第12話 アンパン兄ちゃんとキティ坊
空高く飛び上がった控室は真っ
「新年の東京だ!」
そう呟いた瞬間、控室は実に上手いこと井の頭公園にある本部のバラックにぶち当たった。
「なにするんだ!」
控室の
「いま戻りました」
バオバオが他に言う言葉もなくそう言うと、木っ端微塵になったバラックからはったんが見知らぬ生き物を連つれて
「バオバオ、ご苦労だったな」
「
元気にそう答えるが見知らぬ生き物が気になって仕方がない。
「彼らは我々の仲間だ。アンパン兄ちゃんとキティ坊だ。よろしくな」
まさに彼らこそがかつて西は三鷹から東は吉祥寺まで、その名を
アンパン兄ちゃんとキティ坊は言わずと知れたニッキーねずみの天敵である。犬猿の仲である。以前には何度か西東京ディズニーランドに襲撃をかけたが見事に返り討ちにあっていた。
かつてこの兄妹が子どもたちの人気を独占していたことがあった。
しかしアンパン兄ちゃんとキティ坊の人気独占に待ったをかけたのが他でもないニッキーたちだった。彼らは公正取引委員会に二人が「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」に違反していると訴えた。このままアンパン兄ちゃんたちの独占的な人気が続くと公正かつ自由な競争が
アンパン兄ちゃんとキティ坊は、なんとしてでも先祖代々受け継いできた西東京の土地を取り戻さなければ、死んでも死にきれない。そんなこんなで同じくニッキーたちと対立するはったんと手を組みいまここにいるのであった。
(つづく)
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