終末の日常⑧ 終末コンサート第2部②
舞台は
イッシー君が流すゆったりとしたバラード音楽と、錫杖から流れる鈴の音色が、シャルの話す会話を際立たせている。
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:
「みんなが応援すればするほど・・・・」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.
「「御力が胸の奥からわいてくるの。」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.
「「今もどんどん溜まってきてるよー」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:
「「みんながわたしを応援しくれてるのが」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:.。。。。.:*☆
「「どんどん胸の奥に溜まる御力から感じられるよー」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。.:*☆:.。。.:*☆
「「みんなーーー本当にありがとーー凄くうれしいー」」
シャルの言った事は事実である。
応援した神等の些細な量の御力が、少しずつ自然に漏れて流れていく。
その御力は弱い神威の波動に変化し、ゆっくりと応援された側の方へと流れていく。
時間を置き応援された側、今回はシャルの元に神威が届くと、その神威が還元され、
神能(御力)強化に関しては当然のことだが、時間制限がついてしまう。
今も少しずつシャルの元に届き続けられている、応援により生じた神威波動は、御力の強い大神クラスの神等が、応援し生じた神威であった。
大神クラスの神等が応援で生じた高濃度の神威が神威結界を容易に突破したということになる。
それ以外の神等の応援によって生じた神威は、神威結界を超えることがなかなかできずに、結界の外で溜まり続け、
その場で蠢きながら神威結界そのものを包み込もうとし、神威結界に覆われている邪悪な神威と相争うような陣取り合戦が、白と黒の火花を散らせて繰り広げられていた。
シャルの神体に起こっている例が1柱の神ならば、ほとんど効果がないのだが、これが1万、さらには10万、しまいには100万柱の応援がもし貰えたとしたら、
規模が大きくなるにつれて、その御力を使うことになれば、
どうやら現在進行中の計画も、それを踏まえた上で行われているようだ。
ただし、
有名神になるほど、御力は溜まりやすいが、当然それに見合う神核が必要になるのだ。
これに回避するには、最も簡単な対処方法として、神核をただ鍛えればいいだけだ。
その方法については、神民学園などで詳しく教わる。
さらに補足すると神民学校の低学年の授業で、神核の弱い神、例えば創造したての子供神は、御力の譲渡を絶対にしてはいけない行為として教わる。
シャルは神子学園を通い、神民学園には入籍していないので、その事実は本来知らないはずなのだが、
シャルは大神等の実験に、いろいろ付き合う内に教わり、普通一般の天神民1歳児の子供神よりも、神能に関する知識造詣だけはかなり深い。
今回のような大勢の神等から御力を譲渡される実験も、シャルにはすでに何度も行われ、実験結果はまったく問題なく、異常も見受けられないという神実験論文が、神能研究所から発表されている。
かなり有能な能力を秘めたシャルだが、これから起こること、即ち事細かな計画の詳細を、メグからは正確には教えられていなかった。
そもそもそこまで深く考える余裕が、シャルにはほとんど残されていなかった。
そこは、仕様がないことなのだろう。
シャルは創造されて1歳の子供神であるから、公衆の面前で歌い踊るだけで、もう精一杯なのだ。
そもそもシャルは、メグを神友として完全に信頼しているので、神友のメグから与えられた俳優の役を真剣に演じ、みんなとお母さんを助ける為に、真剣に歌に向き合おうとしている。
シャルから熱湯よりもなお熱い信頼を勝ち取ったメグは、終末の世界に
ー(ゼノ、返事なさい)
ー(サーイエッサー)
メグは神念話でゼノを呼び出す。
ー(ゼノ、貴神に命じます)
ー(
ー(他の3社にも今すぐ配信なさい)
ー(サーイエッサー)
他の3社とは、
この3社に
シャルの映像をもっと大勢の貴神等にも視聴して貰う為、、メグはこの命令を下したのだ。
命令された内容を無心で聞いていたゼノは、命令内容を即実行にうつした。
(全連隊に現場監督神として命令する)
(耳に御力を込めて聞けー)
(反論は認めん。全責任は全て俺がとる)
(今から言う命令を聞いたら即実行しろー)
(わかったら、返事しろー)
ゼノは神念話で
さきほどメグから神念話で呼び出された時から、もう既にこの会社から追い出されるだろうなと、覚悟を決めていた。
もう少し、あの上司と仲良くしておけば良かったかなと、少しだけ後悔したゼノであった。
((((・・・了解))))((((・了解))))
((((・・了解))))((((・・了解))))
神念話の返事が遅かったのは、反論したかったが出来なかったから、このような間が空いてしまった。
彼神等の会社ではよくある事らしく、上に逆らい辞めていく上司を大勢今まで見てきたから、これも仕方がないことなのだと、今はそれで納得しようとしているのだろう。
(ありがとよ。お前等は、俺に従っただけだ)
(お前らのことは、しっかり最後まで守ってやる)
(安心して、俺の最後の命令を実行してくれ)
((((了解))))((((了解))))
((((了解))))((((了解))))
(お前らが、撮影してる映像を今から言う会社にもデータ送信しろ)
(
(以上だ。ただちに命令を実行しろ)
((((了解))))((((了解))))
((((了解))))((((了解))))
合図と共に次々に命令が実行されていく。
(ゼノ隊長、いろいろお世話になりました)
(後のことは任せてください)
(この後もしっかりお姫様を撮り続けますよ)
この神念話は第1連隊を任せたジャスターからだ。
(あー、今日のお姫様はのりのりだ)
(しっかり綺麗に撮ってやってくれよ)
ゼノはジャスターに返答の神念話を送った。
(今日は全部終わったら皆で夜の街に繰り出しましょう)
(いい店知ってますよ)
(ゼノ隊長が好きそうな女神も一杯在籍してますよ)
この神念話は第2連隊を任せたサンディからだ。
(オーそりゃー楽しみだな。今日の夜はお前が隊長だ。サンディ)
(おりゃー綺麗なぺったんこじゃないと納得しないからな)
ゼノはサンディに返答の神念話を送った。
(ゼノ隊長が辞めたら誰がアルフさんの面倒みるんですか)
(俺絶対嫌ですよ)
(出来ればアルフさんも一緒に連れて行ってくれませんか)
この神念話は第3連隊を任せたハーティアからだ。
(よし、最後の隊長命令だ。アルフの世話はお前に任せた)
(神結婚式には、しっかり呼んでくれよ)
ゼノはハーティアに返答の神念話を送った。
ハーティアから追加の神念話が送られてきたがゼノは、
とっさに【反射神障壁】の御力を使って反射ブロックする。
この3柱の部下神等は、ゼノが可愛がって育てた大切な仲間だった。
皆いい奴らだったが、やってしまったものは取り返しがつかない。
ゼノは後で後悔すりゃいいやと自分自神を
命令が実行されていくのを
見守っているゼノは、全ての命令の実行を見届けると、
爆発するかのように、いきなり大声で叫びだした。
「よーし、こうなったら、派手に決めてやるぜー」
「最後の出社だー。景気よく遊んでやるぞー」
「どうせだー、この会社にも俺の華麗なる伝説を残してやるー」
「祭りだーうちのお姫様を存分に祭り上げてやるぞー」
「待ってろよーお姫様ーーーーー」
((第1親衛大隊、祭りだ、準備しろ!!))
叫び終えると、今度は神念話でシャルちゃん親衛隊第1大隊に、
いつもお決まりの号令の合図を送る。
ゼノははっちゃける気満々のようであった。
((((おー))))((((おー))))
((((おー))))((((おー))))
((おー))((おー))((おー))
すぐに大勢の神念話が脳裏空間にこだまするように鳴り響く。
送られてきた映像は、直ぐにそれぞれの専門神映像回線を使い、天神界各地に配信された。
ゼノに命令が実行されたことを確認したメグは、次の命令を下す。
ー(各隊長返事なさい)
ー(天神界第1大隊ゼノバランス、サーイエッサー)
ー(光神界第2大隊クインティア、サーイエッサー)
ー(聖神界第3大隊シーファスト、サーイエッサー)
ー(闘神界第4大隊ベラグレード、サーイエッサー)
ー(剣神界第5大隊シュバリアスト、サーイエッサー)
ー(戦神界第6大隊ルベラーガス、サーイエッサー)
ー(竜神界第7大隊ドラグラム、サーイエッサー)
ー(獣神界第8大隊ガンジェラ、サーイエッサー)
ー(雷神界第9大隊オーディア、サーイエッサー)
ー(機神界第10大隊ディオ・ラーガ・キ・バスター・サー・イエッ・サー)
神念話だと、ある程度の距離など、お互いに全く問題なくやり取りができる。
そして、隊長神等の神念話は、まさに神軍のように統制が取れていた。
それは、シャルの甘い笑顔に酔いしれて、近くで応援しようという目的で集まった貴神等を、
メグがしっかり御心の底から従うように調教し、厳しい
メグの手足のように動く
まさにメグが思い描いた目論見通りの、神軍に匹敵する規模と実力を持ち、さらに現在も規模拡大中であった。
なお、軍資銭は、メグが賭け事で稼いだ御銭で全て
一部負けた御銭を支払わないで逃げ回っている
容赦なく取立て、全ての毛根を
ー(貴方達全員の脳裏世界に
ー(((((サーイエッサー)))))
ー((((サー・イエッ・サー))))
ー(ちょうど良い具合に実験材料が豊富にあるから、試してみなさい)
ー(((((サーイエッサー)))))
ー((((サー・イエッ・サー))))
ー(問題が無ければ、それを使って貴神達に頼みたい用事があるわ)
ー(それは、結界内の超神の汚いゴミを全部綺麗に片付ける事)
ー(ゴミは天神界の神能研究所で買い取るように契約書交したから)
ー(出来れば、廃神にして頂戴)
ー(その方が高く買い取ってくれるそうよ)
ー(((((サーイエッサー)))))
ー((((サー・イエッ・サー))))
ー(そうねーただ捕まえるだけじゃ面白くないから)
ー(一番多く得点を上げた神界には、
ー(シャルをその神界に旅行に連れて行くのはどう?)
ー(旅行案内やその後のプランは、その神界の隊長に全ておまかせしてみましょうか)
ー(そこの神界でも、コンサートを開いたら面白くなりそうじゃないかしら)
ー((((((((サーイエッサー)))))))))
ー(((((((サー・イエッ・サー))))))))
4度目の返事がかなり気合が入っていた。
ー(注意点として、この世界を包み込んでいる
ー(それは
ー(
ー(((((((((サーイエッサー))))))))))
ー((((((((サー・イエッ・サー)))))))))
5度目の返事はさらに気合が入っていた。
この伝えらてた内容からすると、この会場に超神界の破壊工作神等が隠れて
そして、超神等がシャルちゃん親衛隊に見つかったら、ひどい目に
しかも、なにやら、ゲームの手駒のように、手荒く扱われるらしい。
なにはともあれ、これから邪悪な神威と黒煙がおりなす密閉世界の中で、シャルちゃん親衛隊と超神界破壊工作神等の暗闘が始まろうとしていた。
だが、この具体的な計画内容も、シャルには正確に伝えられていなかった。
シャルには、こう伝えられていた。
「今までと同じように、全ての危険を排除するから安心して」
「シャルはお母さんと候補生の仲間達を助ける事に集中しなさい」
「後方支援は私が全てを取り仕切り、収まる場所に全てのパーツを完璧に収めてみせる」
「計画がある程度上手くいけば、誰もが
その言葉を思い出しつつも、
配役として与えられた舞台主人公に、
心底
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:
「「でも、御力溜まるまで・・・・・」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:
「「もうちょっと時間がかかりそうかな」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:
「「みんなの応援の御力がー・・・・」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。.:
「「私の胸の奥で溜まりきるまで・・」」
シャラン☆.。。.:*☆.シャリン☆.。。
「「聞いてもらいたいお話があるんだー」」
シャラン☆。:*☆.シャリン☆.:*☆.シャラン☆
「「ちょっとだけ、わたしの思いを聞いてー」」
シャリン☆.:*☆.シャラン☆.:*☆.シャリン☆.
「「わたしの思いをわかってほしいのー」」
シャラン☆.*☆.シャリン☆.*☆.シャラン☆.
「「わたしの思いを少しでも伝えたいのー」」
シャリン☆.。。.:*☆.シャラン☆.。.:
「「少しの間だけ、聞いてください」」
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