第32話 新入部員

彼は多分全く体験入部もしていないのにここに来たんだろう。

とりあえず部室の中を紹介したが

特に紹介するものはなかったので五分程度で終わった。


とても気まずい空気の中、僕達は先輩を待った。


話かける勇気もなく、向こうも話しかけようとする気配はなかったのでしばらく喋らなかった。


それから5分ぐらいすると先輩が入ってきた。


掃除で遅れました〜


あっあの、これ


僕はその子から貰った入部届を先輩に渡した。


すると先輩は少し困った顔で


今日からよろしくね、じゃあ顧問の先生にこれ渡すから着いて来て


と言い、その子と先輩は職員室に行ってしまった。


夕陽が差し込むこの昆虫研究部の部室で、僕はノートを取り出しいつも通り勉強を始めた。


しばらくするとドアが開いたので先輩が帰ってきたと思っていると彼女がやってきた


彼女と教室で部室で2人きりになってしまった。

とても緊張している、先輩とはある程度話せるようになったけどそれ以外の女性と話すのはあまり慣れない。


そんなことを考えていると


あれ?先輩は今日休み?


と彼女が急に聞いてきた。


あっ、いや、新しい子が来たから入部届出しに


今回は少しどもってしまったが、ある程度日本語は伝えれた。


すると彼女はすごく真剣そうな顔してこう聞いてきた


ねぇ虫触れる?


僕はなぜ彼女がそれを急に聞いてきたのかわからなかった










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