せめて、笑ってくれたなら。

吉田優蘭(ユーラ)

【Prologue】

-プロローグ-

 私の罪を、告白します。


 あなたに打ち明けられていながら、誰にも相談せず、誰にも頼らなかった私をどうか許してほしい。


 私はこの罪を墓まで持っていかなくてはならない。


 誰も知らない、誰も気づくことはない、彼女の想いは、せめて……あなたにだけは知っていて欲しい。


 こうして罪をあなたに告白して許されたいだけの私の、良心の呵責を、どうか許してほしい。


 あなたの想いを知っていたのは私だけ。

 あなたの想いはちゃんと、届いていたよ……。


 みんな聞いて。これから話すことは、ひょっとしたら辛いかもしれない。


 ひょっとしたら、私を責めるかもしれない。

 ひょっとしたら、哀しむかもしれない。


 でも、あの子の想いをみんなには知っていて欲しいから。


 始りは……そう、……あなたが落としたブレスレット……。

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