第5話

 「はあ…やっと休みか…これであと何体残ってるんだっけ?」

「いやいや、ヒーローに休みなんて無いだろ?こういう時こそ、ちゃんと警戒しとかないと…」

「そういえばさ、この前なんで俺達まだ仕組みも理解できて無いのにあのロボットを操れたんだろうな?」


陸…それは俺が知りたいところなんだけどな…

気付いたら咄嗟に腕が動いていた。それだけだ。いや、そもそもこれって突っ込んじゃいけないネタじゃないか?

因みに残りの敵は3体だ。


「そういえば文彦、さっきまで知らない女子達と話してたけど、何処の娘だ?」

「は?俺そんな事してねえけど?」

「うっそ、あれは確かに文彦だと思ったんだけどな…なあ和也」

「うーん…とは言っても後ろ姿だけだったからな…」


全くもって身に覚えが無い…だって千鶴と同じような事があっちゃ面倒くさいからな。冗談じゃないっつーの。

まさか…偽物なんかがいたりしてなんか…いないよねー?

そう呟きながら俺は二人が俺を見たという場所まで来てみたが…


「っておいおい嘘だろ…?」


そこいたのは紛れもなく俺自身だった。


「準備はOK?『マーマレード』?」

「OKよ『チェリー・パイ』。そろそろ行きましょうか」


!?いきなり目の前に二人の双子らしき女の子二人が現れた。


「待っていましたわ。『お兄様』。」

「…は?」

「…やはり私達の事、覚えていないのね。まあいいわ。自己紹介しましょう。私達は魔王様の双子の王女、赤い髪の私が『チェリー・パイ』」

「そして金髪の私が『マーマレード』。二人合わせて『スウィーティー・プリンセス』と呼ばれていますわ。」


なんだか随分甘い名前だな…全くきいた事無いが。

しかし、その時突然酷い頭痛が俺を襲って来た。まさか…


「思い返してみなさい。何故貴方がいとも簡単にゴウカイキングを操れたのか?」


と、チェリー・パイ。


「何故予めヒーローとしてのある程度の知識があったのか?」


と、マーマレード。


「それは貴方がトキタイー帝国の第2王子にして私達の兄、『レモン』だったからですわ!!」


くっ…うぐっ…そんな…


「そこで偽物の貴方と共に校内をぶらついて貴方をおびき寄せた訳ですの。」

「会いたかったわ…お兄様…」


「うわあああぁぁぁっ…!!」


そこから先の記憶は…無い。







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