23 窮地

腕時計のアラームが鳴り、リセット・モードが迫る。


スライム出現、分裂。そして、いつの間にか、戦闘ターン多くなってた。ダンジョンに居る時間が長い程、リセットモードは発生する。しかもBGMがうるさくて全く気付かなかった。蓮賀さんが、教えてくれなかったら手遅れだった。


ここで、コハルちゃんに、弓矢を撃つように指図する蓮賀さん。言われた通り撃つと・・


(ガシャン!)

音がして、うるさいデスメタルBGMが止まった。どうやら音源を壊したらしい。


俺は思い出す。腕時計のアラームが鳴ったら、~渦~の開発者に探索され始めた事を示す。そのまま真っ赤になれば、この場所は、完全にリセット・モードの候補になるため、危険すぎて、2度と、このダンジョンには入れない。


ダンジョンの奥も永遠に未知になり、飛ばすことになる。これが、ゲームだったら、リセットして、セーブから、やり直す方法があるけど、ここは現実。今すぐこのダンジョンを脱出するしかない!


「早く出ましょう!」

俺は慌てる。


「待て!」


蓮賀さんが叫ぶ。なんで?ん?コハルちゃんを見ている。目を瞑ってる。かわいい・・。いや、何かに集中してる・・でも、だからって、脱出する以外に他に方法があるの?


「もし、リセットモードに入ったら、これを使え」

蓮賀さんが俺に渡すのは、非常口?あれ?この前使ったはずだけど・・。


「・・どこでこれを?」


「それは後だ。今、コハルに狙ってもらう」

狙う?まずい。時間がない。赤くなるまであと、数分だったような?


やがて、コハルちゃんは、弓矢を撃った。


すると・・


(どん!)

大きいスライムが落ちてくる!なんだ?


「お見事!」

スライムの上に乗ってたのは、・・何故か、おっさんだった。

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