桜の下で...

Eri

第1話

 Pipipi...Pipipi...

 目覚ましが鳴る。


「葵?...ねぇ、葵!」

 葵を起こそうとする美咲。


「あと5分…」

 眠くて布団を被る葵。


 私、仲村美咲18歳。


 いま隣で寝てるのは、幼馴染の葵。


 私の両親と葵の両親は一緒に出かけることが多く、

 今回は一緒に旅行に行ってしまったため、仲村家の美咲のベッドで葵が寝ていたという事になる。


「いつまで寝てるの?もう朝ですよー」


 約束通りの5分が経過し、カーテンが開けられ陽の光が差し込み眩しくて俺は目を覚ました。


「やめろよ・・・眩しいから。起きる起きる」


「葵、起きないから朝ごはん作っといたよ。学校行こう!」


「え、今日何曜日?てか、今何時?」

「今?朝の8時だね。だから、早く朝ごはん食べちゃって。先生には朝練休みますって説明してあるから」

「ああ、はいはい」

 葵は、朝御飯のトーストと目玉焼きを平らげ、美咲とともに家を出た。


「なあ、美咲。」

走ろうと思って急いで家を出ようと思った美咲。

だが、何かを言おうとする葵が居た。


「何―――?」


「今日の放課後、残ってて欲しいんだ。待っててくれるか?」

「あ、うんわかった。教室でいい?」


「いや、桜の下。―――校門付近の坂のところに桜の木があるだろ?一番大きなやつ」

「うん、あるね」

「あそこで待っていて欲しいんだ」

「わかった」

美咲と葵は歩きながら口約束をし、靴箱の前で別れた。




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