第32話 亡霊屋敷と結婚指輪編 2 アンデットだらけ

アカツキ・ライオット


☆アビリティースキル

スピード強化【Le3】

気配感知  【Le2】

動体視力強化【Le2】


☆技スキル

龍・開闢  【Le1】

居合突   【Le2】

光速斬   【Le1】


☆魔法スキル


称号

・・・・・・・・・

リリディ・ルーゼット


☆アビリティースキル

打撃強化【Le3】

気配感知【Le3】

麻痺耐性【Le3】

スピード強化【Le1】


☆技スキル

ドレインタッチ【Le1】

骨砕き 【Le1】


☆魔法スキル

風・突風   【Le2】

風・カッター 【Le2】


・・・・・・・・・・・

ティアマト・ウロボリス


☆アビリティースキル

斬撃強化 【Le2】 

気配感知 【Le2】

毒耐性  【Le4】

スピード強化【Le1】


☆技スキル

連続斬り【Le3】

鬼無双 【Le2】


☆魔法スキル


称号


・・・・・

ティア・ヴァレンタイン


☆アビリティースキル

安眠  【Le1】

気配感知【Le2】

麻痺耐性【Le1】

スピード強化【Le1】


☆技スキル


☆魔法スキル

火・ラビットファイアー【Le2】

雷・ショック【Le2】

木・スリープ【Le2】

風・ケア  【Le1】


称号

パナ・プレイヤー


☆称号スキル

デバフ強化 【Le1】

自然治癒  【Le1】

スピード強化【Le1】


・・・・・・・・




下に降りると冒険者は少ない、みんな南の森に出かけたのだろう

北にもあるけども南の森が一番魔物が適度に現れるし、丁度良いから南の森指定の依頼書を手にする為に朝から揉みくちゃとなる



俺達はロビーの丸テーブルに座ってから全員の分の飲み物を聞くと、リリディと共にギルド内に隣接している軽食屋のカウンターに麦茶5人分とプリンを2つ注文したのだ。


プリンは誰かって?リュウグウとティアである、女性は好きらしいな…俺も好きだけどさ


リリディ

『プリンですか、僕はゼリー派です』


アカツキ

『リリディ、確か毎日食ってるっけ』


リリディ

『毎朝!欠かさず!』


腰に手を当てて胸を張ると、彼は自慢げに言い放った

日課か、俺にはないな…


アカツキ

『まぁ戻って飲み物来るまで待っ…』


俺は振り返りながらリリディに話す途中で口を閉ざす

クローディアさんがニコニコしながら立っていたのだ

はて?何だろうと隣のリリディと首を傾げていると、クローディアさんは腕を組んで話しかけてきた


『指定依頼来てるわよ?多分話は聞いてる筈だけどオズボーン商会』


『『え』』


リリディとハモる

クスクスとクローディアさんは笑うと続きを話してくれたんだ


クローディア

『依頼として達成すれば冒険者ランクとしてプラスになるわ、まぁ屋敷の中にいた魔物次第だけどね』


アカツキ

『持ってきた魔石ですね』


クローディア

『正解、判子は押してるから頑張ってね?』


クローディアさんは手に持っていた依頼書を俺に渡すと手を軽く振って去っていく

リリディと依頼書を確認してみると簡潔に書かれていたよ


亡霊屋敷の魔物討伐と元凶の解明

報酬は金貨50枚、高すぎる!!聞いてたけどさ…


『額凄いですね』


リリディも苦笑いが精一杯だ

仲間の元に戻り、テーブルに広げてみんなで見るとリュウグウはスゴい額に興奮していた。

今更辞退など彼女は考えない筈だ


ティアマト

『アンデット系となるとゾンビナイトにグールは確定だ、あとはなんだ?』


ティアマトの問いにティアとリリディが答える


ティア

『Fにゴースト、Eにグールはいそうだね』


リリディ

『あとはDのリッパー、あれも確かアンデット系です』


ティアマト

『リッパーか、爪が長いグールだろ?』


リリディ

『そうですね、人型で平均身長は160㎝、口は避けていて獣の様な牙を持った唯一、力があるアンデットです』


面倒だな、Dなら油断しなければいけるな

しかし…肝心な魔物ではないだろう


アカツキ

『Cにアンデットは何がいる?』


俺の問いに答えたのは仲間ではなかった


ゼルディム

『コンペールだぞ、魔物くらい覚えておけ』


アカツキ

『ゼルディム?』


隣のテーブルにいた、何故?

しかも仲間といないのだから尚更驚く


ゼルディム

『まるで1人で何故?みたいな顔するな』


アカツキ

『いや、驚くよそりゃ…』


ゼルディム

『疎いお前に教えてやる、コンペールは薄暗い森の中にたまにいる、獣の体をしているが半分腐食していて獣のくせに両肩部に人の腕がついてるし爪が長い、基本的には四足歩行で素早く襲いかかり、その両腕で攻撃してくる…口は大きく裂けてるから噛みつかれると引き剥がすのは面倒だぞ』


淡々と話すと彼は満足したかのように立ち上がり2階の階段に歩きながら最後に言い放つ


ゼルディム

『まぁ火を毛嫌いするから松明でも振っとくんだな』











『あいつなんだぁ?』


ティアマトが首を傾げる

こうして時間を潰してから依頼の場である屋敷に夕方に辿り着くと、鉄柵の門の前にいる冒険者に開けてもらった。


冒険者

『ここやべぇぞ?夜とか叫び声とか余裕で屋敷から聞こえるぞ?』


その情報にティアの膝が高速で震える

ティアマトは笑いを堪えてたが、俺もちょっと可哀想だとわかっていても彼女の過剰な反応に額を抑えて笑ってしまった


全員で門を抜け、雑草だらけの庭から屋敷を眺める

不気味だ、人はいない筈なのにいても可笑しくないなと自然と感じてしまう


『お化け退治ね、あと1時間もすれば日もくれる…どうする?』


リュウグウがこちらを向く

俺は屋敷を見上げた。

ここからだと魔物の気配はない、あるなら感知スキルのレベルが高いリリディが何か言う筈だしな


『行こう』


俺の言葉で入り口まで歩くとドアを開いた

中を開けると2階は吹き抜け、左右に廊下があり、正面には左右に伸びる階段だ。その階段の両脇に奥に向かう廊下がある

ここは薄暗い、入口上のステンドグラスから外の光を入れてるのだろうが、夕方だとあまり光は入らないから暗い


壁は所々の塗装が剥がれていて汚い

ティアが俺の腕を凄い力で掴んでるのが気になる


『リリディ、気配は』


『……ありますね、奥の下から』


『地下か』


『でしょうね』


やはりな


『先ずは各廊下歩いて部屋覗こうぜ』


ティアマトが口に笑みを浮かべ、左側の通路に体を向けた

まだランタンはいらないな


アカツキ

『リリディとティアマト、前頼む』


ティアマト

『おう』


リリディ

『わかりました』


アカツキ

『リュウグウとティアは後ろの警戒をしながらついてきてくれ』


俺は彼らの直ぐ後ろからついていき、ティアとリュウグウは後ろの警戒だ

左側の通路には左側が窓、右側に部屋が点々とある

床の絨毯は赤く、さほど汚くはないが歩くと埃が舞う


建て直しする程の破損は見られない

リフォームで済む感じだろうな


手前のドアをティアマトが臆すること無く開けると何もない空の部屋だった。

俺はランタンに灯りをつけて室内を照らす。

リリディが中に入って調べるが、本当に何もない


リリディ

『何もないですが魔物の気配は地下以外からも感じますよ』


ティアマト

『どっかの部屋からか、感じるぜ』


リリディ

『窓がない部屋ですから、日中でもアンデットならいても可笑しくないですね』


だな、窓がなきゃ部屋は暗い

次の部屋は汚いベッドと机のみ、しかし壁にある引っ掻き傷にティアはリュウグウに抱き付いて震えている、怖がりだ…


『ティア、ビビり過ぎよ』


『緊張してるだけだよ!リュウグウちゃん!』


それならいいが…

しかし次の部屋は違った、入る前から気配を感じたのだ

ティアマトが静かに部屋を開けると、俺は直ぐにランタンで中を照らす

部屋の中心には大きめの長テーブル、そしてそれを囲む椅子


奥の方から奇妙な音がした・・・・

扉を開けると、なるほど、気配の正体が立っていたのだ


ティアマトはそれを見るなり片手斧を担いだまま不気味に笑みを浮かべた


『よぉ糞ナイト、立ち退き頼むわ』


『アァァァ!』


彼の声に反応し、振り向きながら不気味な声を出したのはゾンビナイト

奴は右手の片手剣を振りかざしたまま、部屋に入ったティアマトに襲いかかるが、彼は振り下ろされた剣を軽々避けてから顔面を殴って頭部を破壊して倒した


魔石を俺が回収し、どんどん各部屋の中を確認していると左側通路に面した部屋には計3体のゾンビナイトを見つけ、ティアマトとリリディに対応してもらった。


外は暗くなり始め、廊下を照らす外の日差しが弱くなる

そうすればおのずとアンデット系の魔物も現れ始めるだろう


『ここらは倒しきっただろう、戻ろう』


俺は皆に告げ、来た道を引き返すと奥の方から煙がうっすらと漂っているのが見えた。

ティアはそれを見て体を強張らせるが、その正体がゆっくり近付いてくると彼女の緊張も消える


ティア

『あ、ゴーストだ』


ゴースト

『ヒョー』


黒い煙につり目の魔物だ、アンデット系である

サイズは1メートル程だが、少し大きい?

いや違う


『2体ね』


リュウグウが槍を担いだまま口を開く

2体が微妙に重なっていて大きく見えただけだったんだ

溜め息を漏らすリリディは腕を伸ばすと突風でゴースト2体を一瞬で吹き飛ばして消す

魔石が地面に音を立てて落ちると全員でそこまで歩いてから俺が回収した。


『もう周りからプンプン感じるぜ』


『魔物なら怖くない』


ティアマトとティアが口を開く

直ぐに屋敷の入口であるロビーまで戻ると、今度は右側の廊下だ

既に奥の方には魔物が見えている、グールだ


『カカカ』


灰色で人型の魔物、口は大きく避けていて爪は鋭い

二足歩行であるグールは鳴きながら頭部を不気味に震わせ、奥の方で両足を引きずるようにして周りを徘徊している。


やはりアンデットばかりだ


『グールだが…』


俺は口を開くとリュウグウが前に出る

それに釣られるようにしてティアも前に出るので俺は彼女らに任せることにした


『ランタンはいらないわ、まだ見える』


リュウグウはそう告げると槍で壁を叩き、音を立てた

廊下に響き渡る音に気付いたグールが素早くこちらに顔を向けて走ってきたのである


『カカカカカカ!』


『1匹程度この私…』


リュウグウが口を開いている最中に奥のドアが開き、別のグールが現れた。

2体いたのだ。


リュウグウは不満そうな顔を俺に向けてくるが、危ないときは援護するつもりである


『魔物ならば問題ない!』


リュウグウは待たずして、槍を回転させながら走り出すとティアも追従する

グールが飛び込んでくるとリュウグウは回転させた槍で頬を叩き、壁に叩きつけてから奥のグールに襲いかかる


『ラビットファイアー!』


ティアはリュウグウが壁に叩きつけたグールに向けて5つの火弾を撃つとそれらはグールに触れた瞬間に燃え広がり、暴れる


『鬼突!』


奥では残りのグールの頭部に鋭い槍の突きでトドメを刺すリュウグウ

燃えたグールも鎮火すると倒れ、もう1体も頭部に風穴を開けたまま前のめりに倒れていく


『よし、廊下は制圧した』


魔石を2つ回収した彼女は辺りを見回し、俺達の元へと戻る

グールが出てきた部屋が空いているので全員で中を調べると、中は家具などはないが酷く物が散乱している


ランタンで照らすと本やマグカップ、そして紙くず等だ


『何か廊下にいますね』


リリディがドアに視線を向けると、そのまま部屋から顔を出して廊下を見る


『リリディ、何がいる』


『ゾンビナイト2体、まぁティアマトさんと倒してきます』


『お?俺か、良いぜ』


ティアマトはニヤニヤしながらリリディと共に廊下に向かう

その間、部屋をくまなく調べても普通の部屋だ

仕掛けがある様子はない


廊下からは戦闘しているであろう音が聞こえる

するとリュウグウは床に落ちている本を拾ってペラペラとめくりながら口を開いた


『勤勉家か、難しい本ばかりだ』


『貴族は頭良くないとなれないしね』


『そうね、地下だけど…ロビー正面の廊下の先かもしれないわね』


リュウグウとティアの会話に俺は答える


『ここらから魔物の気配はない、そこに向かおう』


こうして廊下に出ると、ゾンビナイトが床に2体倒れている

そのうちの1体は頭部が破壊されているのだがきっとリリディだろう


ティアマト

『んで?どうすんだぁ?』


アカツキ

『戻って違う廊下の奥だ、地下を探そう』


気づけば外は暗い、オイルランタンの灯りを調整して視界を確保してから俺は前を歩く

ロビーに戻ると周りは暗く、ランタンの灯りの届く場所しか見えない

ティアはこういう雰囲気の場所は完全に苦手、俺の背中に隠れながら顔を出している状態だ


リリディ、ティアマト、リュウグウは周りを警戒してくれているが、魔物の気配が結構する。


ティアマト

『結構いっぞこれ』


リリディ

『そのようですね、まぁ現れたら倒すのみです』


リュウグウ

『私にも稼がせろ』


ティアマト

『報酬だけじゃ物足りねぇってか?』


リュウグウ

『稼げるときに稼ぎたいだけよ、アパート暮らしだし』


ティアマト

『なるほどな…アカツキ』


ティアマトが俺に顔を向けてくる、何故かリュウグウも俺に視線を向けているが返事を間違えると駄目らしいなこれ


『魔石の追加報酬は半分でいこう』


それで彼女は満足したらしい、ほっこりした顔をすると、我先にと階段両脇の廊下の右側に向かって歩いていく

俺達も彼女に続いていく、ランタンでは奥が見えない


歩いていると右側にドアが点々とあるが部屋だな、当たり前だ


そうしていると先頭に躍り出ていたリリディが手を横に伸ばして制止させる


『リリディ君、魔物?』


『ですねティアさん、4体の気配ですが奥からです…まだ大丈夫ですが意識しながら進んでください、右側の部屋達は正常です』


『というかリリディ、お前気配感知高くないか?』


リュウグウが疑問を浮かべると彼は自慢げにステータスを彼女に見せたのだ。



・・・・・・

リリディ・ルーゼット


☆アビリティースキル

打撃強化【Le3】

気配感知【Le3】

麻痺耐性【Le3】

スピード強化【Le1】


☆技スキル

骨砕き 【Le1】


☆魔法スキル

風・突風   【Le2】

風・カッター 【Le2】

ドレインタッチ【Le1】


・・・・・・・・・・・


リュウグウ

『お前そのステータスでまだEランクなのか!?』


ティア

『声大きいよリュウグウちゃん…』


ティアは俺の背中の後ろであたふたしている


リュウグウ

『驚くに決まってる、気配感知レベル3だぞティア、グリンピアにいるかどうかわからないのよこれ』


ティア

『凄いの?』


リュウグウ

『エーデルハイドのクリスハートさんと同じ筈よ』


ちょっと驚いた、俺達は他の冒険者達のステータスなど知らない、基準がわからないのだ

だからこそリリディは凄い驚いている


『そ…そうなんですね』


『そういえばお前、未来の大賢者とか言ってたわね』


『それがどうしましたか?』


『打撃特化の大賢者がいてたまるか、術も中々頼り甲斐あるのはわかるけど、接近戦も出来るなんて驚きよ』


リリディ、褒められて嬉しそう

ティアマトは声を押し殺して笑っているのだが、そうしているとリリディが直ぐに真剣な顔を浮かべ、廊下の奥に顔を向けた


『どうやらあちらさんにバレました。後ろからも…2体です』



『わかった、リュウグウとリリディは前を頼む…ティアマトと俺で後ろ、ティアは危ないと思ったら援護だ』


『はい!』


ティアが元気よく返事をする

するとランタンでも届かない灯りの向こうから声が聞こえてくる


『アア…アァァァ』


『カカカカ!カカカ!』


正面からだ、声でわかるさ

ゾンビナイトにグールだ

後ろからはゾンビナイトの声が耳を傾けると聞こえてくる、挟み撃ちだな


『じゃあちっと運動すっか』


『ティアマト君怖くないの?』


『なんだティアちゃん、魔物だぜ?』


『あそっか』


ティア、大丈夫か?

すると正面からドアが開く音が聞こえ、走ってくる足音が聞こえたのだ

こっちを視認したか…


リュウグウとリリディが身構えていると、ランタンの灯りの中に飛び込んできたのはグールだ

灰色の人型のアンデット系魔物、3本の爪は鋭くてそこそこの力がある、ギザギザな口はあるが目が退化していて見えてないだろうな、音で感知する魔物だと思われる。



それはリュウグウに向かって飛んできたのだ

彼女は真剣な顔を浮かべたまま槍を僅かに引くと小さく囁いた


『三連突』


すると彼女の槍は飛び込んでくるグールの胴体を3回、素早く突き刺した


『カッ…』


黒い血を流しながら床に落下するが、まだ生きている

キッとギザギザの歯を見せながら滑り込むように彼女に襲い掛かるが、リュウグウは冷静にグールの頭部を突き刺して倒す


リリディは視界に映ったゾンビナイト2体を目視すると手を伸ばし、1体を突風で転倒させてからもう1体の懐に潜り込み、スタッフで顎に一発叩きつけて頭部を破壊する。


起き上がるゾンビナイトは直ぐにリリディに剣を突くが、彼はそれをスタッフを回転しながら弾き返し、ゾンビナイトが仰け反っている間にカッターでエッジ状の緑色の刃を左手から放ち、首を切断して倒し切る


後ろからはゾンビナイト2体、しかしティアマトは1人で倒したいらしいので彼に任せよう

すると正面から残りの1体が歩いてくる

ゾンビ犬だ、珍しいな


『グルルル…ゲボッ…』


吐いている、初登場で印象が悪いぞ


ティア

『汚い犬!可愛くない!』


ティアは遠目でそう告げた、俺達の目の前でいきなり吐いたからな

腐食した犬と言えば見た目は伝わる筈だ

ランクはEだからこの面子だと慎重になる必要はない


『どうどう…どうどう』


リュウグウがしゃがみ込むと不思議な呪文を口にし始める

でもそれは呪文じゃない


『リュウグウちゃん、それ馬にするんだよ』


『‥‥』


リュウグウは真顔でティアに顔を向ける

その瞬間にゾンビ犬は吠えながら飛び込んでくるが、リリディが華麗に彼女の前に躍り出ると木製スタッフをフルスイングしたのだ


『賢者バスター!』


『ギャン!』


見事なフルスイングによって、ゾンビ犬は弾け飛んだ

ティアが汚いものを見る目で肉塊と化した魔物を見ている

後ろのゾンビナイト2体もティアマトが片付けたらしく、魔石を2つ俺に投げて渡してくるので俺は預かった


リリディ

『リュウグウさん、持ってますね』


リュウグウ

『次にそれ言ったらケツを蹴るぞ』


リリディ

『それは勘弁ですね』


リリディは苦笑いを浮かべた

魔石を全て回収し、進んでいくと右側に2階に上がる階段がある

俺達は階段の前で上を眺めていると不気味な声が聞こえて来たのだ

女性がすすり泣く声、それにはティアも驚いてしまい、俺に抱き着く


俺も声には怖いなと感じたが、抱き着かれると恐怖が何かに負けているのに気付く


ティアマト

『なんの声だぁ?リリディ気配は』


リリディ

『感じませんね…2階からか…3階かは登ればわかりますけどもアカツキさんどうしますか』


アカツキ

『あがろう』


ティアが強張った顔つきで俺に何かを訴えている

悪いが怪奇現象も無視できない、俺達の依頼の一部として確認しないと駄目なんだ

それを説明すると彼女はしょんぼりしながら納得を浮かべる


『行こう』


俺はランタンで階段を照らしながら階段を登り始めた

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