【更新無期停止】名言、あるいは迷言。

貴音真

第1集


【1】

「人間は、ある時から自分自身という他人と一生を過ごすことになる。」


あなたは、自分自身が何者であるかを本当にわかっていますか?

誰一人として自分自身を知らない世界において自分自身が自分自身だと確信をもって宣言できますか?

「自分自身」という唯一無二の「他人」を自ら見つめたことがありますか?

一番身近な他人は家族でも恋人でも友人でもなく、自分自身なのかも知れませんよ?



【2】

「人は人そのものを愛さない。人は人の心を愛す。」


心というものは、存在や定義が曖昧ではあるけれど、人柄や身なり、身分や富もまた心に含まれている。

その多種多様で曖昧な、心というものの中で、何を優先して愛するかは人それぞれであり、一概に善し悪しは語れない。



【3】

「神様とやらがいるかどうかなんて俺にもわからない。けど、もしいるとしたらコレだけはハッキリしている。神様とやらはいつも見ているだけでなにもしない怠け者なのさ。」


神様や仏様と呼ばれるモノが、人の概念にだけ存在しているのか、或いは科学や文明を超越したところに何かが存在しているのか、それは今のところ誰も証明できていない。

いるともいないとも証明できていない以上はどちらとも言い切れない。

でも、存在の有無に関わらず、それらはいつもなにもしてくれない。

なので、あてにすることも頼りにすることも出来ない。



【4】

「そうやってゴロゴロゴロゴロして、カミナリ様にでもなったつもり!?」


横になって怠けていることを俗にゴロゴロしていると言いますが、これはそのゴロゴロしている様子を、同じくゴロゴロと表現される雷に例えて皮肉った言葉です。

あなたもゴロゴロしてばかりいると言われてしまいますよ。



【5】

「…たった5人だと?お前らは今からそのたった5人に負けることになる。」


多数の無能な人間と、五人の有能な人間。

どちらが優れているか、それは状況にも左右されるけれど、上記の言葉は文面から察するに戦場での言葉であり、戦場においては多数の素人と達人五人が戦った場合、恐らく達人五人が勝つと思われます。

世の中には量より質ということもある。



【6】

「地図の上から人は見えない。」


これも【5】と同じく戦場(正確にはこちらは戦争)の言葉。

戦争を指示する者にとっては、戦争は地図を見て地図上で行うだけのものであるが、実際の戦場には多数の人がいて、多数の命が奪われている。



【7】

「人はよくラッキーセブンなどというが、それならば他は全てアンラッキーなのか?」


ラッキーセブンがラッキーである以上、他はそれと比べてアンラッキーということになりませんか?

ちなみに、ラッキーセブンという言葉の由来は、一説には19世紀末の野球(大リーグ)の出来事から来ていると言われています。

七回の攻撃の際、単なる外野フライを打ったときに、たまたま強風が吹いてホームランなり、それをラッキーセブンと言ったとか。

しかし、7という数字はその出来事よりも遥か以前から西洋文化では特別とされていたらしいです。



【8】

「何もない日常という特別な日々を大切にしよう。何てことのない普通の日々こそが何よりも特別だから。」


残念なことに、これに気がついていない人が多すぎる。

何かがあったとき、その時が非日常という特別な時ではなく、何もない普通の日々こそが特別な時である。

何もない特別な日常を大切にしよう。

失ったあとに、何てことのない特別な日々が大切だったと気がついても遅い。



【9】

「奇跡を見せてもらった…キラキラと輝くような、そんな奇跡を…」


本当の奇跡を見たとき、人はそれだけで何も言えなくなる。

最近は、メディアなどで奇跡や伝説という言葉が安売りされているので、安っぽい偽物の奇跡が多いけど、本当の奇跡というものはそうではない。

メディアが奇跡の瞬間とか奇跡の映像とか言うと安っぽくてヘドが出る。



【10】

「どんなに喧嘩が強くても、平気で人に向けて引き金を引ける奴には勝てない。」


日本では引き金(銃)というのは少し縁遠いので、日本に置き替えるならば、平気で人を刺せる奴、というところですかね?

要するに喧嘩が強くても、平気で人を殺せるような奴には勝てない。

つまり、喧嘩に強いなんてことは生きていくことには意味がないということ。






















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