035「女子会ってこんな感じなの?」
店内に入るがレーラさんの姿はない。
奥に居るのかな?なら、今のうちに2人にユニークスキルのことを口止めしといた方がいいかな。
あー、でもこの世界の魔法って割と何でもありだから変に何か言う必要もないかも。
俺は何故か知らないけど他の人のような使い方は出来ないんだけどね。
まぁ下手に何か言ってユニークスキルの事を意識されても困るし、何も言わなければ俺の魔法と勘違いしてくれるでしょう。
半分以上は願望だけど、下手に誤魔化すとレーラさん妙な所で勘が鋭いとから、俺の事で2人が隠し事してるって気づきそうで怖いし。
うん、口止めはしないでおこう。
「いない?」
リアリス様が不安そうにしてるけど、店のドアの鍵が開いてるからいると思うよ。
レーラさんは残念美人だけど、出かけるときに鍵を開けっぱなしで出かけたりする程抜けてはいない人だから。
とりあえず、2人に店内にあるテーブルに座って待ってるように伝えて店の奥へ。
台所や調合室を覗くがいなかったので、買ってきた服の入った袋を調合室の扉の前に置いて2階に上がる。
コンコンとレーラさんの部屋をノック。
反応なし?
「………………もしかして」
ドアを開けると、ある意味予想通りの光景がそこにはあった。
何でこの人は店開けたままで昼寝してるんだろうか?
ベッドに横になってスヤスヤと眠ってる。
本がベッドの上に散らばってるから、本を読みながら寝落ちした感じなんだろうか?
とりあえず、起こそう。
ベッドに近づいて体を揺すってみる。
「店長、ただいま戻りました。下にお客さんが来てるので起きてください」
んー、これ起きる気がないのか?
何度か声をかけながら体揺すってるのに全然反応してくれないんだけど。
とっくに起きてるのは気づいてる。さっき薄目でこっち見てたし。
………………まさかね?
「お姉ちゃん、お客さんが来てるから起きて欲しいんだけど?」
「んー、わかったよーヴィル」
………………素直に起きやがったよ。
「じゃあ下に行ってるからねー」
機嫌よさそうにさっさと部屋から出てを階段を下りていく残念美人。
お姉ちゃん呼び設定、まだ続いてたのね。
まぁ、いいや。俺も店に戻ろう。
読み散らかされた本の片付けはまた後でいいかな。
朝は綺麗だったのに、どうすれば数時間でここまで散らかった状態に出来るのだろうか。
ため息を吐いて階段を下りて店へ向かう。
……………何だこれ?
店に戻ってきたら、レーラさんがリアリス様を抱えて座ってるんだけど。
楽しそうに頭撫でてるけど、その人貴族の娘さんだよ?不敬罪とかになっても知らないよ?
フードも取って素顔晒してるからわかるよね?青髪だよ??
シャリスティア様も微笑ましい顔して座ってるけど、怒っていいよ?その残念美人は少しくらいなら雑に扱っても怒らないから。
「あ、ヴィルー。お茶入れて来て欲しいなー」
………マイペース過ぎるでしょ。
逆らっても仕方ないので台所でお茶を準備、ついでに茶菓子も用意して店に戻る。
「シャリスティア様、リアリス様。大した物ではないですがよろしければお召し上がりください」
3人にお茶と茶菓子を出して、そっちには座らずに少し離れたカウンターの方へ移動する。
何となく面倒な気配がするから出来ればそっちにはいたくない。
「ヴィル、なんでそっちに座るのかなー?」
レーラさんへの客だし、女の子に囲まれて話とか面倒だからですけど。
適当にレーラさんをあしらって置いてある本から適当に選んで開く。
聞こえてくる会話からすると、なんかレーラさんは2人とは昔からの知り合いっぽい感じ?護衛依頼で知り合ったみたいなこと2人は言ってたけど、レーラさんが「大きくなったねー」とか「美人になったねー」とか久しぶりに会った親戚みたいなこと言ってるし。
まぁ、貴族とか関わる気はないし。俺には関係ない事なので気にしないでおこう。
あー、でも貴族なら煙草の生産地とか知ってそうだよね。
生産地に訪ねて行けば直接葉っぱ買ったりとか加工方法とか教えてもらえたりするかもしれないけど。
…………まぁ、いいか。
自分で情報集めて探そう。
焦る必要もないか、どうせまだ未成年だから煙草吸えないし。
向こうは3人で何か盛り上がってるけど、気にせずにぺらぺらと本を読んでよう。
…………うん、頼むから胸の大きさがどうこうとかって話は遠慮して欲しいかな?
さっきみたいに美味しいスイーツのお店の話とかしてて欲しいんだけど。
いや、リアリス様が着やせするとかそんな情報いいから。
レーラさんも後ろから揉んだりするのは止めてあげて、13歳にしてかなり大きいとか俺に聞こえるように言わなくていいから。
リアリス様めっちゃ恥ずかしそうな顔してるから開放してあげよう?
シャリスティア様も、どうしたらもっと大きくなるとか聞かなくていいからね。
というか、レーラさん間違いなく確信犯でしょ?胸揉む時にこっちに向く必要ないよね?13歳で性欲が薄いとはいえ、ない訳じゃないんだから止めて欲しい。
いや、下着の色とかについて語り出さなくていいから。
…………………早く終わらないかな?
結局、その後もしばらくそんな感じの女子トークが続いたので何か思春期女子の無駄な知識が増えた。
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