レベル1から始めるしかない!現実にモンスター現れたら、あまりにも強すぎた!

沢山そらい

~壱~ 戦う一般人

1 バトル?魔法?いや、逃げます!

「!?」


真っ赤で大きな人。身長2m。頭に生えた不揃いの角。横幅も大きく、

人間で言うところの、腹回りが膨らんで、まるで肥満メタボ。顔はサメみたいで、無感情な目と、口は広く、牙がのこぎりのよう。


「う・うわ!?」

驚いて、直ぐに部屋に戻って鍵を閉める。


「はあはあ」


さっき見たのはなんだ?テーブルの下に行って隠れる。そういえば・・?何処かで見たことがある。思い出していると、


(ドン!)(ドン!)


部屋のドアを、モンスターが壊そうとしている。衝撃と共に歪んでいく。

慌てて、スマホで110しようと、部屋を探す。その時、ドアに穴が開く。そこから手を入れて鍵を開けている。それを見て、もう駄目だ、と思い、部屋の窓から外へ出て逃げる。近くに交番があるから、そこへ逃げようと。


―――しかしそこは、住宅街ではなかった。茶色い壁、石作りの地面や天井。かび臭くて湿っている感じ。暗くてよく見えないけど、前はトンネル状の通路になっていて、ダンジョンのようだ。夢を見てるのか?と思ってると、ドアを開けて、部屋にモンスターが侵入する。


「わああ!」


慌てながら、部屋に散らかった、ゴミの中から何かを持って、ダンジョンへと逃げ出す。外は本来、住宅街のはず。でも気にしてる場合じゃない、モンスターが走って追ってくる、早い!

 夢中で通路を、走り逃げると、広間に出る。学校の体育館ほどの広さ。見ると、奥に扉がある。急いで向かうと、後ろから音が。振り返って見ると、モンスターが空を飛んでいる。その羽ばたきの音。その動きと速さに付いていけない。余りの怯えで、つい転んでしまう。鋭い牙の生えた口を広げ、噛み付く攻撃で、のど元を狙う。


しかし、目の前まで迫っていた、モンスターが横に吹き飛んだ。


「え?!」


何が起こったのか確認すると、弓矢がモンスターの胸に刺さってる。



「大丈夫?!」


さっき入ろうとした扉から声がする。そこには女子高生らしき子が立っていて、手には弓矢を構えている。


「??」


「早く立ち上がって!」

JKは言う。


モンスターは刺さった矢を、腕で抜くと、起き上がる。再び矢を撃つと、腹に命中して怯む。でも倒せない。再び、弓矢を構えようとするけれど、その間に体勢を整えて、JKに向かって殴った。防御の姿勢は取ったけど、ダメージはあって、倒れる。


「いたっ!」


それを見て、


「あ!何するんだ!」


俺は怒って立ち上がる。何か武器は無いかと思い、部屋を逃げる時、持ったモノを手に取る。しかし、それはアイドルのポスターだった。


「なんでこんなものを・・」


がっかりしてると


「それで斬って!」

と腕を押さえながら、JKが言う。


「え?」


「武器なの!」


何言ってるんだ?と思うけど、またモンスターは、JKを攻撃する気だ。だから言われた通り、向かって斬る。


「うあー!」


怖くて目を瞑ってしまった。攻撃ミス。そして、モンスターの反撃を受ける。胸にもの凄い衝撃!


「!!」


痛い!ってもんじゃない!思わず、うずくまる。け・・・ケガした!痛すぎる。冗談じゃない。死んでしまう!やばすぎるこんなの!


「痛い。痛い!・・逃げなきゃ!」

逆方向に逃げる。


「待って!」

JKが来て、俺に小瓶の液体をかける。


「なにするんだ!?」

しかし、痛みが引いていく??


「な・・なに?」


「きちんと目を開けて攻撃して!」

怒られる。


「でも、怖いよ!」


「それは私だっておんなじ!」

そう言われて、モンスターを見ると、身体から矢を抜こうとしている。


「今 攻撃して!」


「えーい!」


目を開けて、ポスターで攻撃。こんな子供の遊びの様な、攻撃が効くと思えないけど。

肩に命中すると、胸にかけて白く傷を付けた。斬れた?効いてる!

でもその後、反撃を喰らう、身体に凄い衝撃と痛み!


「!!」


苦しくて倒れこむ、動けない。意識も朦朧とする。もう駄目だ。なんで、こんなことに、許してください!助けて!


「・・なんて強いの」


JKも距離をとりながらも焦っている、弓矢を撃って、再びモンスターの胸に命中させると、ダウンさせる。

その間に俺のところへ来て、またさっきの液体(回復液)をかけてくれる。痛みが引く。

・・けど、もう嫌だ!ダッシュで逃げ出す!冗談じゃない!


「ま・待って!」


嫌だ!もう知らない!モンスターは俺を追ってくる。


「こっちに来るな!助けて!」

全力で逃げると、さっきJKの出てきた扉へ走る。その時、


「お願い!立ち止まって、モンスターを見て!」


と言われる。怖くて見たくなかったけど、JKが気になって、嫌々見ると、

モンスターは突撃しながら、羽を羽ばたかせて飛ぶ、そして口を、大きく広げて俺に噛み付く。


「うわあ!」

だから見たくなかったんだ!恐怖で、悲鳴を上げながら、気を失った。

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