第26話

風を受けながら、空を見上げながら、

ゆっくりゆっくりと、歩みを進める。

少し周りを見れば散歩をする人、本を読む人、談笑する人、

中庭には様々な人がいて。


一度立ち止まって俯いて、自分の言葉を思い返す。

生きていこうと思ってる、生きてくことを決めたんだ。


これから将来に迷う事もあるだろう。何がしたいのか分からなくなることも、何を大切にしていいのか分からなくなることも、死ぬほど苦しくなることも、きっと、ある。

でもそれでいい。私達はみんな人間で、ちぐはぐな世界の中にいる。

みんな弱くて、ちっぽけで、でもそれでも生きている。小さな何かを大切にして、大事に大事に抱きしめて、そこに立っている。


大きく息を吐いて、勢いよく空を見上げた。

真っ青な空が、心地よい風が、

私のすべてを包んでいてくれている気がした。


うん、大丈夫。

自分の足で歩いてく。私も、皆も生きていく。






さようなら、

わたしのラストティーン。




過去も未来も、全部全部私のものだ。

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ラストティーン 夏目 @natsu_haru

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