第885話 やるときはやる!
やるときはやる男、それがオレ、ヴィベルファクフィニーだ!
とばかりに、今生最大の本気を爆発させた。
……爆散しましたってオチはないからね……。
転移バッチ、発動! エリナのところへ!
途中、お〇さまが話しかけてきたが、構わずマンションへと入り、エレベーターへと突入。ドレミ、エリナがいる階だ。
「エリナ、ゴブリンたちを貸せ!」
扉が開くと同時に叫んだ。
「な、なんでござるか急に!?」
なにか暗い部屋でなにかを読んでいたエリナがびっくりして振り返った。
「ゼルフィング商会で慰労会やんだよ。その護衛を任せたい。イケメンなゴブリンの隊を貸せ!」
ないだろうとは思うが、万が一のために水輝館の警備しておきたいのだ。
「よ、よくわからんでござるが、ヴィどの願いならわかったでござる。四十人ばかりでよろしいでござるか?」
「それでイイ。目立たないように、武装させてくれ」
「わかったでござる。あ、拙者もいってよろしいでござるか?」
「珍しいな、引きこもりのお前がそんなこと言うなんて……」
天変地異の前触れか?
「ヴィどのがやる慰労会に興味があるでござる」
「お前が喜ぶようなことなんかしねーぞ」
いや、お前の喜ぶことなんて知りたくねーけどよ。
「大丈夫でござる。ヴィどのは奇跡を起こす男でござる」
なんの期待だよ! オレは地道で堅実な男だわ。つーか、奇跡なんて起こしたことねーよ。
「来たいってんなら好きにしな。ってか、帝国でやるんだが、お前、来れんのか?」
オレは忙しいから連れてってやれんぞ。
「それも大丈夫でござる。ドレミやいろはができることはバンベルもできるでござるから」
超絶万能生命体に不可能はねーってか? 苦笑いしかでねーよ。
「なら、イケメンなゴブリンを水輝館に送って、周りを確認させておいてくれ」
そう任せ、次はカイナーズホームへと転移した。
「店長さん! 花火くれ!」
「ありがとうございま~す。何万発必要ですか?」
ぜってーオレからぼったくろうとしてるよな、あんた……。
「じゃあ、十万発くれ。あと、打ち上げられるヤツもつけろ。金に糸目はつけないからよ」
ただ、ぼったくろうとしてんなら二度と利用しねーからな。
「はい、打ち上げ師はサービスさせていただきます」
想像だにしない店長の言葉に思わずキョトンとしてしまった。
「以前、カイナ様がお祝い用にと、花火打ち上げ部を設立したのですが、生憎と出番が回ってこず、解体と言う話が出ていたのです」
そんな部、結構ありそうだよな、カイナーズホームって。
「カイナーズホームを預かる者として、なるべくなら部を解体はしたくないのです。彼らによき仕事を与えてやってください」
いつものはっちゃけはなくなり、なんからしくないほど真面目な顔を見せた。
「なら、贔屓にさせてもらうよ。花火はいろいろ使いどころがあるからな」
エンターテインメントに花火は必須。あるとないとでは違うからよ。
「はい。どうかカイナーズホーム花火部をよろしくお願いします」
「特急割り増しで払うから昼までに集めてくれ。後は現地で準備を進めてくれると助かる」
無茶を言ってるのは十二分にわかってる。だが、どうしても今夜やりたいのだ。
「お任せください。エージェントを増やして対処します。ただ、費用はお高くなりますが、本当によろしいので?」
「メンドクセー駆け引きはイイ。いくらだ?」
「六億円ほどかかります」
なんだろう。金銭感覚がバカになったのかな? 思わず安っ! とか叫びそうになったわ……。
「……あ、うん。やってくれや。十億円までは許容範囲だからよ」
ま、まあ、ここはスルー拳で軽く流しておこう。今は慰労会を成功させることに集中だ!
「昼間にまた来る。それまで頼むな」
「万事、お任せください」
胡散臭いはっちゃけ店長だが、カイナからここを任されたヤツ。オレと同じでやるときはやるんだろう。なら、任せた、だ。
再度、転移バッチを発動! 次の場所へと向かった。
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