第36話 休日を過ごす
次の日、俺は昼過ぎに起きてから色々家でのんびり過ごしてから夕方には仲間と集まってから冒険者ギルドに行ったんだ。
森から帰ってきた冒険者もいるからロビーは結構な数だな
『特別昇格か』
ティアマトがそう口にする
まぁクローディアさんが決めたのだから不安は無い
昨夜聞いた通り、俺達の冒険者ランクはEであり、既に2体のCランクの魔物を倒しているからだ。
今のランクに留まるべきではないと判断ならばそれはそれで認められたと思っても良いに等しい
『正直まだ実感わきませんね、Dか』
『リリディ君、昨夜寝れた?』
ティアが彼に声をかけた
答えはノーだ
どうやら自身のステータスが驚いて寝れなかったらしい
『ティアさんは称号獲得した日は寝れたんですか?』
『私安眠スキルあるから…』
リリディ、苦笑い
誰もが納得できる理由がそこにある
『チビッ子達、来たなら声かけなさい』
『あ、クローディアさん』
『あ、じゃないわよアカツキ君…応接室行くわよ』
そんなこんなで冒険者カードを回収され、それを受付にいた職員に渡すと俺達は彼女と共に応接室に入っていった
ロビーと違って静かな部屋だ
中央のテーブルに近付くと俺達は手前に座るが、クローディアさんは奥に座る
彼女は欠伸をすると、俺達にステータス開示を求めてきたので見せることにした
そこで俺は気付いたのだ
…………………
アカツキ・ライオット
☆アビリティースキル
スピード強化【Le3】
気配感知 【Le2】
動体視力強化【Le2】
☆技スキル
龍・開闢 【Le2】up↑
居合突 【Le2】
光速斬 【Le1】
☆魔法スキル
称号
・・・・・・・・・
リリディ・ルーゼット
☆アビリティースキル
打撃強化【Le3】
気配感知【Le3】
麻痺耐性【Le3】
スピード強化【Le2】
☆技スキル
ドレインタッチ【Le2】
骨砕き 【Le1】
☆魔法スキル
風・突風 【Le2】
風・カッター 【Le2】
黒・チェーンデストラクション【Le1】
称号
リトル・クルーガー【黒】
☆称号スキル
毒耐性【Le1】
動体視力強化【Le1】
・・・・・・・・・・・
ティアマト・ウロボリス
☆アビリティースキル
斬撃強化 【Le2】
気配感知 【Le2】
毒耐性 【Le4】
スピード強化【Le1】
☆技スキル
連続斬り【Le3】
鬼無双 【Le2】
☆魔法スキル
称号
・・・・・
ティア・ヴァレンタイン
☆アビリティースキル
安眠 【Le1】
気配感知【Le2】
麻痺耐性【Le1】
スピード強化【Le1】
☆技スキル
☆魔法スキル
火・ラビットファイアー【Le2】
雷・ショック【Le2】
木・スリープ【Le2】
風・ケア 【Le1】
称号
パナ・プレイヤー
☆称号スキル
デバフ強化 【Le1】
自然治癒 【Le1】
スピード強化【Le1】
・・・・・・・・
クローディアさんが驚いた様子で口を開く
『アカツキ君、スキルレベルが…』
上がってる、開闢のレベルが上がってたよ
昨夜のテラ・トーヴァの言ってたのはこの事だな
『俺も驚いてます』
『そうよね、まぁ他の子もEランク冒険者にしてはスキルレベルが高いわ…これなら特別昇格も軽々合格ね』
ここまで言われたら堂々となるしかない
冒険者Eランクのカードはブラウン色だがDになるとグリーンになる。
楽しみだ
『まぁ特に言うことはないわ、どうせランク上がっても暫くはDランクの魔物狙いで場数増やしでしょ?』
『よくご存知で』
『なら大丈夫よ、次のCは本当に壁よ?魔物ランクBからは一流じゃないと歯が立たないからよ』
それは身を持って体験している
将軍猪や鬼ヒヨケ相手にね
今でも倒せないのはわかってるから倒せるくらい強くなるしかない
『パナ・プレイヤーにリトル・クルーガーねぇ…』
『どうかしましたクローディアさん?』
『全員称号持ちとかなったら面白いわねってね』
実感は無い、しかし俺達なら可能だろう
そうしないと駄目な時期がいつか来るからだ
ティアマトと俺はまだだが、いずれ狙う事になる
クローディアさんは椅子から立ち上がると奥のドアに行ってしまう
多分カードの仕上がり具合のチェックかな
『アカツキ、今後はどうするよ?』
ティアマトが腕を組んだまま話しかけてくる
『ステータス的にティアマトの強化に優先を置きたい、称号の条件は不透明過ぎるからわからないがスキルレベルが上がる場合でも獲得する事はあるのは調べてる』
『まぁそうだな、あまり欲深くいかず、いつも通りの動きでいきゃいい』
『わかった』
彼はパワータイプ、だからこそ決定打となる力が必要だ
今でも十分だけどね
そうしてクローディアさんを待っていると、意外と直ぐに奥のドアから来てカードを俺達に渡してくれたのだ
誰もがグリーンに変わったカードを見て微笑んでいるがティアもである
彼女は以前Dランクでカードはグリーンだったが、移籍するとギルドに申請しなければならない
それをしていたのでカードの色はランクダウンしていたのだ
俺は初めてのグリーンのカードをまじまじと見つめている
するとリリディが口を開いた
『楽しくなりますね』
こうして部屋を出てからは今日は休みにしていたのでその場で解散としていたのだが
今日はみんなで夜食を食べる事になっているので直ぐには帰らない
ロビーの中にある丸テーブルを囲んで椅子に座っていると色んな冒険者から話しかけられるが、どうやら俺達は、冒険者達の中で注目株のようだ。
しかしテラ・トーヴァからの言葉を思い出してほしい
奪宝ゼペットの仲間がこの街に潜んでいるということは俺達が目立っていれば確実に俺達を視認している可能性は高いのだ
それだけが不安だ
『お?』
ティアマトが何かを見つけた様だ、顔は嫌そうな顔をしているけども、誰かと思えば森から帰って来たソード・ガーデンご一行であった
先頭を歩くゼルディムは直ぐに俺達に視線を向けたが、また直ぐに視線を外して受付に向かっていく
彼のチームメンバーは、相変わらずこちらを蔑んだ顔で見てきたが、リリディやティアマトは顔を逸らして無視をする
ティアの後釜的な女もクスクスと笑いながらこちらを横目に俺達の座る丸テーブルの横を通り過ぎていく
『あれはなんですか、口紅濃すぎですよ』
『名前そういや知らねぇな、チュパ子でいいだろ』
ティアマトの唐突なネーム命名でリリディはツボにハマってしまって笑いを起こし殺してた
チュパ子か、まぁかわかんことはない
『そういやソード・ガーデンがCに昇格間際だってきいたかアカツキ』
隣のテーブルに座る冒険者が突如凄い事を口走る
それには俺の仲間も驚きだよ
『ゼルディム達がCに到達するのか』
『結構Cランクの魔物も安定して来たらしいぜ?凄いよな…エーデル・ハイドと並ぶんだぜ?ランクはだが』
ランクはだが、の意味は俺もわかる
Cにも見えないランクがあるのだ
チームだと勿論Bランクの魔物も依頼を受注できる、Bを討伐できるチームと出来ないチームでCは分かれていたのである
エーデル・ハイドはBの討伐もこなすことはできる、ランクが同じになっても立ち位置が違うんだよ
ゼルディムはそれくらい理解しているだろうけどな
なんだかんだ仲間も良いスキルを持ち、経験も積んでいるからこそCの資格を得れそうなのだろう
『まぁ他所は他所だ、俺達は俺達で地道に行こう』
そう告げると仲間も口を開く
『早くリリディ君の術みたいなぁ』
『使い勝手いい術でしたよ、意外と魔力消費もレベルが低いからか、コスパが良いです』
『そなんだ!』
『俺も興味あるぜ』
『明日見せますよ』
楽しみだ
受付を終わらせたゼルディムたが、変に絡んでくることはしないようだ
『ゼルディムはまだマシだな、一言多いがよ』
『まぁ今は大人しいので変にこちらも尖った事はしないようにしましょう』
『そうだな、そういえばリュウグウはまだ来ないのか』
『いるわよ』
全員びっくり、後ろ側のテーブルに座っていたのだ
『も~声かけてよリュウグウちゃん』
『さっき来たばかりだ、タイミングを見計らってたのよ』
『なら夜食食べに行こうよ、アカツキ君時間でしょ?』
ティアが一番楽しみにしているようだ
俺はリュウグウを入れてギルドを出るとそのまま真っすぐとある飲食店に向かう
商店街にある有名な海鮮料理店だが冒険者があまり来る事は無い店だ
中は家族連れのお客さんが目立つがみんな稼ぎがあるからここに来ているのだろう
ここは意外と高い、満腹にするには銀貨5枚は確実にかかるからだ
慣れない店の雰囲気に少し緊張した面持ちで店員に席を案内され、丸テーブルを囲むように椅子に座った
『水をお持ちしますが』
店員が気さくな笑顔を見せ、一礼すると厨房に去っていく
ティアが凄い興奮しながらテーブルに置いてあるメニュー表を開くけども俺達が食べたいものは決まっている
『決まってるよな?』
俺は口を開くとリュウグウ含め、みんな頷いた
店員が人数分の水を持ってくると、俺は彼に注文したのだ
『赤ウニ丼5人分、3人分は米大盛でお願いします』
『かしこまりました』
念願の赤ウニ丼
1人前金貨1枚という超高級な海鮮である
『赤ウニ…』
『リュウグウちゃん、普段何食べてるの?』
『わ…私か、唐揚げ定食よ』
『安いし美味しいもんね』
『コスパ最強だ』
唐揚げか、あれ美味しいもんな
今回の依頼で彼女も余裕が生まれた筈だ、アパートの家賃が無駄に高いということで依頼で稼いだ資金がそっちに持ってかれると溜息交じりに話す
『1人だとチームよりも数をこなせない、まぁ1日金貨2枚行けばいい方よ』
『家賃どんくらいなんだぁ?』
『金貨10枚、武器や防具のメンテナンスの費用もあるし維持費が凄いわ』
『あぁなるほどな、グリンピアの北地区は警備もかなり厳重だし周りも商店街が近い所にアパート多いからなぁ、女の1人暮らしとなると安全面を取ったという事か』
『熊にしてはわかっているわね』
『熊言うな熊って』
ティアがクスクス笑っている、確かに女性1人ではここらは警備兵の数は少ない
そうだとしても一応安全だけども、それよりも北地区の方が遥かに警備が厚いので安全なのだ
『なんでリュウグウさんはソロにこだわるのです?』
リリディが質問をするとリュウグウは腕を組んで答えた
『私にもやる事があるのよ』
『その言い様だとまだ秘密ということですね、興味はありますが別に無理やり聞く気はありません』
『優男が似合わないぞメガネ』
『リリディーです、誰でも秘密はありますよ、話したいとこに話せばいいと思います、ただアカツキさんはそれは別として考えていることがあるようですよ?』
するとリュウグウは俺に視線を向けてくる
気難しそうな表情が重いけども、いきなり話を振られると思わなかったな
『また4人じゃ心配な依頼がある時は助けてくれ』
『…わかった』
『そっちが困った時はこっちも動くよ、それでいいか』
『それは助かるわ、その…なんだ』
『ん?』
『アカツキのそのスキル、欲しいスキルがあるんだけど』
『スキルか、何のスキルだ』
『動体視力強化スキルよ』
『となるとグランドパンサーだな、今回は本当に助かったからお返しとしては丁度良い…のかな?』
『十分すぎるわ』
俺は仲間に顔を向けた
みんな頷いているから問題は無い
『じゃあ明日か?あぁん?』
ティアマトの一言が発端で、明日に彼女の頼みを聞く事にしたのである
それが決まるとリュウグウは一段と嬉しそうな顔を浮かべた、俺としても何だか嬉しい
こうしてみんなで赤ウニ丼でリリディ称号獲得とお化け屋敷の依頼達成を祝って食べ始めたのだが、凄い美味くてリリディが天に召されそうな顔で黙々と食べていたのが面白かった
リュウグウもティアと共に女性を捨てたような食いっぷりを見せる
俺もティアマトも赤ウニ丼に勿論夢中だ、美味すぎる
《パズルは揃うな、兄弟…いい感じだぜ、頑張りなよ》
『わはっは』
《食いながら言うなよ…ゼペットの復活は感じねぇ、結構手間取っているようだから当分はのんびりスキルを有効活用できる立ち回りを心がけるこった》
テラ・トーヴァはそう告げると再び眠りにつく
今日はティアがリュウグウの家でお泊まりという事で店を出た後、ティアはリュウグウと共に北地区へ歩いていく
俺は遠くに消えていく2人の背中を見守りながら口を開く
『なんだか少し面白くなってきた気がするよ』
『ケッ!最初からそうだろうがよ』
『まぁこれからどうなっていくか楽しみですね、まずは帰りましょう』
俺は3人仲良く家まで帰る事になった
触れ違う人々は家族連れが多く、きっとこれから外食だとわかる
冒険者もそれなりにいるが、時たま怪我をして包帯を腕に巻いている者もいる
誰でも冒険者稼業をすれば怪我は付き物だ
『止まれ!』
ふと進行方向から声が聞こえる
俺達は前に顔を向けると、警備兵2人が男を追いかけていたのだ
街の人達は驚きながらも左右にそれて巻き込まれないようにすると、追いかけられている男が必死に鞄を抱えたままこちらに走って来たのだ
『盗人だ!捕らえよ!』
なるほど!泥棒ですか!
『どけ!邪魔だ!』
泥棒は叫びながらこちらに近付いてくる
ティアマトは不気味な笑みを浮かべ、片手斧を担いだまま前に出るけども、それよりも早くリリディは前に出た
彼は右手で木製スタッフを担ぎ、左手で眼鏡を触ると一息ついてから口を開いた
『いい機会です、それではお見せしましょう』
リリディは眼鏡を触る左手を肘を曲げた状態で上に向けると言い放った
『チェーンデストラクション』
彼が言い放った瞬間、左手の上から出現した黒い魔法陣から鎖が現れた
その左手を手首だけを曲げて正面に迫りくる泥棒に向けると鎖が魔法陣の中から伸びていき、泥棒の顔面に命中して仰け反らせると同時に瞬時に体に巻き付いた
リリディは鎖を左手で上手く操作すると、なんと、泥棒を拘束したまま宙に浮かしたのだ。
見慣れない光景に俺とティアマトは驚く、俺達だけじゃない、周りの人々もだ
『リリディ、お前ぇ…』
『これが僕です、鎖があと1つあればいいんですがね』
警備兵が凄く驚きながらも宙に拘束された泥棒の真下に辿り着くと同時にリリディは鎖を消した
すると泥棒は真下にいる警備兵に見事に取り押さえられて御用となった
『リリディ、お前…なんだそれ』
近くで見ていた冒険者が驚愕を浮かべたまま彼に話しかける
しかし彼は『新しいスキルです』と言うと冒険者は困惑を浮かべた
『見た事ねぇぞ…、本当に魔法使い希望なのかよ』
『何を言ってるのです?僕は未来の大賢者です。1人しか到達していないその称号への道に僕は立ったのです』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます