第18話 終末の日常⑥ 終末コンサート第2部 開幕の幕が上がる / 水晶洞窟②
脳裏世界では、メグは、これまでの経過説明を話せる範囲で話して聞かせ、これから開始する計画の概要説明もたったいま終わった。
シャルの脳裏世界では、おっかい議事堂を復活させ、舞台を大おっかい会議場に場所を移し、幼いシャル達も階段上に設置された椅子に全員ちょこんと座って話を騒ぎながら聞いていた。
(う~~、う~~、う~~~ん)
シャルもメグの話をしっかり頷きながら、時には質問し真剣に聞いていたが、これからのことを考え、今は深く悩んでいる仕草を見せながら、可愛らしい唸り声を上げている。
((シャル。そんなに悩まなくても大丈夫よ))
((そこにいる敵を全てねじ伏せて、お母さんを助けるだけでしょ。簡単よ))
メグはそう神念話をおっかい会議場全体に響かせ、シャルを安心させようとするが、どうも空回りして思いが届かなかったようだ。
ーそうだ、そうだ。
ーいくわよー
ーやっちゃおー
ーお母さんもねじ伏せちゃえー
幼いシャル達も状況把握できてないが、いけいけどんどんと盛り上がっていた。
((メグちゃん、計画事態はいいとおもうわ))
シャルも神念話を会議場に響かせ、みんなに聞こえるようにしたが、心ここにあらずと言った雰囲気を漂わせ、溜息をはきながら、残りの言葉を吐き出していく。
((今悩んでいるのは、お母さんのことなのよ))
((お母さんの神核が耐えられるのかなって心配になっただけ))
神核は、神の重要臓器になる。神核が損傷すると、神としての存在事態が危うくなるのだ。
((お母さんの神核が粉々に砕けて、廃神になったらどうしようって考えてたの))
廃神になると、生きる屍のようになり、神として神体は生きてはいるが、神の魂は、神核が完全再生されるまで、永眠し続けることになる。そして、廃神神殿で限りない時間を廃神として祀られて過ごす。
ーお母さんなら廃神になっても次の日ピンピンしてそうだよ。
ー何回も死んでるから、きっと耐性ついてるよ。
ー私達にだけ、いつも意地悪するから、いい気味だわ。
幼いシャルには、別にどうでもいい話だったみたいだ。
ーお母さんが廃神になったら
ーもう、しばらく食べれないよ。
ー((((それは、いやーー))))
ー(((
でもないみたいだ。上手い料理の為に幼いシャル達は、今まさに立ち上がろうとしていた。
幼いシャル達の神眼は、炎を燃え上がらせている。
(そんなに悩まなくてもシャルのお母さんは、必ず無事に戻ってくるわ)
(私の部下たちには全員、労働環境がこれ以上悪くならないように、私が常に働き方改革を進めているわ。)
(多少の仕事上の事故があっても対処できるようにしてあるわ)
(抜かりはないはずよ)
(勿論廃神になっても、問題がないように労働環境は整備したから安心なさい)
メグの部下になるとかなり大変なお仕事を任せられることがわかった。
(シャル、大丈夫。私を信じて!!)
(わかった。メグちゃんを信じる)
2柱はしっかりと強く抱き合った。そして、いつもの行為がシャルから始まり、そして吐息とともに終わった。
(ありがとうね。シャル80点よ)
(これから行う計画はシャルが主役よ)
(私がサポートするから、シャルの成長した姿を見せてちょうだい)
(メグちゃんの神友として、相応しい姿を見せるわ)
(それじゃあ、みんなはそれぞれ持ち場について準備開始よ)
ー(((((えいえいおー)))))
幼いシャル達はわーいと騒ぎながら持ち場についた。
(それじゃあーみんな準備は出来たからなー)
ーおっかい緊急開廷準備OK
ーそっかい緊急開廷準備OK
ーだっかい緊急開廷準備OK
ーメグちゃんと一緒に御力使う会、略してつっかい緊急開廷準備OK
ーメグちゃんに御力補充してもらう会、略してほっかい緊急開廷準備OK
一つの協議会につき100柱の幼いシャルがスタンバイしていた。
さらに新しい協議会つっかい、ほっかいには、幼いメグちゃん合計200柱が幼いシャルをサポートしている。
(アッシーも準備できたかなー)
ー
新しい仲間アッシー君。それは、メグちゃんに貰った喋る神靴だった。
(イッシーも準備できたかなー)
ー準備OKだイッシー
同じく新しい仲間、
メグちゃんが
シャルは、メグちゃんに貰った神洋服を着ていし神晶鍵のネックレスも首から下げている。
しっかりとアッシー君も履いている。アッシー君の靴底はピカピカ光っていた。
(メグちゃん。サポートよろしくね)
(まかせて、シャル)
メグとシャルは、お互いに見つめ合い大きく頷いた。
(((((みんな、いまから、終末コンサート後半戦がんばろー))))))
シャルは脳裏世界のおっかい議事堂に響き渡るように強力な神念話を振りまいた。
ー(((((えいえいおー)))))
(((((みんな、作業開始だよ)))))
ー『おっかい』緊急開廷
ー『そっかい』緊急開廷
ー『だっかい』緊急開廷
ー『つっかい』緊急開廷
ー『ほっかい』緊急開廷
ー(((((次は合体だよー)))))
脳裏で脳内革命が起こる。5協議会を結合。新たな協議会『ごかい』が創設された。
ー(((((『ごかい』創設)))))
ー合体スーパートランスシャルちゃんEX誕生
ー合体スーパートランスシャルちゃんEX誕生
ー合体スーパートランスシャルちゃんEX誕生
ー合体スーパートランスシャルちゃんEX誕生
ー合体スーパートランスシャルちゃんEX誕生
(((この事態を治めよう)))
ー(((うたおーーーー)))
(((お母さんを助けよう。)))
ー(((おどろーーーー)))
(((みんなを助けよー)))
ー(((わらおーーーー)))
(((それじゃーいくよーへーーんしーーーん)))
シャルの脳裏世界は周辺一帯が全て閃光に包まれた。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
舞台は現実世界に立ち返る。
音楽の曲超が変わると同時に汗まみれのシャルリアの回りに突如、光り輝く円型回復神能陣が展開され、
より強い輝きが垂直に昇る。
円型回復神能陣の内側は純白光に染まり純白光の柱が高く
閃光はそのまま、立ちのぼり続けた。
:
:
:
やがて、純白光の高く
:
:
:
その光の柱が立っていた場所には、シャルリアはいなかった。消えていた。見当たらない。
だが、誰もいなくなったわけではない。他の神物が立っている。別神だが、どことなく似ている。
その神物が白い
その神は床まで流れ落ちている白髪に大人びた気品のある顔立ちをして藍色の瞳が美しく印象的に見える。
体長はシャルリアよりも高く、今にも消えてなくなりそうな儚げな女神が純白柱が起きる前にシャルリアが居た場所にまだ留まっている。
女神の威光を背に輝かせて、その神物は暗黒の夜空の一点を見つめて立ち止まっている。
小川のゆらゆらとゆれる波紋がうっすらとみえるやさしい曲調がゆっくりと流れていく中でその女神は、錫杖をゆっくり振り始めた。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
水晶洞窟内の神力湖温泉の暖かい空気が循環している空間が今度の舞台だ。
ここでは、神水晶を採掘する会社、モリア神鉱山の会長神『モリアルテア』
通称モリアが部下神鳥のロックと先の見えないクイズ大会をしていた。
あの場面からロックは、かなり粘ったが、家族が心配になり、行ってはいけないお言葉を発してしまう。
「もう、モリアちゃんの旦那様さがさないよ」
その言葉を発し終えた瞬間、ロックは固まった。
ロックは表面を水晶体に梱包され、標本のような状態に置かれた。
モリアちゃんは、神能
御心は、目覚めたままだが、神体の拘束は、神晶で固まり取れない。
モリアは、初めて喋り始めた。
「おめでとう、ロックちゃん」
「なかなか
「でも地雷5回も踏み抜いたから、もう仕様がないね」
「ロックちゃん、これからも神体に気をつけてね」
「んじゃあ、生涯旅行いってらっしゃい」
とても、澄んだ声が鳴り終わると、
モリアは両手でロック水晶標本を、むんずと掴んで湖にポイと捨てた。
ロック水晶標本は、神力温泉湖の奥底に沈んでいった。
モリアは誰もいない空間に向かって話しかける。
「あーせいせいしたわ。いつも
「今まで随分我慢したけど、もう無理よ」
「ロックちゃん、いままでありがとう」
「さー、邪魔者がいなくなったから、働きますか」
話された言葉は、誰にも聞かれることなく、消えていった。
ロックのことをすっかり頭の中から追い出したモリアは、
岸までゆっくり泳いで、辿り着く。
岸からあがり、この空間から立ち去ろうとすると、
後ろから声がかかった。
「酷い仕打ちをするわね。あんまり感心しないわね」
その声がモリアの耳に届くと、モリアは驚き咄嗟に後ろを振り返った。
そこには、漆黒の翼を身に纏った女神が佇んでいる。メグである。
本体では無い。メグの分神霊だ。神霊神の神能【
メグは、今回の計画の為に必要な場所に、分神霊を配置している。
この分霊神もその1柱という訳だ。
モリアは、非常に驚いたが、直ぐにお顔を取り繕い、メグを凝視し何者かを見定め、自神に危害を加えても、直ぐに対応できるように構えをとる。
「安心して、あなたがやったみたいに、酷いことはしないわよ」
「ここは、誰も入れないように、警備はしっかりしてるのよ」
「どうやってこの場所まで、たどり着けたの、誰か裏切り者でもいるのかしら」
お互いに声を掛け合い、自分達のペースに持ち込もうと言葉の応酬を開始した。
めんどくさいのは、他神とやってくれないかしらね。
メグは、面倒臭い言葉の応酬を早々に決着を付ける為、に自神のカードを1枚切った。
「まずは自己紹介をするのが、先でしょ、私の神名はメグフェリーゼよ」
「聞いたことあると思うけど、どうかしら」
「ちゃんと漆黒の翼もあるわよ」
その自己紹介を聞いたモリアは、見るみる神体が真っ青になり、
震え上がりながら、崩れ落ちるように、土下座の姿勢を取った。
「
「
「
「
モリアは泣き崩れながらも、必死で自神の弁護をする。
メグは思ったよりも、自神の悪名が轟いていることに、多少ショックを受けたのだが、
表情には表さずに、話を続けていく。
「大丈夫よ。安心なさい。今日は貴女神にいいお話を持ってきたのよ」
そうメグが優しく語りかけると、モリアは信じられないのか、
びくびくして、お顔を下げたまま、挙げるげようとしない。
あらあら、最初のカードで決着がついてしまったわね。
私は、ただ神名をなのっただけだけど・・・便利ね。また今度使いましょ。
メグは、以外に簡単に事が運びそうなので、安心した。
:
:
:
計画説明中
:
:
:
やがて、説明が終了し、ほぼ全てのやりとりが終了した。
「メグ様、こんな下僕のような、ゴミの私を派閥の末席に加えていただき、身に余る光栄ですわ」
「このモリア、しっかりとメグ様の計画を執行させてみせます」
「お任せ下さい。メグ様の下僕として役にたちます」
「ですから、罰をお与えになるときは、なるべく優しくお願いします」
「ロック。メグ様を足をひっぱらないでよ」
「わたしに罰がこないようにしっかりしてよ」
「頼んだわよ。お願いよ。私のことをしっかり考えてよ」
「変な告げ口も禁止よ。お願いします。ロック様ー」
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