18●『未来少年コナン』(17)コナンとラナがラブラブになった理由。
18●『未来少年コナン』(17)…コナンとラナがラブラブになった
ここでちょっと思いついたので、またも道草です。
『未来少年コナン』。
第一話で出会ったコナンとラナ。
微笑ましいボーイ・ミーツ・ガールの場面です。
出逢いの印象的なこと、宮崎アニメの最高峰。
魔女キキをナンパするトンボ君なんか、足下にも及びませんね。
なんといってもラナにとって、コナンの第一印象はすなわち、人食い鮫ハナジロのシャークマウスがパックリだったんですから。
あれはやはり、傑作だったと思います。
さてあの二人、何がどうして、あんなにラブラブになってしまったんでしょうか。
間違いなく、相思相愛の一発一目ボレです。
第一話でさっそく、コナンはラナをお姫様抱っこ。
「ラナは軽いなあ、鳥の羽みたいだ」
本心とはいえ、なんとお世辞も上手なこと。
出逢って一目でビビビッときたタイプのようです。
どうして?
野暮な詮索ではありますが、やはり気になるところです。
しかし、かなり明快に説明できますね。
コナンの両親は既に亡くなっています。
コナンがかなり幼い時点で他界したのでしょう。
育ての親であるオジイは、父親の役割を果たしましたが……
母親の面影は、おそらくコナンの記憶には、かすかに残っているかどうか……
そして、成長して初めて出会った女の子が、ラナ。
とすると、コナンがラナに対して抱いた最初の感情が、“母への憧憬”だったとしても不思議ではないでしょう。
コナンはラナに、これまでの人生で欠如していた、“母性”を発見したのですね。
そしてラナも……
以前の章で書きましたように、早くに父母を亡くしています。
母の形見のペンダントを大切にしていますので、母親の面影は記憶しているのでしょう。
ただし、父親のことは記憶から欠落しているようです。
むしろ、思い出したくない、とばかりに……
筆者としては“ラナパパはレプカだった”説に賛同しますので、それならばなおさら、ラナは父親を嫌悪して、父性を排除した人生を送ってきたと思われます。
だから“おじいちゃん子”でもあるのですね。
とすると、ラナがコナンに対して抱いた最初の感情は、“父への憧憬”だったとしても不思議ではないでしょう。
ラナはコナンに、これまでの人生で欠如していた、“父性”を発見したのですね。
少女が父親に期待する“父性”は、“宮崎アニメ”では『魔女の宅急便』(1989)にわかりやすく示されています。
あの、お父さんに“高い高い”してもらう場面ですね。
“高い高い”こそ、少女が父親に望む、父性の象徴なのです。
たしか、コナンもラナを、“高い高い”してましたね。それも最終話のエンド近く、バラクーダ号のマストのてっぺんで! ちょっと高すぎるぞ。
これ、ラナから見て、お父さんの役柄ですね。
自分を軽々と抱き上げて、ちょっと普段とは違う世界をみせてくれる人、
父親とは、そんな存在として描かれています。
『千と千尋の神隠し』のお父さんは、大事なところでズレてしまった残念キャラとして処理されていますね。結局、千尋に助けてもらったわけで……
そんなわけで、『未来少年コナン』の第1話は……
父親を求める少女と、母親を求める少年の出逢いだったのです。
これが一発で双方の心のツボにはまった! と言うところでしょう。
二人の心の絆は、ここに始まったわけです。
従いまして、二人の関係は結構ベタベタしているのに、不健全さはありません。
まあ、NHKの週末の夕方の放送でもありましたから、そこは十二分に配慮されたのでしょうが。
コナンはラナに父性で応える。
ラナはコナンに母性で応える。
それが、互いの心の渇望を満たしてくれる。
これ、意外と最強の組み合わせかもしれません。
一切の打算抜きですから。
理想的なカップリングだったこと、納得できますね。
まさに、お見合い一発でビビビッ! という関係だったのです。
第20話で、インダストリア行きを切望するラナをいったんは拒絶したコナンが、フライングマシンⅡを止めてラナを乗せたあたり、二人の絆は精神的に夫婦同然になっていたと解釈できるでしょう。心の中で一心同体です。二人はもう離れられない、だから一緒に、という結論ですね。
互いの信頼関係は、前回で水没したガンボートに閉じ込められたラナを、コナンが約束通りに救出したことで完成していたのですから。
末永くお幸せに……!
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