超リアルRPGに転移した

第78話 ライル

「うおぉぉぉぉ！！！」

金騎士を振り解けないと判断した俺は、金騎士を刺したまま、断斬刀を持ち上げる。

ブシュッ！！

大盾が持ち上がった金騎士を貫き、大量の血が頭から降り注ぐ。

生暖かい、ねっとりとした血が顔を上から下へと通り過ぎていく。

上半身が千切れた金騎士は、砂の上にドサリと落ちる。

「くっ！」

ギリギリと断斬刀の上から大盾を押し込んでくるライル。

「大人しく死んでろよ。」

ギャリギャリ！

「っ！！」

大盾を断斬刀で受け止めたは良いが、完全な力比（ちからくら）べの形となってしまった。右手で柄を、左腕を峰（みね）に当てて大盾の圧力に抗ってはいるのものの、徐々に押し潰されていく。

「往生際（おうじょうぎわ）が悪いぜ。」

ギャリ！

「っっ！！」

圧力に勝てず片膝をついてしまう。

パワーでは完全にライルの方が上だ。この状況になってしまってはどうする事も出来ない。

だが、諦める事など出来ず、圧に耐えながらも頭をフル回転させる。どこかに逆転の目は無いかと。

ピキッ！

断斬刀の刃が圧力に負けて欠けていく。

ここまでか…そう思った時。

「シンヤさん！！」

後方、森の中から俺を呼ぶ声がする。

バートの声だ。

「シンヤ…？」

俺とライルの足元に渡しておいた閃光玉がいくつか転がって来る。

「チッ！」

何か分からないアイテムの投擲を警戒したライルが、舌打ちをして後ろへ飛ぶ。

そのタイミングで、閃光玉が強い光を放ち、一瞬で辺りが真っ白になる。

バートの居た場所には既に煙幕が広がっている。アロリアさんに渡した煙幕玉だろう。

「くっ！！」

大盾で光を遮（さえぎ）るライル。光で気が付かなかったが、地面にはデビルツリーの樹液が飛び散っている。閃光玉と同時にこいつも飛ばしたのだろう。

「なんだこの臭いは？！」

強烈な臭いにライルが顔を逸らす。

圧から解放された俺は魔法陣を描いていく。光と臭いの影響でライルが目を離してくれる時間は数秒。ここは威力よりも速さを重視する。

初級闇魔法、シャドウテンタクルをライルの背後に発動させる。

地面から伸びた黒い触手がライルの背後から襲い掛かり、その背中を強く打ち付ける。鎧を身に付けているし、ダメージは少ないが、気を散らす意味では十分だ。

「ぐおっ！」

気にしていなかった背後からの衝撃で、体勢を崩し、意識が一瞬背後に向かう。

その隙を見逃さず、大盾側面に飛び込む。

「っ！！」

ライルの大盾ではこの攻撃を防ぐのは間に合わない。

断斬刀を首元に向かって振ると、ライルは大盾から片手を離し、断斬刀の刃に向かって肘を突き出す。

バギィィィン！！

先程の押し合いで断斬刀が欠けていたのは見ていた。だが、まさか鎧の肘部分に当たっただけで砕けるまでに耐久度が落ちていたとは思わなかった。完全にバラバラに砕け、刃の部分は残っていない。

「はははっ！！」

片手で大盾を振り上げるライル。断斬刀が折れた今、大盾の攻撃を受け止める術は無い。

「死ねぇ！！」

ブォン！！

大盾が鋭く突き出される。

俺の顔面を狙った一撃。これが胴体を狙った一撃ならば死んでいたかもしれない。ライル…いや、竜也は、冷静に見えて焦っていたのだろうか。

上半身を屈（かが）め、迫りくる大盾の下へと体を滑り込ませる。

「なっ？！」

「おおおぉぉぉぉぉぉ！！！」

バキィッ！！

右腕全体に伝わってくる衝撃。

右の拳がライルの頬を捉え、顔面が大きく歪むところが見える。その後、大盾を持ったままライルの体が横に回転しながら吹き飛んで行く。

ザパンッ！

ライルの体は海面に大きな水飛沫を上げて消え去る。

顔面を殴ったが、恐らくあれでは死んでいないだろう。シンヤの体と同等のステータスは持っているはず。気を失った程度だ。

「守聖騎士様！！」

近くに居た神聖騎士団の連中が何人かライルを救うために海の中へと入っていく。

他の神聖騎士団員は、ライルが吹き飛んだのを見て、残った一隻の帆船へと全力で泳いでいく。

逃げてくれるのであれば、これ以上手出しはする必要も無いだろう。

島の事は既に伝わっているだろうし、船を壊せば、行き場を無くした神聖騎士団はこちらへと全力で向かってくる。そうなれば怪我をしたニル、アロリアさん、そしてバートも危ない。

聖魂達の事が伝わらなかっただけで良しとしよう。

俺が戦っている間、他の神聖騎士団員を一人で抑えてくれていたニルを見ると、体力の限界だと、砂浜に腰を落とす。

砂浜に倒れている神聖騎士団員の遺体には蒼色の火がまだボウボウと燃えている。

「はぁ…はぁ…」

「大丈夫か…？」

「はい…」

全身に浅い切り傷や痣が見える。腹の傷も治っておらず、先ほどよりも白布に染み出ている血の量が多い。

「助かったよ。ニルが居なければ間違いなく殺されていた。後は任せて休んでいてくれ。」

「ありがとう…ございます。」

素直に休むとは、本当に最後の一滴まで体力を使い切ったのだろう。

「うううう動くな！！」

上（うわ）ずった男の声。

振り返った先に、ナイサールと、アロリアさんの姿。

バートが居たのだから当然アロリアさんも居るだろうとは思っていたが…

ナイサールは手に小さめのナイフを握り締め、アロリアさんの背後から首に突き付けている。あのナイフもどこかで手に入れたのだろうか。

従者の二人は少し離れた所で顔を伏せてじっとしている。表情を見る限り、既に死を覚悟している様に見える。

「…………」

「ううう動いたらこいつを刺すである！ブヒィ！」

「動いてないだろ。」

「うううるさいである！！」

「…………」

こういう状況に慣れていないのだろう。自分のしていることにも緊張し、目が泳いでいる。変に刺激するとアロリアさんが危ない。

「こここれで俺様は幹部確定である！見て下さい聖騎士様！！」

既に吹っ飛んでここにはいないライルを呼んでいる。

「ブヒッ…聖騎士様はどこに…」

きょろきょろと回りを見渡すナイサール。

その背後から近付いてくる小さな影。

「…………」

ナイサールに捕まっているが、アロリアさんの顔は恐怖で歪んだりはしていない。俺が小さく頷くと、アロリアさんも返してくれる。

「母ちゃんを離せぇ！！」

ガンッ！！！！

「ッ！！！！！！！」

バートが背後から近付いていた事にも気付かず、真後ろからの蹴り上げを股間に受けるナイサール。

子供が大人に大打撃を与える有効手段の一つとして教えたのは俺だが、実際に見ると内股になってしまう。ナイサールも当然内股になり、声が出ていない。

「はぁ！」

アロリアさんは即座にナイフを持ったナイサールの手を掴み取り、体を捻りながら拘束から逃れ、そのままナイサールの腕を捻り上げる。

「ブ……ヒ…」

手に持っていたナイフはサクッと音を立てて砂の上に突き刺さる。

「バート！」

アロリアさんは落ちたナイフを拾い上げて、バートと共に俺達の方へと走って来る。

完璧だ。今まで一日も欠かさず護身術の練習をしてきた成果が今発揮された。

バートの繰り出した最初の一撃でほぼ決まっていた様にも見えたが、ナイフまで取り上げられたのは二人が真剣に取り組んできた練習の賜物（たまもの）だろう。

「ブ……ィ……ヒィ……」

未だ男性ならではの痛みに体を硬直させているナイサール。

下手な事は考えず、素直に帆船を目指していれば、今頃撤退していく帆船に同乗して大陸に戻れていただろうに。

欲の出し過ぎで、自分で自分の首を絞（し）める事になるとは、馬鹿な奴だ。

動くことも出来ないナイサールにもう一度身体検査を施し、他には何も隠し持っていないことを確認した後、縛り上げる。

「お前達も大変だな。流石に同情するよ。」

ナイサールの従者二人に声を掛けると、何も言えないと顔を伏せる。

この島に危機を持ち込んだナイサールを許すわけではない。本当はこのまま殺しても良いとさえ思うが、ここでこの男を殺すよりも、生かしておいた方が得られるものが多い。情報収集の意味で、神聖騎士団に繋がりを持っていたナイサールはプリトヒュに引き渡したい。あの通信機器の事も聞けるかもしれない。

口と目を縛り上げ、従者への命令を出来なくした後、デビルツリーにしっかりと縛り付ける。

「んーー！んーー！」

やっと股間の痛みが引いたのか、縛り付け終わるころには暴れていた。

「お前達も縛るが…良いな？」

従者二人は素直に頷き素直にその場で膝をつく。

しっかりと縛り上げた後、声が届かない所まで離れる。

ピコンッ！

【イベント完了…神聖騎士団を追い返した。

報酬…薄明刀

報酬はインベントリに直接転送されます。】

「もうこいつらにはどうすることも出来ないとは思うが、ニル達で見張っていてくれ。俺はベルトニレイと話をしてくる。」

「分かりました。」

ナイサール達を任せ、俺一人で境界線の内側に向かうと、ベルトニレイが既に待っていてくれた。

「ベルトニレイ…すまない。この島の事を知られてしまった。完全に俺のミスだ。」

「シンヤのせいではありません。あの縛り付けた男が元凶でしょう。」

「俺の考えが甘すぎた。もっと厳しく見ておくか、殺しておけば、神聖騎士団の連中が来ることも無かったはずだ。」

「あれがシンヤ達の戦っている神聖騎士団ですか？」

「…そうだ。数も多く、しつこい連中だ。また遠くないうちにこの島に来るだろう。本当にすまない。」

「聖魂の事は気付かれていないのですよね？」

「ああ。それだけは阻止した。一人も森の中には入っていないし、絶対に気付かれていない。」

「そうですか。それならば問題ありません。」

「問題無い？この島の存在に気が付かれたんだぞ？」

俺の質問に、分かりにくい微笑で返すベルトニレイ。

「付いて来てください。」

ベルトニレイはそれだけ言うと、島の中心にある大きな山に向かっていく。

指示通り後を付いて行くが、この山に何かあるのだろうか？

上には登らないようにとだけ言われていて、頂上は見たことが無かったが…

山の側面にある細い、道とも呼べない足場を登っていくと、やっとの思いで頂上に到着する。

「おぉ…頂上はこんなことになっていたのか…」

山頂には下にある泉よりも少し大きい、茶色の石に囲まれた泉があって、その中心が湧水によってポコッと盛り上がっている。

泉の周囲には草木は生えておらず、澄んだ水が違和感を感じさせる。

「少し揺れますから、落ちないでくださいね。」

ベルトニレイが手の先から光の粒を出し、キラキラと泉の中心に向かって流し込むと、地面がズズズズと揺れる。

「おぉぉ？！」

「大丈夫です。見てください。」

揺れが収（おさ）まってきたところで、ベルトニレイが指さす方向を山の上からのぞき込むと、島全体が見える。

楕円形（だえんけい）の島の中心が、今俺達の居る場所で、それを囲む色とりどりの実をつける木。その外側には、デビルツリーの葉が茂（しげ）り、蛍光色の緑色が広がっている。その外側は砂浜、そして海に繋がっている。

ベルトニレイが指さした方向を見ると、水中に何やらデカイ物が動いている。

「あれは……」

観察していると、それが水面に持ち上がり、海水がザバザバと表面を流れ落ちていく。大きな岩にも見えるが、その側面の一部が開き、とてつもなく大きな目が現れる。

「まさか…」

「はい。この島自体が、実は聖獣なのです。」

これはよくあるやつだ！島が実は玄武（げんぶ）と呼ばれる亀で！

と、思って島の周囲を見たら、全く想像していなかった全体像が目に入って来る。

島の周囲に細長い足が全部で八本。それがわしゃわしゃと動いて島全体が動いていく。

「ヤドカリ…だと？！」

島はヤドカリの宿（やど）だった。

「この子はミッパート。私の次に長く生きている子です。」

「おぉぅ…」

確かに凄い奴だが…こいつは聖獣というのだろうか…？獣では無い気もするが…細かいことは気にしないでおこう。

「なるほど。このミッパートが居れば、島自体が見付かっても移動してしまえば関係ないわな。」

「はい。これで大陸の近くまで送ります。」

大陸から脱出した時も、このミッパートに乗って移動したのだろう。簡単に見付からないわけだ。

「助かるよ。これで本来の旅に戻れる。」

「いえ。私達も助けられましたから。」

「元を辿れば、俺達がこの島に来てしまったことが原因なんだ。」

「だとしても、あなた達が居なければ、聖魂達が見付かって、どうなっていたか分かりません。」

「……そう言ってくれるのか。」

「事実ですから。感謝します。」

返す言葉が分からなくて、何も言えないでいると、ベルトニレイが泉に近付いていく。

「シンヤ。こちらへ。」

「？？」

ベルトニレイの言う通り、俺は泉に近寄る。

「私達を助けてくれた感謝の気持ちとして、シンヤを信用し、この力を授けます。」

そう言ってベルトニレイが俺の左手を取り、泉の水に触らせる。

ベルトニレイの手がほんのりと白く光り出すと、泉の中から同じような光がいくつか登ってきて、俺の左手に集まって来る。

全ての光が集まると、左手からゆっくりと腕を伝って這い上がって来る。嫌な感じはしないが何が目的なのか分からない。

何かをくれるらしいし、悪いようにはされないだろうと黙って見ていると、光が徐々に二（に）の腕（うで）を一周するように巻き付いていく。

二の腕に巻き付いた光は、形を変えていき、最終的に俺の二の腕に定着する。

見た所、最終的に形作ったのは文字のようだが、見たことが無い文字だ。魔法文字とも違う。

白く光っていた文字は徐々に輝きを失っていき、最終的に黒く残った。

見た目は、二の腕に一センチ幅で巻き付くように刻まれた、タトゥー。

痛みも違和感も全く無い。

「これは…？」

「シンヤが聖魂魔法を使えるようにする為の紋章です。」

「ぅえ？！俺には使えないんじゃなかったのか？！」

「正確に言えば、その紋章を刻んでも使用は出来ません。」

「？？」

なんだ？俺遊ばれてるのか？

「自身で展開し発動させることが出来ますが、私を通して、この島の子達の力を借りられる。という事です。」

ベルトニレイが言っていることはつまり、こういう事だ。

通常の魔法の様に、自分の魔力を消費して、魔法陣を通し、魔法を放つ。これが魔法を使用するという事だ。

しかし、左腕に刻まれた紋章は、俺とこの島に居る聖魂を、ベルトニレイを通して接続し、その聖魂の力を貸し与えて貰い、魔法として放出するためのものである。要するに、自分の力ではないため、この紋章を通して発現する聖魂魔法は、聖魂の力に完全に依存する。ということだ。

それはベルトニレイの言うように、使用するという表現より、借りるという表現の方が正しいだろう。

「借りられるだけで十分凄いと思うんだが…」

「シンヤには、聖魂魔法の適正が有るので施せた紋章です。必ずやシンヤ達の力になってくれるでしょう。」

「俺なんかが授かって良い物なのか…？」

「そう思えるシンヤだからこそ授けたのです。しかし、使用は一日に二回までにしてください。聖魂魔法は本来、人には使用出来ないもの。無理に力を使おうとすれば、その反動は必ず自身に返ってきます。」

結構危ない物を貰っていた？！

まあデメリットよりメリットの方が大きいし、回数さえ気を付けていれば問題は起きないか。

「ありがとう。賢く使うように心掛けるよ。」

「はい。」

使い方については、一応ベルトニレイにその後聞いたが、使用方法や効果は魔法書を使った時の様に頭の中に流れ込んできていた。

「大陸まではどれくらい掛かるんだ？」

「そうですね…ミッパートの速度ならば、明日の朝には。」

どれだけ大陸から離れているのかは分からないが、近くは無いはずだ。

ミッパート君、物凄く速い…？ヤドカリとか言ってごめんなさい。

「それなら、明日の朝まで、境界線の外でナイサール達を見張っているよ。あいつらは逃がしたくないしな。」

「そうですか…」

少し歯切れの悪い反応を示すベルトニレイ。

「ニル達には後で皆に別れを言うようにするよ。」

「…ありがとうございます。あの子達も喜びます。」

ベルトニレイは、優しく、聖魂達を守る為ならばどこまでも厳しく、そして…やはり優しかった。

ベルトニレイとは山頂で別れ、山を下った所で、集まっていた聖魂達に別れを告げる。

フーとクーを含めて、皆行かないでと泣きついてきて、言い聞かせるのに随分と時間が掛かった。これはニル達が別れを告げに来た時は号泣（ごうきゅう）して大変な事になりそうだ。

なんとか皆に言い聞かせた後、やっとの思いで境界線を越える。

目隠しはしているものの、ナイサールが居るため、腕に刻まれた紋章をしっかりと隠し、ニル達と合流する。

「先程大きな地震がありましたが、大丈夫でしたか？！」

ニル達にはこの島が動いている事が分からないらしく、ただの地震だと思っているらしい。

ナイサール達から離れ、先程あった事を話す。後に三人で別れの挨拶に行くようにとも伝える。

腕の事についてはニルだけに話した。知らないなら知らない方がアロリア達のためだ。

ニル達を送り出し、ナイサール達が見える位置に腰を下ろす。

考えないようにしていたが、こうして落ち着いてしまうと、直ぐに考えがそっちの方向へと引っ張られてしまう。

ライル。恐らく中に入っていたのは竜也だろう。あいつもこの世界に来ているとしたら…優希も来ている可能性がある。いや…考えすぎか…？

そもそもあれが竜也であるというのも俺の思い込みの可能性だってある。

だが、あの表情、喋り方、仕草（しぐさ）…どこを取っても竜也を思い出す。

しかし、渡人が他にもいる事については考えていたが、ピンポイントで竜也がこの世界に…？

考えても答えは出ないと分かってはいるが、どうしても考えてしまう。

違う事を考えよう。

今回ナイサールの呼びかけに答えた神聖騎士団。ナイサールがそんなに重要だったのか？

それならばもっと躍起になってナイサールを取り返そうとしていたはずだ。そんな素振りは見せなかったし、ほとんど蚊帳（かや）の外。撤退もナイサールなんて最初から眼中に無いとでも言いたげにさっさと帰ってしまった。

ナイサールを俺が殺さずにいたのは、あくまでも武器を持たない非戦闘員であるからという理由からだ。特別に生かしておきたからという理由ではない。言ってしまえば、奴が生きているのは、ただの運である。

ナイサールが目的ではないとするならば、奴等の目的は…聖魂か？だが、この世界に聖魂に関する記述は無いはず。

ではこの島が目的か…？新しい資源を探していたとか…それは考え難いな。

ナイサールが俺やニルの事を話して、俺達を目的に来た可能性は…無いか。俺やニルの事を目的にしているようには見えなかった。