第23話   昼下がり



 物悲しげな昼下がり


 窓から見える木々が 色あせる


 部屋に流れるアンドレギャニオンに酔いしれて


 想いは時の彼方


 めぐり逢いのときめき 懐かしく


 笑い声さえ 聞こえてくるよう


 けれど 籠から飛び立った鳥は


 翼を広げることを喜び


 振りかえることはしない


 時の流れは 水のようで


 いつも同じ向き


 人は前にしか進めない


 いくつかの悲しげな足跡を残して

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