第22話  止まったままの時計



 待っている


 私は ずっと待っている


 山々が薄茶色のモヘアのようなベールをかぶり


 春を待っているように


 

 心の時計が止まっている


 一人では寂しいと つぶやいている


 自分は こんなに弱い人間だったのかと


 隙間風が通り抜ける



 花たちが 春の訪れを知っているように


 私は あなたの帰りを待っている

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