高校生ラブコメ白書。
さとうはるき
第1章 夏休み編
第1話 嫌われの義理の兄。
俺の名前は徳川和希。高校二年生。十七歳。
今日は日曜日。今は家のリビングでおやつタイム中。
パクパクポリポリ。
今日もポテチがうまい。
ゴキュゴキュ。
コーラうめぇ〜。
やっぱポテチとコーラのコラボは最強だね!
キッチンには母親がいる。と言っても実の母親ではない。五歳の時父親が再婚した人。俺との仲は良好。優しく美人の良きお母様。
父さん再婚してくれてありがとう。父さんは今日は会社の接待ゴルフ。される方だけどね。社長は大変だ。
——ガチャ。
リビングの扉が開く。
「ママー。お腹すいた〜」
優しい義母の連れ子の沙羅がパジャマ姿でやって来た。
沙羅は俺と同じ十七歳。誕生日は二日違いで俺が兄で沙羅が妹。同じ学校に通っている。
沙羅は学年一の美少女と言われている。
その沙羅と目があった。その目は俺を見下す蔑んだ目。まるで汚物を見るかのようだ。
「デブが視界に入るな糞が。私を見るな」
今日初めて会った義理の妹様の俺への第一声。
美少女が台無しになる汚い言葉。声も可愛いのに……シクシク。
確かに俺はぽっちゃり男子。でもね、そこまで言わなくてもいいんじゃない?
昔は『お兄ちゃん大好き』って言ってくれてたじゃないか。痩せてた頃は……。
義理の妹の沙羅が俺に罵詈雑言を言うようになったのは高校一年の時。中学二年生頃から太り出した俺。成長期でバクバク食っていたらブクブクと太った。
今のおやつも昼ご飯のお鍋で炊くインスタントラーメン五袋食べてからのモグモグタイム。そりゃ太るよなぁ。
優しいお母様が暴言を吐いた沙羅を注意している。なんて素敵なお母様。
「気にしていないから大丈夫だよ〜」
「話しかけるなデブ! 耳が腐る!」
ご立腹の沙羅ちゃん。これ以上は優しい母とその娘が険悪になるので俺は自分の部屋に移動した。
食べかけのポテチとコーラを手に持って——。
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