第129話 宝箱

「風呂に入りたいって…」


「拙者が声を大にして、された事を嘆くよりも、ここで過ごしてきた三年間の力で、そんな奴らを一気に抜き去る事を、師匠は望むと思うでござる。」


「……良いのか?」


「良いでござるよ。それに、恐らく師匠の事ならば、何が起きたかくらい理解していると思うでござる。」


「…そうか。」


もし、ゴンゾーが言うように師匠のゲンジロウが、何が起きたか理解しているとしたら、恐らくゴンゾーを見捨てた者と、それに賛同した先行者五人。その九人には厳しい沙汰さたが下っているだろう。

それが死という罰では無かったとしても、ゴンゾーは納得する。という事だろう。


「ゴンゾーがそれで納得出来る…というなら、俺からはもう何も言う事は無いよ。

それより、風呂があるのか?」


「有るでござるよ!風呂も温泉も!」


「温泉まであるのか?!」


「知っているでござるか?」


「俺の故郷でも風呂と温泉は国の宝だったからな!いやー!これは楽しみが増えたな!」


「ご主人様が仰っていた、お湯を入れた大きな池ですよね?」


「そうそう!疲れがスーッと抜けて、肌もスベッスベになる。」


「す、スベッスベですか…?」


「スベッスベだ。」


「スベッスベ……スベッスベ……」


遠い目をして何かを思い浮かべているニル。


スベッスベゲシュタルト崩壊が起きそうだな…


「それもこれも、ここを無事突破出来ればの話でござる。まずは皆で無事ここを抜けるでござる。」


「ゴンゾーの言う通りだな。無事抜けて温泉へ入ろう。」


「はい!頑張りましょう!」


ニルのテンションが上がった。やっぱり女性だし、肌のすべすべとか気になるのだろうか。


そんな事を考えながら、第七十六階層への扉を開く。


ズズズッ……


部屋の形は今までと違い、長方形。横幅が狭く十メートル程、奥の扉までは百メートルほどあるだろうか。それ以外には、特に変わった構造は無さそうだ。しかし…


「なんだ…この臭い……」


『うわっ!臭ーーい!!』


ラトはブンブンと頭を振って臭いに抗っている。


直ぐに風魔法で臭いが来ないようにしてやったが…俺達はそこまでしなくても不快感を感じる程度の臭いだ。


「この臭いの主はあのモンスターでござるな。」


ゴンゾーが見ている先には濃い緑色の毛を持った一メートル弱の…イタチのようなモンスター。俺は見た事が無い。


「あれはスティンキーウィーズルというモンスターでござる。臭いだけで毒は無いでござる。

ただ、硬質で太い棘のような毛を飛ばしてくるでござる。」


見たところ、スティンキーウィーズルというモンスターは三匹。恐らくBランク相当のモンスターだろう。


Aランクのモンスターはシェルバッファロー、約四十体。


大量に居る為、完全にシェルバッファローに道を塞がれている状態だ。


「面倒ではあるが、倒せない相手では無さそうだな…」


俺の言葉を聞いて怒ったのか、シェルバッファロー達が一斉にこちらを向く。


「……待てよ……」


もし、このシェルバッファローの群れが全て一気にこちらへ向かって突進してきたら…逃げ道が無い。


その考えに至るとほぼ同時に、スティンキーウィーズルが、全身から棘のような毛を発射する。


俺達を攻撃しようとしたのかもしれないがあまりにも無差別な周囲への攻撃は、シェルバッファローの数匹の防御の薄い部分に刺さる。


「「「ブフォォォォォ!」」」


その数匹のシェルバッファローが、痛みに反応して、前足を大きく上げて叫んだ。

その声に反応するように、四十体近くのシェルバッファローが一気に俺達の方に向かって走り出す。


強制的に全てのシェルバッファローを走らせるという仕掛けらしい。


「ニル!ストーンウォールを壁に!」


「はい!」


ドドドドドドドドドドッ!


シェルバッファローが怒りに満ちた表情で大きな角を俺達に向けて走ってくる。

地面が揺れ、迫り来るシェルバッファローの群れは恐怖以外のなにものでもない。


ズガガッ!


シェルバッファロー達の先頭集団が後数秒でこちらへ到達するという所で左壁から水平に伸びるストーンウォールを生成する。ニルの魔法も完成し、同じ程度の高さ、右側にストーンウォールを生成。


「乗れ!」


ズガガガガガガガガッ!


シェルバッファローの先頭集団は、その勢いのまま、俺達の入ってきた扉のある壁に激突し、その後ろから突撃して来ていたシェルバッファローが、先頭集団に突っ込む。次々と突っ込んで来るシェルバッファローと前の集団がぶつかり合って、激しい音が部屋の中へ響き渡る。


「お…恐ろしい……」


ギリギリでストーンウォールに飛び乗れた俺達は、胸を撫で下ろしていた。俺とゴンゾーは左手の、ニルとラトは右手のストーンウォールに乗って難を逃れた。

少しでも反応が遅かったり、対処を間違えていたら挽肉ひきにくになっていたに違いない…スティンキーウィーズルの臭いは、思考回路を邪魔する役割だった…のだろうか?ただの副産物なのだろうか…?


「シェルバッファローは遠距離攻撃も無いし、このままここから魔法で処理しよう。」


「わざわざ降りる必要は無いでござるな。」


最初の一手を回避出来れば、後は作業。ひたすら遠距離攻撃で、下にいるシェルバッファローとスティンキーウィーズルを処理して、この階層は終了だ。


シェルバッファローの素材は回収したが、スティンキーウィーズルの素材は回収しなかった。正確には出来なかったと言うべきだろう。


ゴンゾーが教えてくれたのだが、スティンキーウィーズルの体内は、臭いが濃厚なため、使える素材は無いらしい。敢えて触れる必要も無かったし、何よりラトが、スティンキーウィーズルに触れる事を全力で阻止そししてきたので、大人しく放置することにした。


ズズズッ……


続いて七十七階層。


「これは…」


「……見た感じは…完全にボーナス部屋だな。」


十メートル四方の小さな部屋に、壁と同じ石材で出来た横長の一メートルサイズの箱…俗に言う宝箱っぽい物が三つ置いてある。


見方によっては棺桶かんおけにも見えなくは無いが…


「これはどういう事でしょうか?」


「開けても良いでござるか?」


「いやー…どうだろうか…」


部屋の中を見渡しても、特に何か書いてあったり、ヒントがあるということも無い。


三つの箱は全て同じ大きさ。形。色。違いは一切見当たらない。


「こんな優しいダンジョンではないはずなんだが…」


数分間色々と調べてみたが、結局何も見付からず……

鑑定魔法も相変わらず反応しない。壁や床と同じ石材で、同じような扱いだからだろう。


「なんで突然こんな部屋が……あ……」


俺は一つ思い当たる節を見付けた。


「何か分かったのですか?」


「もしかして…ラッキーセブン…?」


この階層は七十七階層。ご褒美タイム…という事か?


どうしても人間という生き物は、希望的観測にもとづいて思考してしまうもので…


「こっちの世界でも、七という数字は幸運の数字…とか言われているか?」


「幸運の数字…ですか?申し訳ございません…あまり数字には強くないので…」


ニルはしょぼーんと顔を伏せてしまう。そもそも計算なんて奴隷には必要無いし、字が読める奴隷すらほぼいない。数字の事について聞くのは判断ミスだった…


「そうか……いや、待てよ。」


俺はゲーム時の、ある事を思い出す。


確か、ファンデルジュがリリースされてから、一年七ヶ月と七日が過ぎた日、その日の午前七時から午後七時までの間にのみ出現するダンジョンがあり、そこのクリア報酬を七個集めると、ランダムで素晴らしいアイテムが手に入る。なんてイベントがあった。


ファンデルジュ側からの告知によって行われるイベントはそれ程数が多くなかったから、よく記憶している。それに、報酬も素晴らしかったから覚えている。


ゲーム内の世界とこの世界が直線で結ばれているとしたら、七という数字に、幸運ではなかったとしても、何かしらの意味があるはず。


因みに、一年と七ヶ月が過ぎていたその頃には、既にログインするプレイヤーはほぼ居なくて、ダンジョンがごった返すということも無かった。

そこに集まってきたプレイヤーは、互いを見て、こいつも俺と同じ……という不思議な感情に包まれていたのを覚えている。

当然ヘビーユーザーだった俺もしっかりとアイテムをゲットしている。


それが鑑定魔法の魔法書だった。


他のプレイヤーが手に入れた物を公開していたが、それぞれ全く別の物で、武器、防具、魔具、消費アイテム等があった。同じ内容の物を受け取った人は恐らく居なかったので、俺の鑑定魔法は俺にしか使えない…と考えていたわけだ。


「七という数字にはそれなりに意味があると思うし、ここは一度開けてみよう。」


結局、俺達はその箱を開けることにした。


最大限警戒して、防御系の魔法を何重にも張り、一番右の宝箱を開ける。


ガゴッ…


重い蓋を持ち上げると、ほこりか石材の削れた粉か分からない白煙が僅かに散る。


「…………」


慎重に蓋を持ち上げ、中を覗き込むと、大きな箱の中に、ちょこんと小さな小瓶が入っている。


一応感圧式の魔法陣とかが無い事を確認し、その小瓶を取り出してみる。


「それは何ですか?」


十センチ大の円柱状のガラス製の小瓶。その中には直径二ミリ程度の小さな黒い粒がビッシリと詰まっている。


「嘘だろ…こんな物が存在するのか?!」


鑑定魔法の結果は…


【魔力回復薬…超希少丸薬。一粒で魔力が最大まで回復する丸薬。神が創造した丸薬と言われている。】


「えっ?!魔力回復薬ですか?!」


「なぬっ?!そんな破格のアイテムでござるかっ?!」


この世界において、魔力の回復手段はたった一つ。


。これしかない。


そのことわりをぶち壊す代物だ。

当然、ラッキーセブンのイベントでも、こんなアイテムが出たという報告は見なかった。

他の高難度ダンジョンでも見なかった。超希少と書いてあるし、簡単に手に入る物では無いのだろうけれど……

ゴンゾーの反応からしても、定期的にこのダンジョンを試練として使っている鬼人族でさえ知らない代物なのだろう。


「こ、こんなアイテムヤバ過ぎるだろ…」


戦闘を行っている最中に、一粒飲むだけで魔力MAXになる相手とかチーターみたいなものだ。

聖女が使ったりしたらそれこそ無限に仲間を回復させ続けられるぞ…


「わ、私の知識の中にも、そんな効果のある丸薬はありません…」


『なになにー?それ食べても良いのー?』


よだれを垂らして近付いてくるラト。


「駄目です!ラト!」


『えー…』


一口で飲み込まれたら泣くところだぞ。ラトよ。


「ど、どうしようか…半分を別の瓶に入れて、ゴンゾーに」

「いや!拙者は受け取らぬでござる!」


かなり強い口調で言い切るゴンゾー。


「受け取らない?!これ一粒でもかなりの額になるぞ?!」


「……拙者は、シンヤ殿達に救われた身。受け取れるわけが無いでござるよ。」


「それとこれとは話が別だろう。」


ダンジョンに潜る時、パーティで潜る場合は、分けられる戦利品は全て綺麗に分配。これは鉄則だ。後々に禍根かこんを残す事にも繋がるし、欲を出し過ぎて他人を出し抜く奴は、冒険者としても、人としても長生きは出来ない。


「貰える時は貰っておくものだぞ。無欲過ぎると手に入れられる物も入らなくなるぞ。」


「……ぐぬ……そ、それでは…六粒。六粒だけ頂けないでござるか?」


「いや、だから半分」

「それは駄目でござる!」


圧が凄い。


「わ、分かった。それなら、残りはありがたく貰うよ。」


ここまで言われるなら、有難く頂戴しておくとしよう。貰えるものは貰っておこう。今後、より激化するであろう戦闘の事も考えると、あるだけあった方が良い。


「でも、なんで六粒なんだ?」


「それは…拙者を助けて下さった、師匠と、その友である四鬼しきの皆様の分でござる。」


助けて…という言葉の意味が、俺達には分からないが、きっととても感謝しているのだろう。


「ん?でも、四人だよな?自分の分と…あと一つは?」


「……それは……その………」


急に声のボリュームが下がって、耳まで真っ赤になるゴンゾー。


「まさか…ってやつか?」


「そそそそそそそそそそんな大それたものではござらん!拙者が一方的に!」


「へぇー。片思いってやつか。」


「ぬほぉぅ!?」


「名前は何と言うのですか?!」


ニルさんが食い付いた!!


イーグルクロウの女性達に鍛えられたからな。学んだ食い付きを今こそ活かすのだ!


「せ、拙者が」

「名前は?!」


「それは」

「お名前をお聞かせ下さい!」


おー。有無を言わさぬ言葉のカウンターだ。


「……サクラ殿……でござる。」


ニルのカウンターによるK.O.勝ち。


「サクラ様…把握しました。どのような方なのですか?」


「それは今は良いでござろう?!ここは安全地帯でも無いでござるよ?!」


さすがにそろそろ助け舟を出そう。


「ここはゴンゾーの言い分が正しいな。せめて、安全地帯でその話をしよう。」


「うっ……も、申し訳ございません。」


「ふぅ…助かったでござる…」


ゴンゾーよ。俺は聞かないとは言っていないからな。今乗ったその舟は泥で出来た舟だと…後で思い知る事になるぞ。


「さてと…残り二つだな。」


「ワクワクするでござるな?!」


「残り二つはトラップという可能性もあるから、慎重にいくぞ。」


「そ、そうでござるな。承知したでござる。」


と、ゴンゾーには言ったが、俺も実際はワクワクしている。

魔力回復薬級の破格のアイテムは、高難度のダンジョンでさえなかなかお目にかかれない…これだからダンジョン探索というのは止められないのだ。


続いて、真ん中の蓋を開ける。


ガゴッ…


「次は…指輪か?」


またしても大きな箱の中に一つだけポツンと小さな指輪が入っている。


とてもシンプルな銀色の指輪だ。指輪の表面に、埋め込まれるような形で、色々な色の小さな魔石が施されている。


偽見ぎけんの指輪[魔具]…指輪に込める魔力の属性によって外見を変えてくれる指輪。】


「偽装用の指輪って事か。」


自分を偽装しなければと考えていたし、俺としてはかなり有難いアイテムだ。これも当然のように見た事が無いアイテム。


「どんな効果があるかは試してみるしかないか…」


「んー。どちらにしても、拙者には必要の無い魔具でござるな。」


「そうなのか?それなら貰っても良いか?」


「当然でござる、神聖騎士団…でござったか?連中に追われているのでござろう。その指輪の効果であれば、間違いなく役に立つでござるよ。」


「助かるよ。」


ゴンゾーには、俺達の事を一通り教えてある。オウカ島に渡った際に俺達の事情を知っている者が居てくれると助かる…なんて考えも有ったり無かったりだったが、話の流れ上、ゴンゾーにばかり話をさせて、俺達の事を話さないわけにもいかない。


「早速使ってみるか。」


戦闘時に、最も邪魔にならなさそうな、左手の中指に指輪を装着すると、シュッと大きさが変わってピッタリサイズになる。


「こんな仕掛けの魔具は一体どうやったら……」


「ご主人様。」


「あ、すまんすまん。また悪い癖が出てたな。」


考察に入り込みそうになっていた俺をニルが呼び戻してくれる。


「属性によって外見を変えてくれる…か。」


単純に魔力を込める…という時は、属性なんて概念は無い。あくまでも、描いた魔法陣が勝手に属性を決めて魔法を形成する。つまり、普通に魔力を込めても意味が無い…はず。


俺は一先ず生活火魔法のヒートの魔法陣を指輪に向けて描く。


「あったかーい。って違うわ!」


普通にヒートが発動してしまった。


思わず一人ノリツッコミまでしてしまったではないか。


「指輪をはめた指で魔法陣を描く…とかですかね?」


「なるほどー。」


多分、ニルさん正解ですね。


左手の中指でヒートの魔法陣を描くと、魔法陣が消え、指輪の中の赤色の魔石が光る。


「おお?!す、凄いでござる!」


「え?何が?」


「す、素敵ですご主人様!!」


「え?!なになに?!」


この指輪の効果…自分で確認出来ない!


インベントリから鏡を取り出して、自分を見ると、髪や眉毛等の色がに変わっている。

顔の部位も若干違って見える…?キリッとした感じになったような…あまり自分の顔をしっかり覚えていないし、何となくだが…


「うわ…なんか変な感じがする……」


突然鮮やかな赤色の髪に変わると、違和感しかない。


「素敵ですよ!ご主人様!当然、いつもの黒い御髪おぐしの方が素敵ですが、赤色の御髪も凄くお似合いです!」


「お、おぅ…ありがとう…」


「ガラッと印象が変わるでござるな…全く別人に見えるでござる。」


「そうか?それなら偽装として使えそうだな。」


闇魔法だけはあまり意味が無くなるが…

ニルの変身魔法の魔具バージョン、といった感じだろうか。

因みに、一本髪を抜いて見てみると、黒色に変わったので、実際に色が変化しているわけではなく、そう見える、というだけの魔具らしい。


尽く俺達の助けになるような物が手に入って、とても有難いが…何故だろうか…?


「思わぬ収穫でしたね。」


「ああ。これでオウカ島から帰った後も動き易くなるな。」


現状は必要無いので、インベントリへ入れておく。


「よし。最後の箱を開けるぞ。」


ガコッ……


一応警戒はしていたが、特に何も起きなかった。本当にボーナス部屋らしい。


「……これは何だ?」


箱の中には、ピンク色よりも少し薄い…桜色の、羽衣と呼ぶような生地が一枚入っていた。


またしても見た事の無いアイテムだ。


【治癒の羽衣…どんな病でも怪我でも、死んでいなければ一度だけ完治させる事が出来る。】


「これまたとんでもないアイテムだな…」


聖女の力もかなりチート級だったが、このアイテムは病まで治してしまう。一度しか使えないみたいだが、最高級のアイテムであることに疑いは無さそうだ。

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