第三十章 ハンディーマン (2)

第406話 倉庫

物資的な準備が終われば、後は気持ちの準備だけだ。今回はスラたんのスピードを活かした作戦も含まれている為、外す事は出来ない。

ただ、スラたんも既に何度か戦闘は経験したし、心配は要らないだろう。


という事で、全ての準備が整い、夜の闇に紛れて移動を開始する。


ポナタラまでは歩いて約一時間。綿花畑の中を歩いてポナタラが見える位置に到着する。


街はまだまだ賑わっており、街の灯りが空を照らしている。

街の外観を見るに、ギャロザの作った地図の内容は、かなり正確だった事が分かる。これは内部の構造についても期待出来そうだ。


「まずは私達からね。」


「頼んだぞ。」


「得意分野だし、任せておいて。行くわよ。ピルテ。」


「はい。」


まずはハイネとピルテによる、隠し通路の索敵と脅威の排除からだ。


俺達も援護の為に近くには居るが、基本的にはハイネとピルテに任せる事になる。


事前に聞いていたが、隠し通路とは言うものの、洞窟とか地下道とかではなく、小さな鉄製の扉が取り付けられていて、そこに土魔法で外壁と同じような材質の石が貼り付けられているだけの物である。

有事の際、貴族や有力者が、混雑する門を通らずに出入り出来るようにという事で作られたらしい。こういう隠し通路というのは、割とどの街にも有るもので、別段珍しい物ではない。ただ、隠しと言うだけあって、一般市民には知らされない扉であり、知っている者は貴族やそれに近い者達という事になる。


今回の場合、ポナタラの領主ごとブードン-フヨルデに取り込まれている為、隠し通路を知る者達は皆、盗賊が出入りしていても口を閉ざしているわけだ。


隠し通路である為、門番のような者は居ないが、扉が在るすぐ上辺りに、小さな穴が空いており、中から外の様子を伺う事が出来るようになっている。

更には、外壁の上にも、人が立っており、常に監視の目が有る。


「あんな監視の目が厳しい場所なのに、ハイネさんとピルテさんは大丈夫なのかな?」


「ああ。隠密や暗殺は二人の得意とするところだからな。」


「こ、言葉にされると怖いね…」


暗殺が得意な美女…なんて言われると、確かに少し怖い感じがしてしまうが、二人の事をよく知っているし、今更だろう。


「それより、そろそろだぞ。準備は良いか?」


「うん。」


もし、ハイネとピルテが見付かった場合、スラたんが駆け込む予定になっている。それでも収拾がつかない場合は、後ろから俺とニルが出ていく。


ハイネとピルテが、手元を光らせると、黒い霧に包まれていく。吸血鬼魔法、メルトダークネス。


二人の体は闇に溶け込んで行き、かなり視認が難しくなる。


但し、その状態では、外壁付近に灯されている明かりによって照らされ、二人の動きは丸見えとなってしまう。


どうするのかと思って見ていると、スルスルと光が届くギリギリの場所まで向かい、少しタイミングを見計らう。どうやら、壁の上に居る監視の動きを見ているらしい。

壁の上に居た兵士は、あっちに行ったりこっちに行ったりしつつ、外を見ているのだが、こちらを見ていないタイミングで、二人が魔法を発動させる。


二人の近くから、パタパタと黒い蝙蝠こうもりが飛んで行くのが見える。吸血鬼魔法、ブラッドバットだ。

その蝙蝠で、兵士を攻撃するのかと思っていたが、どうやら違うらしい。蝙蝠はパタパタと明かりの方へと飛んでいく。


「……あっ!コラッ!やめろ!」


壁の上に居た兵士が、飛んできた蝙蝠を見て、叫んでいるのが聞こえる。届きもしないのに、槍を壁の下へと伸ばし、蝙蝠を追い払おうとしている。


ガシャン!


壁に掛けられていた明かりは、魔具であり、ガラスの容器に魔石が入っているランタンタイプの物。蝙蝠がそのランタンを何度かバシバシと叩くと、ガラスが割れてしまう。蝙蝠はそのまま中の魔石を引っ張り、取り出してしまう。もう少しマシで、頑丈な魔具であったならば、蝙蝠如きにどうにかされる事は無かっただろうに。防衛でケチると良い事が無い。


結局、兵士の健闘虚しく、魔石は地面に落ち、明かりが消えてしまう。まだ壁の上にも明かりは有るが、下は完全な闇になってしまい、光の中からではハイネとピルテが寄ってきても気付かないだろう。

その上、二人はダメ押しでダークイリュージョンを発動させ、地面付近の視認性を極端に下げた為、俺達が近寄ってもまずバレない環境が完成する。


「くっそ!蝙蝠め!報告する事が増えちまった!」


兵士は腹立たしいと言いたげに声を張っているが、今直ぐどうにかするわけではないらしい。


ハイネとピルテは、隠し通路が在る辺りに近付いて行き、メルトダークネスを解除。俺達に向かって合図する。


「行くぞ。」


直ぐに俺達も低い姿勢を保ったまま、ハイネ達の後ろへと走り込む。


ハイネが手を俺達に向けて、止まるように伝えてくる。

ハイネの指示に従って、壁に張り付いたところで、更にピルテが魔法を使用すると、手元から薄く黒い霧が現れる。先程使っていたメルトダークネスと比較しても、霧の濃さが十分の一以下。太陽程の明かりが有るところならば視認出来るだろうが、夜の明かりの元では、まず視認出来ない霧だ。

これは吸血鬼魔法のフロウダークと呼ばれる魔法で、薄い霧を自分を中心に半径五メートルに渡り充満させ、その中に居る何かが動くと、それを感知してくれる魔法である。

そう。つまり、感知系の魔法だ。


初めて聞いた時は、感知系の魔法が有るのかと驚いたが、どうやら五メートルまでが限界で、媒体にも色々と使うらしく、なかなか準備が難しいらしい。ただ、精度はかなりのもので、呼吸すら感知するとの事だ。


ピルテが発動させたフロウダークが、ゆっくりと辺りに広がって行く。そして、扉が在るであろう場所の上部に空いた穴からも、その霧がスルスルと入って行く。


「………………」


ピルテが少し感覚を集中させると、二本指を立てる。


中に二人が居るという事だ。五メートル以内には…という条件付きだが。


隠し通路の中の構造までは、流石のギャロザも知る事は出来なかった為、手探りで入る事になる。少し進めば直ぐに壁の向こう側なのか、鉄格子の一つでも設置されているのか…それは分からない。


扉の向こうには、二人の人間が居ることは確定した。突撃して倒すという方法も取れなくはないが、もっと簡単に、そして確実に無力化出来る方法が有る。

フロウダークの魔法が、穴から通じて中に入ったのなら、後は簡単な話だ。吸血鬼魔法、フェイントフォグで気絶させるも良し、強酸玉を使って、中を酸の霧で満たすも良し。ただ、今回はハイネとピルテに任せてある為、フェイントフォグでの気絶になった。

ハイネが魔法陣を描き、フェイントフォグを穴から送り込む。数秒後、ピルテが大丈夫だと頷き、排除が完了する。


隠し通路の鍵は、当然だが内側から掛けられているタイプで、かんぬき型。外側に取っ手は無く、内側から開けてもらわないと開かない。どれくらいの厚さの扉かは知らないが、恐らく俺やニルが使っているレベルの刀ならば、斬る事が出来るだろう。しかし、そんな派手な入場をするわけにもいかないし、なるべく気付かれないように侵入したい。という事で、今回はスラたんの出番。


スラたんを見ると、自慢気な顔で頭に乗せたピュアスライムを穴に近付ける。すると、ニュルニュルとピュアスライムが穴の中へと入って行き、数秒後、ガガガと閂が動く音がする。


ピュアスライムを介して、別のスライムを操作する場合、あまりにも複雑な命令はスライムが理解出来なかったりするのだが、ピュアスライムはスラたんと精神的な部分で繋がっている為、スラたんのやりたい事を正確に把握してくれる。これくらいの作業なら簡単にこなしてくれるのだ。スライムが仲間になるだけで、ここまで色々な事が出来るようになるとは思っていなかった。意外に頼りになる奴だ。意外になんて言ったら、またスラたんに怒られそうだから言わないが。


ガランッ!


壁の奥から閂の落ちる音がすると、ゆっくりと扉が開いて行く。もそもそと動くピュアスライムが、一生懸命に扉を開けている姿はちょっと癒される。


中を覗き込むと、どうやら小さな部屋になっているらしく、小さめの木の机と、丸椅子が二つ置いてあり、テーブルの上にはリバーシ。まさかこんな街にまで広まっていたとは…ヒュリナさんの力量よ…

机に突っ伏して気絶しているのは、盗賊の二人。青と赤の民族衣装のような服を着ている。

部屋の中には小さめのランタンが吊るされており、明かりはそれだけ。人も他には居ないらしい。

部屋の向かい側には、入って来た入口と同じような鉄製の扉が見える。


気絶している二人を起こさないようにゆっくりと忍び足で扉に近付いて行くと、外の空気が流れ込んで来ているのに気が付く。

俺達が入って来た入口同様に、反対側の出入口にも、外を見る為の穴が作られているらしい。小さな足場に乗って穴から外を見ると、木製の壁や、木箱等が見える。

人の気配は今のところ感じないが、いつ誰が来るかも分からないし、出られる時にさっさと出るとしよう。


反対側の扉には閂が無く、簡単に開く構造になっているみたいだ。


ズズッ…


ゆっくりと扉を内側へと開き、外に出る。


薄暗くて分かり辛いが、どうやら倉庫のような場所らしい。かなり適当な造りなのか、隙間風が酷く、感覚が鋭くなくても風を感じられる。


隠し通路の扉を閉めると、外からの光が強調されて、小屋の外は直ぐ街になっている事が分かる。


「………この臭い……」


外の様子でも伺おうかと思っていると、ハイネが嫌そうな顔をして、近くの木箱の蓋を開ける。


「やっぱり。」


俺も中を覗き込むが、甘ったるい臭いが鼻を刺激する。


「…ザレインか。」


木箱の中には、植物が根ごと抜き取られた状態で詰め込まれている。


見た目はムスカリと呼ばれる植物によく似ていて、肉厚で細長い葉が下部から伸びており、長い茎の先端部に、小さな紫色の花が鈴生りに咲いている。どうやら球根植物らしく、根元はぷっくりと膨らんでおり、その更に下部から白い根が伸びている。抜かれてからいくらか経っているらしく、全体的にしおれている。乾燥させようとしている段階かもしれない。臭いは恐らく花の部分から臭っているのだと思うが…木箱の中には大量のザレインが収納されている為、かなり強い臭いに、吐き気を感じる。


「これがザレインで間違いなさそうだな。」


「そうね……何か別の臭いも混じっているみたいだけれど…」


「別の臭い?」


「ええ…嗅いだことの無い臭いだわ。」


「もしかしたら、それが栽培出来るようになったヒントかもね……今すぐ消し去りたいけれど、ここは我慢だね。まずは大元を絶たないと。」


「ああ。」


これで俺達が推測していた事の裏取りがほぼ出来たようなものだ。この街の領主もどうにかしなければ、最終的な解決にはならないだろう。ザレイン農場は領主宅に在るという事だし、ザレインと同時に領主も滅却するべきだろう。情報を抜き取る作業は必要だが、それが終われば、これまでの悪行の責任は取ってもらわなければならない。


「皆様。外に三人。この場所に近寄って来る連中が居ます。直ぐに隠れましょう。」


ピルテが気配を感じて、俺達に伝えてくれる。

小さくハリボテの小屋とはいえ、荷物はそれなりに有るし、身を隠すのは難しくない。


ギィ…


それぞれが身を隠し終えると、直ぐに外に繋がる木の扉が開く。


「そうだな……こっちに置いてくれ。」


「あいよー。」


どうやら荷物を置きに来たらしく、一人が指示を出し、二人が木箱を運んでいる。全員ハンディーマンの構成員だろう。ただ、ハナーサ達の依頼で殺した奴とは違い、かなり身綺麗にしている。服も綺麗だし、かなり儲かっているのだろう。


「次はこっちに頼む。」


「あいよー。」


次々と運び込まれていく木箱。ハイネとピルテの顔が険しいところを見るに、持ち込まれた木箱にも、ザレインが入っているのだろう。

結局、五箱が持ち込まれ積まれていく木箱。奴らが出て行ったら、俺達も早く出た方が良さそうだ。


「よーし。次は積み込むぞ。えーっと乾いたやつは…あの辺りだな。」


男が指で示した先は、スラたんが隠れている辺り。

これはかなりヤバい。いきなり見付かるという事は無いだろうが、早く移動しなければ、見付かるのも時間の問題だ。


俺からはスラたんが見えるが、スラたんも、ヤバい!という表情をしている。


三人の男達がスラたんの隠れている辺りの木箱に近付いて行く。


ギィ…


万事休すか…と思ったタイミングで、外へ繋がる扉が開く。


「おー。荷の運び出し中だったか。ご苦労さん。」


「あ、これはどうも。」


何やら偉そうな奴が現れ、三人は入口の方を振り返る。


その瞬間に、スラたんは自慢のスピードで離脱。何とかなった。


「最近は捌く量も増えて大変だろう?」


「そうなんですが、その分儲かっているという事ですし、嬉しい事ですよ。」


「それもそうだな。ロクスさんも最近は機嫌が良いみたいだし、頑張って働けば色々と嬉しい事が有るかもしれない。サボらず働けよ。」


「はい。」


「そうだ。荷の運び出しが終わったら、中の連中に、交代が少し遅くなるって伝えておいてくれ。」


「分かりました。」


「頼んだぞー。」


そう言ってヒラヒラと手を振りながら出ていく男。


話を聞く限り、荷を運んでいる連中は下っ端で、今の偉そうな男はハンディーマンの主要なメンバーだろう。出来れば捕まえて情報を入手したいところだが、今出て行く事は出来ない。口惜しいが今回は諦めるしかない。


男が出て行くと、三人がまた作業を再開し、いくつか箱を運び出した後、俺達が気絶させた二人の居る部屋の扉を開く。


「なっ?!おいっ?!大丈夫か?!」


「どうした?!」


気絶した二人を見て、一人が叫ぶと、外で待っていた二人が走って部屋の中へと入って行く。


そのタイミングで、俺達は静かに素早く外へ出る。


二人は俺達に気付かず気絶したのだし、いつの間にか寝てしまった程度の認識だろう。二人同時という事で、怪しまれる可能性は有るが、俺達に辿り着く事は無いはずだ。


「あ、危なかったー…」


スラたんが外に出て、まず口にしたのはその一言だった、


「見付かるかと思ったよ…」


「かなりギリギリだったな。俺もヒヤッとしたよ。」


「だよね…見付からなくて良かったよ。」


「まあ、見付かったら見つかったで、派手にはなるが、何とか対処はしただろうが、騒ぎにならないなら、その方が動き易くなるしな。見付からずに済んで良かったよ。

ただ、重要な立場っぽい男を捕まえたかったが、それが出来ないのは勿体なかったな。」


「そうね。何か重要な情報を持っていそうな感じだったのに、残念ね。」


「それなんだけど……もしかしたら、追跡出来るかもしれない。」


「「「「っ?!」」」」


スラたんの言葉に、スラたん以外はビックリだ。そんな事が出来るとは思わなかったし、どうやって追跡するのか…?


「驚いた…よね?」


「全員驚いているぞ。」


「実は、面白いスライムの特性を新たに見付けてね。絶対に上手くいくかは分からないんだけど…」


そう言ってスラたんが取り出したのは、試験管のような瓶に蓋をしたもので、その中には水色の粘液と、ふよふよと動く小指の先程の小さな核。


「スライム…?」


「シンヤ君が捕まえてくれた、ツインスライムの核。その一つさ。」


ツインスライムというのは、Dランクのスライムで、核を二つ持ったスライムの事である。持っている能力は普通のスライムと同じだが、拳程の大きさしかなく、亜種でありながら、脅威度は普通のスライムより下だと考えられているスライムである。


「実は、ツインスライム。核を二つ持ったスライムではなくて、二体のスライムが合体したものだったんだよ。

それで、核を離すように分けてあげると、片方のスライムが、元に戻ろうとする習性を持っている事が分かったんだ。」


スラたんがそう言って試験管を見ると、中に入っているスライムが、ググッと試験管の壁面を内側から押して何処かへ向かおうとしているのが見える。


「そして、もう一匹の方のスライムは、片割れが戻って来るまで待ち続ける。」


「そのスライムを、あの男に忍ばせたのか?」


「正解。ピュアたんの指示なら、動かない方のスライムを操作出来るんだ。それをあの男の服に忍ばせておいた。つまり…」


「そのスライムが行きたい方向へ進めば、あの男に辿り着けるわけだ。」


「ただ、どの程度の距離まで離れても大丈夫なのかは分からないし、絶対に上手く追跡出来るかは、実験をしていないから分からないんだよね…」


「いや、ある程度追える可能性が有るだけで、十分に凄いって。さながら追跡装置だな。」


「もう一つ、気付かれて片方が殺されてしまうと、こっちのスライムも死んでしまうから、急いだ方が良いかな。」


「そこまで連動しているのか…」


「何故かは分からないけどね。不思議が一杯だよね!」


嬉しそうに不思議だと言い切るスラたん。まだまだ解き明かせない謎が広がっているのが嬉しいのだろう。


「思わぬところで情報を手に入れられそうだな。スライムが見付かる前に、あの男を捕まえよう。」


「そうね。行きましょう。」


フードを深く被り五人で街の喧騒の中へと足を踏み入れる。


「こっちだよ。」


スラたんの案内の元、ポナタラの街を進んで行く。地図を見た時から感じていたが、このポナタラという街は建物と建物の間がかなり狭い。

元々そういう造りを予定されていたのか、道幅は全て同じで、かなり密集した造りになっている。


「家々の圧迫感が凄いな。」


「地図で見るよりずっと近く感じるね。」


「ただ、ほぼ地図と同じだな。」


「いくつか変わっている店とかもあるけれど、殆ど一緒ね。」

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