの冒険者の様子を伺う


どうやらここにはBランク冒険者が2組、そしてAが1組だ

そう考えると俺達の街ってなんか凄いんだなって思う


ティア

『一応ムサシさんの行動調べながら来たけど城にいるらしいよ』


リリディ

『調べたんですか?』


ティア

『王様だからどっかに視察してますとかで不在なら意味ないからね』


ティアマト

『確かにな、流石ティアちゃんだぜ』


リュウグウ

『調べるのは当たり前だろ馬鹿3人め…』


アカツキ

『お…俺はまだ何も…』


ティアの視線が俺に向けられる

笑顔だけど、目が細い…気づかれている

全然気にせずエド国に来ていたなんて言えない、だから俺は笑顔で返す


ティア

『一応ジェスタードさんは城の魔法騎士長しているからいると思うけど、あの人の情報だけは不明なんだよね』


アカツキ

『顔を合わせたいけど、いるのかな』


ジェスタード

『イマスよ?』


みんなで驚いたよ

しかもギルハルドを腕を抱えている


『ミャンミャー!』


リリディ

『そんな…ギルハルドが別の男性に体を許すとは』


ジェスタード

『ヒデュンハルト、凄い強い個体ですねぇ』


ティア

『わかるんですか?』


ジェスタード

『ええ勿論デス』


彼は空いている席に座ると、色々話し出す

明後日ならばムサシの予定が空いているから話しておく、ということだ

だから明日は会う事が出来ない、どうやら会合があるらしいのだ

面子が凄い人たちのな


天下無双衆

明鏡止水オダ・マカイ

風林火山シンゲン・ゴーウン

瞬雷美人シキブ・ムラサキル


エド国の最強格と言われる3人

なんの話し合いなのかはジェスタードさんも知らないってさ


ギルハルドはジェスタードさんの上からテーブルに飛び乗り、ゴロンと寝転んで欠伸をすると寝始めた

堂々過ぎてどう反応していいかわからない


ジェスタード

『やはり地下大迷宮の件デスネ』


アカツキ

『そうです』


ジェスタード

『あそこは発光石が沢山あるので灯りは不必要ですが最下層50階だけありまセン。ただ問題過ぎるのは自給自足するために必要な魔物が少ない事デス。各階層にいる闇猪に岩蜥蜴、そしてグルーテン以外は虫種しかおりませんので』


虫なんて絶対食べない!とティアは豪語する

ティアマトは『意外とイケるんじゃね?』というけども、ジェスタードさんが言うには虫種は全て毒虫だから無理だという事だ


毒系の虫だから噛まれたら大変だけど、ティアがいるので安心できる

んで話を戻すよ、食べれる魔物は出現率が低すぎるのだ

その苦痛で50階層に向かえた者は3人しかいないというのだ

俺の父さんとチームを組む前の若き頃のハイムヴェルトさん、エド国のムサシさんの父親に現在天下無双衆の1人であるシンゲン・ムカイだ


他で到達した者はおらず、最下層で何がいたかも公言されてない

ジェスタードさんがムサシさんから聞いた話によると、不死の生き物だというらしい

そう言われると納得できるかもしれん


ハイムヴェルトさんが一度倒してる50階層の化け物がまたいるって事はそういう事さ

条件通りに倒しても復活したのだろう


ジェスタード

『あれは悪魔そのものの姿だったという話を聞いてマス、お気を付けを』


ついてこないか、まぁそうだよな

これは俺達の問題だ


彼は立ち上がると『観光でもしながら明後日に来ればヨイ、待ってマス』と告げてギルドを出ていく

以前として見た目は怪しい、布袋を顔にかぶり、両手には糸操り人形を握っている

あの人形、ランクBのゴスペルだよね…幻界の森で従えたんだろうか…


リュウグウ

『強く見えない人間だがな』


アカツキ

『でも元五傑の中でも上位だってクローディアさんが言ってた』


リュウグウ

『そこは否定しない。それにしても人間恐慌アクマだけはどこにいるのか未知数だ』


ティア

『世間は戦死したって聞いてるらしいけど、ジェスタードさんの言い方だとまだ生きてるんだよね』


俺達がまだ出会ってない元英雄五傑の1人アクマ

かなりの戦闘狂だったというのはロイヤルフラッシュ聖騎士さんが言っていた

そしてあの人が少し怯えていたのだ、若い頃を思い出したのだろう


人の心を持たぬ悪魔だ。なんど死ぬ思いで俺がしごかれたか、と幻界の森で囁いていたのを思い出す

1日にある程度の運動をしないと暴れる問題児の中の問題児

マグナ国の王都コスタリカでもギルドの冒険者全員をボコボコにして満足して帰るという狂った記録もアクマは残しているとか


ティア

『今日は『緊急依頼です!西の森にある湖近辺にて将軍猪、向かえる冒険者は…』』


彼女が話している途中で受付嬢が声を大にしてロビーに言い放つ

直ぐに立ち上がる1組の冒険者チーム、顔はやる気で満ち溢れてる


アカツキ

『あれは…』


ティアマト

『俺でも知ってらぁ、ゲンコウってAランクの冒険者チームだ』


エド国に確か20組ものAランクチームがいる、うちの国より多い

その中の1組だけど、彼らはうちの国でも名前が轟いているくらい強い

特にリーダーである鉄鞭の先端に鉄球がついている武器を持つ20代後半であろう細マッチョな男性がこれまた強い


1人でも将軍猪をボコボコにするほどの傑物だからだ

天下無双に近づきし者とか色々異名を持っている

エド国でSランク指定された者は3人だけ、天下無双衆の3人だけだ

この国の冒険者はそれを目指している者が多い、ムサシさんの親衛騎士となる名誉のためにだ


リーダの名はファルトナ・カステット

5人組の中で彼以外は剣士だ

前衛的、しかも攻撃特化過ぎて男のロマンともいえる


ティアマト

『格好いいって思うぜ、悔しいがよ』


リュウグウ

『あれは強いな…きっと私達よりも…』


きっと強い

どうやらゲンコウは将軍猪討伐に1組で向かう感じだ、楽勝だろうけど決して油断しないエリートチームだとも名高い


冒険者A

『将軍猪も可哀そうだな、めっちゃ強いのによ』


冒険者B

『俺達が束になっても勝てねぇ相手に1組とかどうやったらあんな強くなれるんだって思うぜ』


冒険者A

『まぁそう…ん?猫にメガネ…スタッフ』


冒険者B

『どうした?ん?』


こちらを見ている

無意識に俺達は顔を隠すが、リリディは胸を張って立ち上がる

止めてくれ…見てる恥ずかしい


だが可哀そうなことに、冒険者は彼を見ているわけではなかったんだ


冒険者A

『あれ…でも違うよな、ヒドゥンハルドを従えてるチームにカブリエールの可愛い子がいるって聞いたけどマグナ国だし』


冒険者B

『ここにいるか?しっかし会って見てぇなぁ…聖賢者ティアちゃんかぁ』


冒険者C

『あぁ知ってる知ってる!歴史上1人しか持ってなかった称号だろ?マスターウィザードよりも凄いらしいぜ』


リリディ

『…』


ティア

『リリディ君、座ってもいいんだよ』


リリディ

『はい』


『ニャハハー』


きっとギルハルドは笑っている、俺はわかるぞリリディ

落ち込む彼をティアマトは笑いながら慰め、俺達は宿に向かう

安い宿は満室だったので少し良い宿にしたんだよ

シングルが無駄に広いところ、1泊銀貨8枚…普通は4枚くらいだ


ここもシングルが殆ど空きが無く、ダブルにティアとリュウグウ、俺とティアマト、リリディが孤独にシングルになっている


宿についたのは19時、俺は部屋にティアマトと共に入ると、良い匂いが鼻に漂う

流石お高い宿だ


ティアマト

『飯は何時だっけか』


アカツキ

『1時間後だな、それまで暇だな』


ティアマト

『俺はちっと仮眠だ』


彼はベットにダイブして直ぐに寝る態勢だ

寝るのか?と話しかけると同時にいびきをかきだした


《早いな》


『今日初めて口を開いたな』


《まぁあっちの様子を見学してた》


『リゲル達か』


《帰ってきたら面白いの見れそうだ》


何の事だろうかと思い、聞いてもテラは教えてくれない

まぁ帰ったら様子を見てみるか

俺は暇だから外に向かおうと廊下に出ると、隣の部屋からティアが現れた

リュウグウも少し休むらしいからティアは暇つぶしで宿の周りを歩こうと考えたんだとさ


この調子だとリリディも…きっとそうだ


《誘えよチキン》


『一緒に歩かない?』


『いいよ!テラちゃんの声、丸聞こえなんだけど』


彼女は笑う


こうして俺はティアの手を握り、外に出た

まるでデートみたいで楽しいと思っているのは俺だけかもしれないが、それでも良い

遠くまではいけないが、俺は宿の周辺を彼女と歩く


横目でティアの顔色を伺うが、楽しそうで嬉しい


(出発前の夜は…楽しかった)


握られた手の感触よりも、胸の感触が勝る


ティア

『絶対エッチなこと考えてる』


アカツキ

『そ…そんなことないよ!』


《俺もきっとエッチな事を考えていた顔だったと思うなぁ、鼻の舌の伸びようが世界記録だ》


アカツキ

『う…うるさいっ』


恥ずかしい

そこで求めてもいない出来事が起きる

直ぐ近くの通りで爆発が起きたのだ

人々は何事かと驚き、遠くから叫び声が聞こえた来る


『冒険者の酔っ払いが爆発魔法撃ちやがったぞ』


『馬鹿な奴だ、自身は吹き飛んだぞ』


『怪我人だ!警備兵を呼べ!』


俺はティアと真剣な顔を浮かべ、近くの通りに向かう

野次馬がいるから直ぐに場所がわかったが、悲惨だ


血を流している人が4人ほどおり、虫の息と化している人が2人だ


『お父さん!お母さん!』


『ありゃ助からねぇぞ…血だらけだ…』


どうやら近くで爆発に巻き込まれた家族だ

10歳ぐらいの子供が必死に親を呼んでいる

でもその声は届かない、2人共遠い目をして弱弱しく呼吸をしているんだ


警備兵が来ても間に合わない

どう見てももうすぐ息を引き取る人間の姿にしか見えないんだ


《こりゃやべぇ…馬鹿は即死したらしいが》


あまり見たくない光景も近くにある

放ったであろう冒険者の腕が近くに落ちている、周りは真っ赤に染まり地獄絵図そのもの

四散した冒険者の体の部位を見て吐き気を催す野次馬が多くなってくる


どうすればいいと言われると、答えは1つしかない

でも俺がそれを考える前に彼女は動き出したのだ


『戦闘形態』


ティアは囁いた

すると彼女の体の周りには金色の魔力が漂い始め、背中に金色の翼を形成していく

神々しい姿に変わっていくティアは僅かに浮遊すると、辺り一面を金色の魔力を漂わせる


その姿、まるで天使だ

野次馬は目を見開いて静かになり、苦痛を浮かべて倒れていた怪我人ですら彼女の姿に呻く事を忘れた

叫んでいた子供でさえ、ティアに向けられる


彼女は翼を閉じ、大きく開くと同時に口を開いた


『ノア・フィールド』


金色の風が彼女から辺り一面に吹き出す

それによって怪我をしていた人の体はみるみるうちに回復していき

瀕死であった子供の親2人の怪我も徐々に回復していったのだ

すでにこの回復量は人の域を超え過ぎてる


既に死んで四散した人間は蘇らせることは出来なかったが…


『なんだ…ありゃ』


『全員回復したぞ、奇跡だ』


『あんな可愛い冒険者、エド国にいたか!?』


『待て…金色の翼、マグナ国の聖賢者ティアちゃんか』


何故ティアをちゃん付けなのかわからない、納得いかない


『ふぅ…』


地面に降り、彼女は『解除』と呟くと翼が金色の粒子となって消えていく

無断通りの彼女に戻ると同時に野次馬をかき分けて現れた多くの警備兵

ティアは俺の手を掴むと『逃げよっ』と笑顔で俺を連れ出した


逃げた先、というか泊まっている宿のフロントにまで来たが…

フロントマンしか姿は無い

俺は近くの休憩所に向かい、彼女と共に椅子に座ると大きく息を吐いた


凄い光景だった

あの数を一瞬で回復できる冒険者なんているのかと考えたが、いるはずない

テスタ会長の気持ちがわかった気がする


《すっげぇな…カブリエール。》


アカツキ

『凄かった、ティアは魔力平気か』


ティア

『あはは…ケアだったら問題なかったけど、今のは半分持ってかれちゃった』


《当たり前だ…あんな回復量だからな。》


ティア

『でもあれしかないと思ったんだよね、子供を1人にするわけにもいかないもん』


アカツキ

『少し休め』


ティア

『大丈夫だよ。ご飯食べたらぐっすり寝るから』


《無理すんなよティアお嬢ちゃん?てアカツキも言いたげだ》


アカツキ

『先に言うな』


ティア

『でも凄い出来事が一瞬で起きたね…』


アカツキ

『初めてだよ、あんなの』


ティア

『うん…よかったね子供』


アカツキ

『親無しでこれからを生きるのは地獄だろう』


そうだ、親を亡くして生きるのは想像を絶する筈だ

俺はふと先ほどの子供を思い出すと、とある事を考えてしまったよ


アカツキ

『…凄いな、リゲルは』


あいつが強い理由がわかった

俺達が思うよりもきっと、彼はもっと過酷だったはずだ

それを助けたのはルドラさんだろうな


ティア

『あの人は強いよ。クワイエットさんも』


《あいつら基準にすんな。獣のように育った奴らだぞ》


誇らしいくらい強い

俺もあんな風になってみたいな


こうして夜食を仲間と取った後、俺はティアマトと部屋で寛ぐ

しかし表通りが騒がしい事に気づいて2人で窓から外を伺ってみたんだ


人だかりが至る所にあり、冒険者も交じって市民と話している

会話が気になったので窓を開けて耳を澄ませると、わかりやすい内容だった


『マジで凄かったって。全員を一瞬で回復させたんだぞ』


『そんな冒険者エド国にはいない、いやこの大陸のそこまで可能な人間は1人しかいないんじゃねぇか』


『マグナ国にいる聖賢者ティアちゃんだろ?金色の翼を持つ天使って異名もある可愛い子』


『いるのか!そんな凄い女性がなんでエド国にいんだよ!?どこにいった』


ティアマト

『夜食で話してたあれか』


アカツキ

『そうだ。どうやら警備兵が辺りをうろついて聞き込みをしているようだが…』


《完全にティアお嬢ちゃん探してるぞ。こりゃ今日は確実に出れねぇ…てか明日もこの調子じゃ顔隠していくしかねぇぞ》


ティアマト

『おいおい大袈裟すぎじゃね?』


《お前らはいつも一緒にいるだろうし感覚が鈍ってる。尋常じゃねぇんだよカブリエールって称号はな》


外の反応はこれが現実か

だがあれか…いずれリリディもこうなるのか


窓を閉め、自分のベットに横たわる

ティアマトも寝る態勢だが、今度は直ぐに寝るわけじゃないようだ

考え事をしているのだろう


《熊五郎のスキルもホンノウジ地下大迷宮にいる魔物が持ってる…。槍女はホンノウジ山の主が持ってる…先ずは山だ、槍女の称号を最終まで持っていかねぇと地下大迷宮50階層の化け物を条件付きで勝つのは無理だ。普通に倒すならばこのままで良いがな》


ティアマト

『なぁ、何がいんだよ』


《デミトリからちと詳細を聞いた。悪食の焦熱席ジャバウォック、悪魔の虫だ》



悪食の椅子


等活席   オイハギ 

黒縄席   ???

衆合席   ヴィドッグ

叫喚席   ???

大叫喚席  ??? 

焦熱席   ジャバウォック

大焦熱席  ゾディアック

阿鼻地獄席 ??? 


《1つ教えてやろう、俺は阿鼻地獄席の悪魔王を知ってる…お前らもあったことがあるぞ。》


ティアマト

『おい洒落になんねぇぞ』


アカツキ

『そういう事だテラ、いったい誰なんだ』


《世界騎士イグニス。教えてやろう…マグナ国の先代王エルデヴァルトは悪魔王イグニスと契約してガンテア共和国を攻めようとしたが身内にスパイがいて戦争に負けた。勝てばガンテアは悪魔王イグニスが手に入れ、その後は共和国の先にある帝国を支配して最果ての記憶の地に向かう予定だった。だがそれはできず、イグニスはエルデヴァルト国王を殺したんだ…、エルデヴァルト王は俺のスキルを手に入れれると騙されていた事はゼペットの体内にいた頃に知っている。》


アカツキ

『あいつが…悪魔の王だと!最果ての記憶の地には何があるんだ』


《俺が遥か昔に結界を張って閉じ込めた悪魔の故郷コキュートス。何百万という数の悪魔の兵がそこにいる。やつは俺の星を支配する気だろう…色々悪魔の行動を見て故郷を解放するために動いているんだとわかったよ…ちっと思い出した。お前らはモテている…人間の中の神であるゾンネと悪魔の王イグニスにな…、あのイグニスがスキルを欲しがる理由は俺と取引するためだ。解放するかわりに結界を解けとな。んで俺と戦争でもする気だろうよ》


ティアマト

『ちと規模がデカいぞ!星の運命じゃねぇか』


《だがあいつの夢は叶うことは無い、お前らは逃げていればいい》


アカツキ

『何故言い切れる』


《イグニスより、ゾンネの意思が強い…ゾンネが記憶を全て取り戻せば勝てる奴は神種だけだ。その前にお前らは完全な強さを得てゾンネが生前の力を取り戻す前の今を倒せ。無理なら全員死ぬ》


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