早朝の登校

僕が小学生の時の話です。



当時、僕は学級新聞係の一人でした。

特別号として模造紙いっぱいに記事をつめこみ、大きく掲示する企画に取り組んでいて、その日は朝の8時に小学校に集まって仕上げをする日でした。

同じ学級新聞係の友達と待ち合わせをして一緒に向かうことになっていたんですが、僕は朝弱いんですよ。

これは今もなんですけど。


7時20分待ち合わせなのに、7時半過ぎに起きてました。


母親に起こしてもらったのに二度寝してしまったんです。

あわてて支度をしておにぎりを持たせてもらって、家を出たのが7時40分くらいだったと記憶しています。

言い訳を考えながら待ち合わせ場所に向かうと、友達も遅れて合流しました。

どうもお腹の調子が良くないそうなんです。


これはまずいと思いました。

というのも、僕の小学校までは歩いて3〜40分はかかるんですね。

走って少しでも早く小学校に行こうと考えていたんですが、これでは走れない。

しかも、僕とその友達が新聞の責任者というかリーダーだったので、僕らが間に合わないとなると仕上げができないんです。


友達もこの危機的状況を理解していて「走ろう」と言ってくれたのですが、走り始めてすぐに腹痛が強くなってしまいました。


これはもうしょうがない。

怒られよう、と。


友達と覚悟を決めて、いつも通り歩いて、小学校に向かうことにしました。


お腹の調子が悪い友達のペースに合わせてたので、まったり話しながら歩いてたと思います。

のんびり歩いてると小学校が見えて来たので、今何時かなと思いました。

というのも、校舎の隣に大きな時計台があるんです。

もう8時半近くにはなっているだろうなと思って目をこらすと



7時45分を指しているんです。



起きたのが7時30分近く。

僕が家を出た時に7時40分は回っていて、少し待って友達と合流。

そこからはほとんどいつも通り歩いて来たので、少なくとも8時20分にはなっているはずです。



でも、実際には5分も経っていない。



すごく変ですよね。

でも当時の僕たちは”ラッキー”くらいにしか思わなかったんですね。

そのまま普通に歩いて、8時前には小学校に到着してしまいました。

あとから振り返ってみると、もう一つおかしなことに気がつきまして。




友達と合流してから小学校に着くまで、誰とも会いませんでしたし、一台も車が通らなかったんですよね。




本当に不思議な出来事でした。





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