第339話 アーテン-アラボル

鎧に身を包み、部屋を出ると、周囲に人は居らず、何とか紛れ込む事が出来そうだと、一安心。


二人は無言のまま、アーテン-アラボルが居るであろう牢屋方向を目指す。

ある程度近くに、それっぽく立っているだけでもどういう状況なのかは把握出来る。


二人は何の部屋かも分からない部屋の前で、さも警護しているかのような風貌で立ち、牢屋へと向かう人、出てくる人を観察し続ける。

それだけで一部とまでもいかないが、少しの情報は手に入る。


例えば、牢屋の前には、完全武装の兵士が二人。それを見張るように、更に四人が立っている。

何かあっても絶対に逃がさないという意思表示なのか、魔王妃を守る為なのか、それとも、誰かの思惑が絡んでいるのか…どんな理由にしろ、犯人ではなく、容疑者という段階で付けられる見張りの数ではない。

もし、これが魔王を操る誰かの仕業ならば、アーテン-アラボルという人物を、他の誰より警戒しているという事になる。

それはつまり、アーテン-アラボルの事を知っている人物…という事に繋がる。

魔族の中で、アーテン-アラボルの名前は売れ過ぎている。彼女が魔具製作の天才だという事は既に周知の事実。しかし、それだけでここまでの厳戒態勢は敷かない。そう考えると、ある程度アーテン-アラボルの事を知っている人物が犯人ではないか…と推測出来る。

但し、このというのが厄介なところで、範囲が特定出来ない。魔王に近付ける人物は、殆どがアーテン-アラボルの事を、ある程度知っている人物である為、そこまで容疑者の幅は狭まらない。


他にも分かる事は有る。

魔王妃の命令によって、現在、牢屋への立ち入りは禁止されているのに、入ろうとする人物が居たり、逆に中から出てくる人物も居る。

ハイネリンデ達を苦しめた無能男は、中で何を話しているのか気になり過ぎて、何度も止められているのに入ろうとしているし、魔王妃の護衛の者達は出て来ている。

護衛すら外に出すという事から、魔王妃は、アーテン-アラボルと、本当の意味ので話をしたいという事だ。


「全員を外に出して、何を話しているのでしょうか?」


ピルテは隣に立っているハイネリンデにのみ聞こえる声量で話し掛ける。


「恐らく魔王様に関する事ね。アラボル様を信じて、何かを託しているかもしれないわ。」


ハイネリンデの言葉の裏には、物品という意味ではなくて、魔界の未来を…という意味が含まれている。

もし、ハイネリンデの予想が当たっているとしたら、魔王は既に敵の手中に落ちている事になる。魔王妃が誰かに託さねばならないと考えると程に。


「静かに。」


ハイネリンデは、言葉の最後、ピルテに口を閉じるよう指示する。


ハイネリンデの兜の下にある目は、牢屋へと入ろうとしている人物を見ていた。


「あれは……四魔将の一人、ミガラナ様ね。」


肩まである長い青髪に、タレ目の中には青い瞳。四魔将の名を冠する割には、小柄で威圧感はあまり無い。しかし、デカさこそ無いが、筋肉質な体付きで、極端な猫背。手足が長く、鹿のような角を持ち、冷たく重たい空気を纏っている男性だ。


腰に携えている二本のダガー使いで、素早い動きによって相手を手玉に取るのが非常に上手い。

彼はウェンディゴ族と呼ばれる種族で、ウェンディゴ族は、基本的に小柄で猫背、手足が長く、鹿のような角が特徴で、素早くちょこまかと動くのを得意とする。

ミガラナと呼ばれた男程に、戦闘のセンスが有る者はなかなか居ないが、戦闘を得意として、血の気の多い種族の一つでもある。


「あれ?なになに?何してるの?」


「こ、これはミガラナ様…今は全員立ち入り禁止でありまして…」


「え?なんで?」


「いやー…そのー…」


牢屋前で立っている兵士に話し掛けるミガラナ。

兵士は、ミガラナから放たれる疑問の数々に、困り果てている。


ウェンディゴ族の者達の性格はそれぞれだが、ミガラナと呼ばれる男は、飄々ひょうひょうとしているというより、人の揚げ足を取るのが上手いタイプ。いつでも他人を小馬鹿にしたような口調が特徴的。


「ねー。なんで?俺には教えられないってこと?ねーねー。なんで?」


首をグイッと九十度傾けて、兵士の顔を下から横目に見るミガラナ。


「いや…その…そういうわけでは…」


「じゃあ入っちゃおうかなー。」


「い、いけません!」


「えー。何でか教えてくれないのに入っちゃダメなのー?」


「こ、困ります…」


「きひひひ!困ってる?困ってる?」


「は、はい…困っております…」


「きひひひ!それなら良かったー!」


兵士が困るのを見て、楽しそうに笑うミガラナ。


「ミガラナ様がここへ寄るのは珍しいわね…」


「そうなのですか?」


神出鬼没しんしゅつきぼつな方だけれど、ああして誰かを困らせたり、悪戯いたずらするのが好きな方で、牢屋は詰まらないからと、あまり立ち寄らないのよ。」


「ま、まあ、あの感じで囚人と話をしても、ろくに返してはくれないですよね…」


囚人にとって、牢屋へ入っているという事は、今後の生活や、人によっては生死が掛かっている大切なタイミング。

そんな場所で適当に揶揄からかうミガラナに、期待されている反応を返す者は少ない。


「私もあまり得意な方ではないけれど…何故このタイミングで、こんな場所に…?」


ハイネリンデは、中での話を聞きに来た、一連の事件の犯人、もしくはその共犯者に見えてしまう。

どうにかして中に入って、内容を聞こうとしているとも取れなくはない。

しかし、偶然通り掛かったところで、兵士達が立っているのを見て、揶揄う為に寄ったとも取れる。


「駄目ね…疑いの目で見ているから、全てが怪しく見えてしまうわ…」


「かなり執拗しつように絡んでいますからね…」


先程から、ハイネリンデとピルテのヒソヒソと話す声を掻き消す程に、ミガラナの『ねーねー。』という言葉が何度も何度も聞こえてくる。

その度に兵士が困ったように唸り、眉を寄せる。

あまりに執拗しつこい為、やはり何か有るのではないかと思い始めた時。


「……飽きた。じゃあねー。」


唐突にミガラナは兵士を揶揄うのを止めて、スッとどこかへ行ってしまう。


「四魔将の方々からは、何も出てこなかったですし、疑うのは失礼な事だと分かっていますが…疑ってしまいそうになりますね…」


「ミガラナ様は四魔将の方々の中でも、かなり…フラフラした性格の方だから、仕方ないわ。」


ハイネリンデも、言葉を選んだが、結局、苦手だと伝えることになってしまう。


そこからも、暫く様子を伺っていたが、他に気になる者は現れなかった。


ガチャッ…


そろそろ魔王妃の話も終わる頃かと思っていると、真後ろの扉が開き、中から黒翼族の男性が出てくる。どうやら誰かの個室だったらしく、何かの役職に就いているであろう男性が顔を出す。


「うおっ?!」


自分の部屋の前に、鎧兜の兵士が立っているとは思っておらず、二人を見た男性が思わず声を上げる。


「な……何しているんだ…?」


男性は当たり前の事を聞いてくる。


カシャッ…


ハイネリンデとピルテは、同時に頭を下げ、無言でその場を去る。


「え……?え?」


男性は困惑し、二人を引き止める事が出来ないまま、呆然と見送る事になる。


「あ、危なかったですね…」


「ああいう時は、それが自然かのように離脱するに限るわね。」


二人は男性からの視線が切れたところで立ち止まり、小さな声で話をする。


ガシャガシャ…


そのタイミングで、後方から大勢の鎧の音が聞こえてくる。

様子を伺うと、牢屋付近に居た鎧兵士の内、四人が消えている。魔王妃が牢屋を出て行ったらしい。


その直ぐ後に、アーテン-アラボルが牢屋の有る部屋から出て来て、近場に居た兵士から乱暴に取り上げた煙草に、場所も考えず火を着ける。


「年寄りにこんな仕打ちをして、恥ずかしいとは思わないのかねえ。」


わざわざ全員に聞こえるように大声で言うアーテン-アラボル。


「流石のアラボル様も、お怒りですね…」


「あの無能男のせいで、貴重な時間をごっそり削られてしまったからね…

でも、魔王妃様が後ろ盾になって下さったから、あの男程度では、もうアラボル様を拘束し続ける事は出来ないわ。」


ぷかぷかと煙草の煙を昇らせる彼女に、近くに居た無能男が何度も舌打ちして睨み付けている。

魔王妃が後ろ盾になったというのに、未だアーテン-アラボルこそ犯人だと決め付けているらしい。

思い込みが激しいを通り越して、最早頑固と言える。

そんな相手に、余裕を見せて挑発するアーテン-アラボル。しかし、その目はハイネリンデとピルテを見ている。


「…流石はアラボル様。私達の事に気が付いたみたいね。」


「えっ?!」


「大丈夫よ。他の人達には気が付かれていないからね。」


「な、何故分かったのでしょうか…?」


「警護するべき場所じゃない所に立っているからだと思うわ。アラボル様から見れば、私達二人は怪しい鎧兵士なのでしょうね。」


「日頃からそのような気の張り方をしているのですか…?」


「今は気を張るべき時だからというのも有るとは思うけれど、元々アラボル様はそういうお方よ。

いつもどっしりしていて貫禄がある様に見えるけれど、誰よりも細かいところにまで目を向けているの。だからこそ、魔王様や魔王妃様が頼りにするのよ。」


「す、凄いですね…見習わないと…」


「私も見習うようにして随分経ったけれど、アラボル様に比べると、まだまだね。

それより、そろそろ動くみたいよ。」


煙草の火を消したアーテン-アラボルは、無能男に向かって鼻を鳴らした後、そのまま城の奥へと歩いていく。


「付いて行くわよ。」


「はい。」


ガシャガシャと鎧を鳴らしながら、奥へと続く通路を、少し距離を取って付いて行く。


吸血鬼の王たる真祖アリス。彼女が住んでいる城もかなり大きいのだが、魔王の城は更に大きい。

敷地も超広い上に、高さも有る。見た目はシンデレラ城のような形だが、あれより更に大きく、どれだけの人数が収容出来るのか分からない程。とにかくデカい。


その為、魔王や魔王妃に会おうと思うと、かなりの距離を歩かなければならず、その間に、様々な者達と出会う事になる。

兵士、メイド、執事、城勤めの者達、様々な人達が集まり、城の中で忙しそうに動き回っている。


そんな城の中を、ただひたすらに奥へと進むアーテン-アラボル。向かっている先は、魔王と魔王妃が居るであろう本殿。


「私達が入れるのは、本殿手前までのはずよ。そこで待機しておくわよ。」


「分かりました。」


本殿に近付くと、すれ違う人の数が一気に減り、かなりまばらになる。


「私達は、そろそろ入れない区域だから、この辺りで待ちましょう。」


「分かりました。」


アーテン-アラボルが一度だけ振り返り、頷くと、再度前を向いて歩いていく。

魔王に会って、何を話すのか、何をするのか、大まかな事はハイネリンデとピルテも聞いているが、その後どう転がるのかさっぱり予想がつかない状況。

もし、魔王の命令で、四魔将が動いたりした場合、いくら天才と呼ばれるアーテン-アラボルでも、瞬殺されてしまう。


そうならないように祈りつつ、二人は彼女の背中を見送る。


そして、ハイネリンデとピルテが見た、アーテン-アラボルの姿は、これが最後となる。


後々、ハイネリンデが聞いた話によると…


牢屋を出た足でアーテン-アラボルが向かったのは、まず、魔王妃の元だった。


牢屋内では、魔王の現状と、それに対する魔王妃の見解を話し合ったらしい。

彼女達が牢屋に入れられている内に、案の定、魔王の精神汚染が進行し、正常な状態になる事はほとんど無くなり、常に過激的な事を言う人格に変わってしまったとの事。

アーテン-アラボルが、その魔法を打ち消す魔具を作る為に、魔王に直接会って調べてみる必要が有ると伝えると、魔王妃は、魔王への謁見えっけんを求める進言をすると約束し、牢屋を出たそうだ。


そして、その進言が通るのを、魔王妃の元で待つべきだと魔王妃本人から言われ、アーテン-アラボルは魔王妃の部屋へと足を運んだ。

ここで、更に色々と話し合い、魔王の、そして魔界のその後を託される事になる。


そして、魔王妃の進言が受け入れられ、いざ魔王との謁見。


魔王妃の部屋を出て、魔王の待つ玉座の間へと向かったアーテン-アラボル。

その場所で話し合われたのは、当然、魔王自身の話。


アーテン-アラボルは、魔王自身に、魔法が掛けられており、そのせいで正常な判断が出来ていないと言ったらしい。そこまで直接的な言葉は使っていないかもしれないが…


そして、その言葉によって、魔王が怒り、アーテン-アラボルに、魔界からの追放を告げる事になる。

これも、魔王の正常な判断力が有れば、絶対に起きない事だったのだが、実際には起きてしまった。


「……おかしいわ。」


「どうかされましたか?」


「アラボル様を示す反応が、城の中に居ては有り得ない方向に向かっているわ。」


「えっ?!」


「何かあったんだわ。直ぐに追うわよ!」


「はい!」


ハイネリンデとピルテは、誰も居ない部屋に駆け込み、鎧を脱ぎ捨て、直ぐに城を出る。


「ピルテ!直ぐにサザーナとアイザスに連絡を!南に向かうわ!」


「はい!」


一時的にハイネリンデとピルテは別行動を取り、ハイネリンデのみでアーテン-アラボルを追う。


「いきなりこんな事になるなんて…っ!」


ハイネリンデは全力で反応を追って、魔界の南側へと走る。

反応の動きが速い。恐らく馬車に乗せられている。


「邪魔!退いて!」

ドンッ!


「っ!おいっ?!」


「通して!」

ドンッ!


「痛っ!なにするのよ!」


人混みを掻き分けて進もうとするが、ここは魔王の城が有る、魔界の中でも中心地と呼ばれる区画。街に人が多過ぎて思うように前に進めない。


「っ!!」


このままでは間に合わなくなると、ハイネリンデは魔法陣を描く。


ガンッ!


ハイネリンデの指先から伸びた影の爪が、街中の屋根へと伸び、突き刺さる。


体を思いっ切り引っ張り、屋根の上へと登る。

多少屋根が破壊されてしまうが、今は屋根の心配をしている場合ではない。


ガラガラ!


屋根材に使われている石が鳴る。


「これで走りやすいわ!」


ガッガッ!


足を踏み出す度に屋根材が鳴る。


魔界の南側まではまだまだ距離がある。中心街を出る前に追いつければ良いけれど、もし、街の外に出てしまったら、流石の吸血鬼でも、馬車には追い付けない。

ピルテ達が先回り出来ていれば、馬車を壊してでも止めてくれるはず。


そう信じて、ハイネリンデは走り続ける。


屋根の上を走り、跳び、見る見る街の南側へと向かっていく。


「……あれね!」


ハイネリンデの視線の先、目下には、街の中を通る鉄格子付きの馬車。外側には布が掛けられており、中は見えないけれど、魔具の反応は、恐らくその馬車を指し示している。


「アラボル様!」


爆走はしていないけれど、それなりの速さで走る馬車に、ハイネリンデの声は届かない。


「乗り移るしか……」


「お母様!」


「来てくれたのね!」


どうしようか迷っていると、同じように屋根の上を伝ってくるピルテ、サザーナ、アイザス。


「他の者達は?!」


「同じように南へ向かっています!」


「これなら……真下に見える馬車よ!あれにアラボル様が乗っているはず!直ぐに止めるわよ!」


「無理矢理止めるのですか?!」


「止まってくれと言って止まってくれるとは思えないわ!」


「し、しかし…こんな街中では、被害が出てしまいますよ!」


「アラボル様を失う方が、最終的には被害は増えるわ!」


ここは魔界。多発とまではいかないが、そういった荒事というのは、割と目にする光景であり、珍しい事ではない。

そういう荒事によって、被害者が出る事も有る為、そこまで大きな騒ぎにはならない…が、今回狙うのは、罪人を運ぶ為の馬車。喧嘩で破壊されてしまうのとは意味が違ってくる。

ピルテ達が気にしているのはその事だ。


「……責任は私が取るわ!今アラボル様を失うわけにはいかないの!」


「「「……分かりました!!」」」


ハイネリンデ、ピルテ、サザーナ、アイザスは、それぞれ四方向から馬車に飛び移れるよう位置取り、馬車と並走へいそうする。


「街の南端まであと少しです!近くに居た仲間が先に門前で待ち伏せているので、挟み込んで止めましょう!」


「分かったわ!合図は頼むわよ!」


「お任せ下さい!」


屋根の上から見える景色の中に、街の南門が見えてくる。

既にこの馬車が通る事は伝わっているはずなので、門前で、門番が止める事は無い。


「チャンスは一度きり、落ちたら終わりね…」


「私が御者を抑えます。お母様は鉄格子の中の確認をお願いします。」


「任せてちょうだい。必ず成功させるわ。

そろそろ行くわよ。」


「「「はい!」」」


「行くわよ!」


ハイネリンデが屋根から体を投げ出すと同時に、空に向かって合図の魔法が放たれる。


ドーンッ!


ズガガガガ!


上空で炎が破裂し、遠くにいてもよく分かる。

門前で構えていた部下達は、アイザスの身振りによって、何をしたら良いのか理解し、魔法で一斉に道を封鎖する。

突如門前に現れた土壁や泥沼。馬車一つの為に仕掛ける規模ではないが、確実に馬車は止められる。


馬車に乗っていた御者が思いっ切り手網を引き、馬が両前足を高々と持ち上げ、鳴く。


「誰だ?!」


御者の他にも、馬車の護衛が二人。鎧を着ている。


ガンッ!


護衛の男達が、檻の真上に下りたハイネリンデの姿を見る。


「動かないで下さい。」


その派手な登場に目を奪われた護衛二人と御者の背後から、ピルテ、サザーナ、アイザスが現れて、刃を突き付ける。

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