ヒロインなんてゴメンですっ!

長井瑞希

わるだくみ

「お友達が欲しいわ」

「お言葉ですが、お嬢様には無理です」

「…… お友達おもちゃが、欲しいわ」

「本音が漏れてます、お嬢様」

「おも……お友達が欲しいわ」

「建前を大事にしてください」

「いいじゃない、私とあなたとの仲なのだから」

「私はお嬢様を認めていませんが」

「なんだか従順なメイドも欲しくなってきたわ」

「ではそのメイドの教育は私にお任せを」

「……」

「……おや?」

「……」

「……なるほど。では失礼して……」

「……ッ!? ちょっ待て待て!」



「……? 何故……?」

「こっちのセリフよ! 何しようとしてるのよ!」

「胸を揉みしだこうとしました」

「もみっ……はぁ?!」

「ですから、野獣のようにたけり狂った殿方のように、お嬢様の胸を揉みしだこうと」

「違う! 私が聞きたいのはそういうことじゃないの! どうして……む、胸を揉もうとしたのかきいてるのっ」

「おや? Hのための無言のやり取りではなかったのですか?」

「そんなわけないでしょ! 大体、私たちは女同士なのだけれど!?」

「女性でもイケます。むしろ女性がいいです」

「聞きたくなかった!」

「私はてっきり、お嬢様がH友達をご所望なのかと……」

「たとえそうだとしても女同士は嫌よ!」

「ちなみに理想のシチュエーションは?」

「お姫様抱っこでベッドに運ばれて優しく覆いかぶさられて」

「ハゲたおじさんに? 具体的には宰相殿とか」

「それだったら女同士のほうがマシよ!」

「ところでお友達を作るのにいい考えがあるのですが……」

「え、そこに戻るの!?」

「実は……」

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