弐章 ~渦~

21 目標

「ゲームセンターへ行くことにする」

俺(堀田)は、蓮賀さんの言葉に、耳を疑った。遊ぶって事?まさかな。でもコハルちゃんが一緒ならありだな。横目で見る。なんだか、どんどん大人らしく綺麗になってるみたいだ。この前会ってから、1週間が経った。悲しい出来事もあったけど、皆ゆっくり休養して、心も体調も整ったし、だからこその・・


「ゲーセンですか?」


「ああ。コハルの提案だ」


「え?マジですか?」

意外だ、まさかのコハルちゃんから言ってくるなんて。でも思えばずっと戦いとか、大変だよね。JKには、もっとやるべきことが、あるはずだ。それは、遊びや、勉強だったり、恋愛・・だったり!


「あたし、弥子に呼ばれてるんです」


理由は親友を助けるため。それは大事な事だ。


「新しい基地が見つかったことだし、それにゲーセンにも用があるんだ。行ってみよう」


そのまま蓮賀さんに着いていく。あの漫画喫茶の基地は、リセットモードの候補にされて、もう行けないらしい。俺には意味が解らないけど・・。仕方ないよな。


「久しぶりのダンジョンだけど、大丈夫か?」


え?ゲーセンって遊びじゃないの?ガチダンジョンかよ!命がけじゃん!


俺は、1週間前から、家でグータラの、お決まりの日々に戻ってた。そのせいで、身体のバランスがまだおかしいのに、急にバトルって?!でも、良いことは、~渦~、内のレベルなどのステータスは、変わらないから、現実でサボってても引き継ぐらしい、良かった。リアルなら、また1からやり直しになってるだろうに。・・いや良くないか。やっぱり怖い。この緊張感、思い出してきた。


―――ダンジョン へと入る。

どんな場所なんだろう?入りたくないんだけどなあ・・。1週間ぶりに、トラウマの、腕時計を付ける。ああ・・。


中に入ると、1番気になるのはBGM、うるさい!これは確か ~渦~ のデスメタルBGM。音が聞こえない。中は洋館の廊下。いきなりアイテム落ちてる。回復液を入手。なんだろう?うるさいし、変わったダンジョンだな、と思って、蓮賀さんを先頭に歩いて行くと、今度は、宝箱。中から100L。なにこれ?今のところダンジョンらしくない。次は扉、開けると


「?」


中の広間には、宝箱が3つ、いや、奥には暗闇で、見え辛いけど、もっとあって、1個1個、離れておいてある。これって?正直取りたいのは山々だけど。罠じゃないの?でも、とりあえず目の前のは取ってもいいよね?回復液(大)を手に入れる。おお凄い!初めての大。良いものが入ってるなあ。それじゃあ、次は離れたあの宝箱!と思うと、


「!?」


蓮賀さんが俺を避ける。降ってきたのは目玉が中にある、スライム×2。BGMがうるさくて気付かなかった!危ない!

このモンスターはどこかで見たことがあった。

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