第203話 鬼童

「このクソジジイは居ないものとして考えるぞ。

ラト。セナを頼む。」


『はーい!』


「ニルは前を頼む。」


ランカからの教えを受け、合格を貰ったニルならば、気兼ねすることなく前を任せられる。

盾の使い方というのも学んだみたいだし、腕の見せ所というやつだ。


「お任せ下さい!」


ニルも随分と張り切っている様子だ。


「ぬひひひ。あまり張り切り過ぎて力まぬようにのう。強くなったとて、人から急所が消えるわけではないからのう。」


ムソウの言う通りだ。鼻息が荒い時と言うのは、ミスを起こしやすくなる。だが、ニルにそれは無いだろう。


「はい。それでは…行きます。」


ニルがゆっくりと足を進める。


数年を掛けて、落ちて積もった竹の葉が、足を踏み出す度に僅かに沈み、湿った感触が足に伝わってくる。


見通しは良いが、それなりに起伏がある地形。

たまにどこから来たのかと聞きたくなるような岩が落ちていて、その上にも竹の葉がへばりついている。


「セナ。折れた竹も多いから踏んだりしないように気を付けろよ。」


竹は縦に繊維が走っているため、踏んだり転けたりした時、体に刺さる事もある。


「分かってるわ。足手まといにはならないから安心して。」


竹刀しないも作った事があると言っていたし、竹の事はよく知っているはず。余計なお世話だったかな?


『今のところ近くに何か居る気配は無いよ。』


「ムソウ。方向はこのまま真っ直ぐで良いのか?」


「ひたすら真っ直ぐじゃよ。」


ムソウの話では、この竹藪たけやぶはかなり広い。

鬼童と出会わずに抜けられる可能性すらあるという話だが、そういうラッキーには出会ったことが無い。


「ニル。日が暮れる前に竹藪を抜けたい。少し急ごう。」


「分かりました。」


それまでゆっくり、警戒しながら歩いていたが、ニルの足がスピードを上げる。


次々と竹を避けながら進むこと二時間。

まだまだ竹藪は続いている。


『シンヤ。何か居る。前方。こっちに向かってきているよ。』


「ニル。何か居るらしい。前方からこっちに来ている。」


「迂回しますか?」


「この竹藪は鬼童の縄張なわばり。鬼童以外はほとんど住み着かんからのう。」


相手が鬼童だとして…わざわざエンカウントが確定している場所を通る必要は無い。


「迂回しよう。無駄な戦闘は避けて…」


そこまで言って、周囲の状況がおかしい事に気が付いた。


「…………」


「ご主人様?」


俺が急に黙った為、不思議そうに俺の事を振り返るニル。


周囲の状況がおかしい事には気が付いたが…何がおかしいのか分からない。

何かおかしい…だが…何が……?


不自然な点を探していると…


「シンヤさん。この辺りの竹…やけに大きいわ。」


セナが近くの竹を触りながら、そんな事を言う。


言われてみると、竹の太さや長さが、他の竹と比べて五割増ぐらいある。違和感の正体はそれだろう。


「この辺りの土壌だけ違うのか…?」


俺は足で、落ちて積もっていた竹の葉を退けてみる。


カツッ…


つま先が何かに当たる。


「これは……」


足に当たった何か。地面に埋もれているみたいだが、それを地面から引き抜いてみる。


ブチブチッ!


細い竹の根が絡み付いていたのか、根がちぎれる音がして、地面の表層毎ボコりと土が引っこ抜かれる。


取り上げた物にも湿った土が付着していたが、それを払い除ける。


「これは…鬼士隊の仮面か…」


土で汚れてしまっているが、白く目の穴だけが空いた仮面。ムソウと出会う前に襲ってきた三人が被っていた仮面と同じもの。


「なんでこんな所に鬼士隊の仮面が…?」


セナは不思議そうにしていたが、竹がやけに大きいのはのせいだろう。

正確には、これを身に着けていた者達のせい。


俺達が立っている地面の下に、恐らく、この仮面の持ち主が埋まっているはずだ。


その体から栄養を吸い上げた竹は、通常より栄養を多く摂取…結果として大きく育った…というところだろう。

周囲の竹が余すところなく、全て大きく育っている所を見るに、埋まっている死体は一体では無いはずだ。


誰かがこんな辺鄙へんぴな場所に死体を、しかも焼かずに埋葬したとは考えにくい。


となれば、ここで鬼童と出会い、殺された鬼士隊。

食われた残りはそのまま放置される。

竹というのはとても成長が早い。地面の上にあったはずの死体は、竹によって取り込まれ…地面の中へ。

普通ならばかなりの時間が掛かるが、この世界の竹が、日本の竹と同じとも限らない。


どちらにせよ…恐らく、死体はこの下に眠っているはずだ。もしアンデッド化したとしても、既に根に絡みつかれていて、身動き一つ取れないだろう。


「セナ。あまり下を見るなよ。」


「え?う、うん。分かったわ。」


「しかし…ここで鬼士隊が死んだとなると…」


『シンヤ!こっちに凄い勢いで来るよ!』


「ニル!戦闘準備だ!」


「はい!」


やはりだ。恐らく、ここは既に奴らの狩場。

既に俺達の事を捕捉ほそくしている。


「来ます!」


正面に小さな影。セナが言っていたように、俺の胸下程度の大きさ。


服と言えるものは何も無く、ボサボサの黒髪、黄ばんだ歯、落窪おちくぼんだ目、丸まった背中…そして鬼人族と同じ角。


この鬼童というモンスターは、聞いた限りではSランク相当のモンスター。


鬼人族の中では、飢えによって死んだ下民の子供がモンスター化したのではないかと言われているらしい。

それを聞くと、鬼童というよりは、餓鬼がきが近いかもしれない。

ただ、肉が腐っていたりしているわけではないし、心臓は急所の一つと聞いたから、アンデッドではないはず。となれば、相手からの油断を誘う為に、この島で最も数の多い鬼人族の姿を真似たモンスター。そう考えた方が良いだろう。


「ガァァァァ!!」


人の声でありながら、獣の発する声と似た叫び。


ザンザンッ!


周囲の竹を斬りながら進んでくる。


鬼童が手に持っているのは、大人が一般的に使う刀。

刃はボロボロで刃こぼれが酷く、ギザギザしている。まるでノコギリだ。


「ギガァァ!!」


ガキンッ!


正面に躍り出たニルが、黒花の盾を使い、ボロボロの刃を弾き返す。


単に弾いたのではなく、刃を受ける瞬間に僅かに盾を引き、威力を殺しながら、力の方向を外側へ誘導、その後円の動きによって力を押し戻した。

弾いた、のではなく、弾きのだ。

言葉で言えばたったそれだけの違いだが、そこに含まれる技術の違いは、天地程の差がある。


「ギガッ?!」


「はっ!」


ガンッ!

「ガアァッ!」


ニルは、刃を弾き返した盾を、そのまま鬼童の顔面へと持っていき、殴る。


ダメージとしては、ほぼ無いに等しいが、顔面を強打された鬼童は、勢いを完全に殺され、二歩、三歩と後ろへ下がる。


これだけの動作を見ただけで、ニルの戦闘力が今までのものとは大きく違う事がうかがい知れる。

盾の使い方がまるで違う。

ほとんどを防御する為だけに使っていた盾が、武器としても機能している。


「ガアアアァァァッ!」


上手くいかないことに腹を立てたのか、鬼童は手に持ったボロボロの刀を、地面に何度か叩きつけている。


「ニル。どうだ?」


「想像以上に速いですね。力もありますし、何より

滅茶苦茶めちゃくちゃではありますが、相手を殺すために磨かれた剣術…でしょうか。」


俺も同じような感想を抱いた。


鬼童は、体が小さいことを利用して、低く速い動きをする。

一撃一撃が確実に相手を仕留められる攻撃で、気を抜けばこちらが殺られる。


「倒せるか?」


「はい。大丈夫です。」


自信のある返事。ニルが倒せると言ったならば、間違いなく倒せるだろう。


『シンヤ!』


「分かっている。俺は向こうだな。」


ラトの注意を受ける前に、俺は左手を向く。


そこには他の鬼童が二体。


「ぬひひひ。二体同時だのう。手を貸そうか?」


「要らん。」


「ぬひひひひひ。ならばシンヤの実力を見せてもらうとするかのう。」


飲まないとか言っていたはずの酒を飲みながら何を言っているのか…最初から手伝う気などなかっただろうに。


鬼童は、見たところSランク相当のモンスターの中では、弱い方だろう。

神力を使いながらの戦闘や、日頃の鍛錬の成果を見るには打って付けの相手。

子供の姿という戦いにくさはあるが、それで刃を鈍らせる時期はとうに過ぎた。


「「ガアァァァ!!」」


当然のように、二体同時に俺の方へと走ってくる。


まずは挨拶からだ。


真水刀に魔力を注ぎ込むと、刀の周囲に水の玉が出来上がる。


こっちは神力の成り立ちと違う為、出来上がりを想像すれば良い。ただ、神力と真水刀の両方を使いながらの戦いは、想像がこんがらがってくる。

最初はそれに苦戦したが、それも既に克服済み。


「はっ!」


刀を強く振ると、水弾が真っ直ぐ飛んでいく。


「ギガッ?!」


迫り来る水弾に驚いた一体が横へと跳び退く。


こういう所は、モンスターだ。二体の強みは連携して同時に多方向から相手を攻められる事。しかし、身の危険が迫り、一体は即座に回避。あっさりとそのアドバンテージを捨てる。

相手が人ならこうはいかないだろう。


「ほほう。あの刀。面白い能力を持っておるのう。」


ムソウは呑気のんきなものだ。


「ギガァッ!」


一体はそのまま俺の方へと向かって走ってくる。


ただでさえ背が低いのに、猫背状態だから、更に相手が小さく見える。


ザザザザッ!


そのまま突撃してくるかと思いきや、突然方向転換し、左側へ回り込む鬼童。


相手の武器を持った手と逆方向から攻めるのは、野生の基本。


「ガアァッ!」


大きく振り被った刀を、縦とも横とも、そして斜めとも言えない中途半端な角度から振ってくる。


剣速はそれなりに速いが、避けられない程では無い。埋まっている死体の男達には少し辛い速度だったのかもしれないが…


ブンッ!


身を引いて切っ先を避けると、鬼童がギョッとした顔をする。


がら空きとなった鬼童の側面に、刀を振り下ろす。


ザシュッ!!


鬼童は、首と胸下辺りを切断され、下半身、上半身、首の三つに別れる。


俺がイメージした神力は、刀の横にもう一本の刃が伸びているイメージ。


一度の斬撃で、二つの斬撃を生み出したのだ。


「ほほう…神力のみで鬼童を斬るか。やるのう。それなりに硬い体表なのじゃが。」


ムソウは素直に驚いたのか、そんな事を言ってくる。


「ギッ……ギガァッ!」


水弾を避けて遅れた鬼童が、目の前に魔法陣を生み出す。手は使っていない。


荊棘けいきょくか。」


上級土魔法で、地面から石のとげを出現させるあれだ。


ダッ!

ズガガガガガガッ!


発動直前に斜め後ろへと跳ぶと、足元から石の棘が現れる。


「ギガァッ!」


ガギッ!


鬼童は、現れた石の棘の一本を根元から折り、それを投げてくる。

そういう使い方はしたことが無かったが…なかなか面白い。


面白いが、その程度の攻撃では、俺を殺す事など出来ない。


ガシッ!


投げられた棘を横に避け、空中で掴み取る。


「お返しだ。」


ブンッ!!


飛んできたスピードより速く戻っていく棘。


「ギガッ?!」

ズガッ!


咄嗟に横へ飛んだ事で、棘は鬼童には当たらず、地面に深々と突き刺さる。


「ギガァッ!ギッ?!」


それを鬼童が、威嚇いかくの声を上げる。


「戦闘中に相手から目を離すとは、随分と余裕だな。」


視線が切れた瞬間に、俺は鬼童の側面へと回り込み、肉迫していた。


俺が想像より近くに居たことに驚いた鬼童が刀を振ろうとするが…


ガシュッ!!


もう遅い。


垂直に振り下ろされた真水刀が、鬼童を縦に切り裂く。


ズガガガガガガッ!


「あ…」


「ぬひひひ。まだまだ神力の制御は甘いのう。」


「くっ…」


鼻毛を抜きながら言いやがって…腹立つぜ…


使ったのは剣技、霹靂へきれき

神力を使おうとは思っていなかったが、結果としては、飛ぶ斬撃が発動。鬼童の後ろへ向かって、飛んでいき、地面に斬撃の跡を残す。

俺としては、出ちゃった…と言いたいところだ。

未だ神力の操作には、少しつたない部分が残っている。自分でも分かってはいたが、意図せず出ちゃうのは直さなければ…


と、考えつつも、ニルの方へと目を向ける。


鬼童は未だ立っているみたいだが、全身傷だらけの血だらけ。ニルは無傷。


圧倒的な展開になっているようだ。


「ギガァッ!」


「……………」


威嚇してくる鬼童に対し、ニルは構えた盾の後ろから、じっと姿を観察している。


「朝の訓練でも何度か見せられたけど、あれって結構圧迫感があるんだよな…」


「そうなの?」


ムソウ達の所へと戻り、呟くと、セナが返してくる。


「盾の後ろからじーっと観察されて、攻撃を受け流して反撃してくるんだ。攻撃しにくいだろう?」


「た、確かに攻撃しにくいわ。」


「ニルの場合、戦闘中は特に、冷静さを失わないからな。何をしても、何を言っても、あの構えを解かないし、隙も見せない。」


「ニルって肝が座っているっていうのか…うちには絶対に無理ね。」


「ランカの教えを受けた今となっては、生半可なまはんかな攻撃では、あの防御は突破出来ないだろうな。」


「ガアアアァァッ!」


話をしているタイミングで、鬼童が攻める。


シュィン!


「おおー…」


正直驚いた。


今まで、ニルは攻撃を受ける時、その場で踏ん張るか、後ろへ下がりながら攻撃を受けていた。


しかし、今回は前へ出た。


盾を持った腕をぐっと折り曲げ、盾を肩の辺りに引き寄せる。

そのまま前に出ると、体を斜めに倒し、鬼童の一撃を、肩に当てた盾で滑らせる。


振り下ろされた刀が地面に当たる頃には、ニルが鬼童の側面に立って、小太刀、戦華を突き立てていた。


その場で踏ん張ったり、後方へと下がって攻撃を受けると、どうしても、相手に近付くという工程がプラスされる為、相手の体勢が整ってしまう。

その相手に近付くという工程を、防御時に行う事で、チャンスが大チャンスに変わる。


俺も、ここまでの戦闘で、何度かやっていたし、それがチャンスに繋がる事も知っていただろう。

しかし、大チャンスを引き寄せる為には、それなりの危険が伴うし、度胸はもちろん、技量も必要だ。

それを簡単にやって見せた。


「ギッ………ガッ………」


肋骨の隙間から体内へと突き刺さった戦華。


パキパキと、刃の表面が硬質化していく音がここまで聞こえてくる。


鬼童は全身傷だらけで、今の一撃は致命傷ちめいしょう

それなのに、まだ立っている。

流石はSランク相当のモンスター…というところだろうか。


「ギッ……」


鬼童は、自分の目の前に魔法陣を描きながら、刀を持ち上げる。


「はっ!」


しかし、ニルがその攻撃を許すはずがない。


魔法陣が完成する前に、鬼童に近付いたニルが、振り下ろされた刀を横へと回り込みながら完全に回避する。


綺麗な足運びだ。地面に半円を描くような軌道で、相手との距離が一定。例え鬼童が横薙ぎに刀を振っていても当たらなかっただろう。


ニルはそのまま、戦華を二度突き出す。


首の横と、側頭部辺り。


突き攻撃も、突き出しっぱなしではなく、突いた後、即座に盾の後ろへと引き戻す。

二度突いたのに掛かった時間は一秒にも満たない。


「ガッ……」


ドシャッ……


首と頭に穴を空けられた鬼童は、前のめりに倒れ込み、ピクリとも動かなくなる。


堅実な戦い方で、時間は掛かるが、危ない場面は一切無い。真面目なニルらしい戦い方だ。


「ふう…勝ちました!」


大きく息を吐いたニルが、俺の方へ走ってくる。


Sランク相当のモンスターを単独撃破。もうそこらの冒険者なんて話にならないだろう。


「ニル凄ーーい!」


「わぷっ?!セナ!飛び付いたら危ないです!」


「へへへー。」


セナもニルの成長が嬉しいのだろう。本当に、セナがニルと友達になってくれて良かった。


ニルは、セナと話しながらも、チラチラと俺の方を見ている。

そんな、ご褒美を待つ子犬みたいな目で見られれば、流石の俺も分かる。


「よくやったな。」


そう言って頭をポンポンと撫でてやると、くすぐったそうに笑うニル。


「はい!」


「ぬひひひひひ!とんでもない連中じゃのう!

ニルちゃんの練習は何度か見たが、体の使い方が上手くなっておる。シンヤのような飛び抜けた身体能力は無いかもしれんが、その分、たくみな戦い方ができておる。

どうじゃ?ニルちゃんもわしゃの弟子になってみんか?」


「ダメダメ。うちの子をエロジジイなんかに任せられるわけがないだろう。断固許しません。」


「ぬひひひ!ケチ臭いのう!」


「はいはい。何を言っても絶対に許さないからな。」


「ぬひひひ!」


「それより、鬼童ってのは、何体居るんだ?」


「さあのう。まだまだ居る事は確かじゃが、全部で何体居るかはわしゃにも分からんのう。」


白々しく言いやがるクソジジイ。

ここには奴らがわんさか居るという事は分かっていたのに、居るとしか言わなかった。頭かち割るか?


「愛のムチじゃよ。愛のムチ。」


「クソジジイの愛など要らん。」


「ぬひひひひ!」


俺が真太郎の息子だと言ってから、ムソウは何を言っても気持ち悪い笑い声を出すだけ。

自分の弟子が息子を育て、剣術を教えていたという事がそんなに嬉しいものなのだろうか?

機嫌を損ねると、なかなかに面倒なジジイだから、上機嫌の方が良いが…


「ほれほれ。終わったのならさっさと行かねば、日が暮れる前に抜けられなくなるぞ。」


酒を飲みながら、フラフラと竹の間を進んでいくムソウ。


そこから先は鬼童との戦闘を繰り返しながらの行進となった。


とはいえ、ニルも単独撃破出来る相手だ。二人でやればサクサクと倒して進める。

日が暮れる前に、竹藪を抜ける事が出来た。


「ムソウ…これは……」


「ん?なんじゃ?ここがわしゃん家じゃ。」


そう言ってムソウが紹介してくれた建物は、見た事がある。

竹藪の先に広がっていた光景は、リッカが住んでいた建物と瓜二つ。

渡人のエンブレムが刻まれた金属製の外壁。

ただ、入口は重苦しい扉で、そこだけが違う。

扉の正面には、互いに向かい合うように、渡人のエンブレムに入っている女性が描かれていて、かなり精巧な造形となっている。

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