2歩

あれから、俺も泣き止んで改めて2人を見る。

うん、やっぱりツノが生えている。なんだ、あれ。


好奇心が勝ち、きゃっきゃと笑いながら2人を見つめる俺に、2人はずっとデレデレだ。

赤ちゃんって可愛いもんね。気持ちはわかるよ。



「ぅ…」

「ん?眠たいのかな…目がトロンってしてる」

「ふふ、本当ね。…かわいいわぁ」

「ああ、君との子供だと思うと、尚かわいくて仕方ないよ」

「あなた…」



あーはいはいはいはい。ラブラブなのは結構ですけどね!!

一応赤ちゃんといえど中身俺だし、子供の前だしちょっとはさ!

ちゅっちゅうふふなんてやめて頂いてよろしいですかねぇ!?


さっき思い切り泣いたから瞼が重くて仕方ない。

赤ちゃんって本当にすぐ眠くなるんだ…あぁ、もうだめ…。

…眠りにつく感覚が前世の終わりと似ていて、少し怖い。

また、目が覚めなくなるんじゃないかって…今回は生まれ変わったけど。

でも怖いからって抗えるわけじゃない。


ふぇ、ふぇ…と眠たいのに中々眠りにつかない俺を2人は呆れる事なく抱きしめ寝かしつけてくれる。

…あった、かい…。



「「…ゆっくりおやすみ…私たちの、愛しい子」」



その言葉を合図に俺をストン、と眠りに落ちた。


夢の中だけでも、あの人たちに会いたいな、なんて思いながら。




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