第5話
そして次の日、同じ道を車で通りました。
どんどん自分のマンションに近づいてきますが、黒い影は見当たりません。
私は逆に嫌な予感がして来ました。
そしてその予感は的中したのです。
あの黒い影はマンションのすぐ傍に立っていました。
――まずい。
本能でそう思いました。
輪郭はぼやけて頭に当たる部分もはっきりしていないというのに、やはり私にはこの影が私を見ていることがいやというほどわかりました。
影の横を通り過ぎ、マンションの駐車場に車を乗り入れ、自分の部屋に帰りました。
食事を作り、それを食べ、風呂に入りました。
そしてテレビをつけました。
テレビは何かバラエティをやっているようでしたが、それを見ているはずの私の頭の中に何も入ってはきませんでした。
――とにかく寝よう。
ベッドに横になりました。
全く眠れませんでした。
次の日の朝、私は会社に体調不良で休むと連絡を入れました。
そしてあの事故のことをネットで調べました。
すぐに見つかりました。
場所、時間、間違いありません。
一人死んでいました。
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