第102話 次は何する?

 TDLを楽しんだ後は、香織に連絡を取ると初回の放送が想像以上の好評で、プロデューサーさんと、メインスポンサーの方達と食事会と言う名の飲み会に誘われてるので、明日戻る事にするという事だった。


 それなら俺と飛鳥も今日はこっちでもう一泊して、明日一緒に戻ろうと言う事になり、そのままの流れで東京に戻り3人でホテルのディナーを楽しんだ。


 晃子を家に送り届けた後は、飛鳥と二人でホテルのスイートルームに宿泊をした。


「パパ、ママの話を聞いて少しは安心した?」

「ああ、そうだな。安心したよ。杉下さんって言う担当さんの事は飛鳥は知ってたのか?」


「うん。話は聞いてたよ。一緒に食事とかはまだ行って無かったけどね。私がパパの所に行こうと思たのはそれもあったんだよね。相手の人にも子供が居るって事だしね」

「そっか。でも、俺は素直に飛鳥と一緒に暮らせる事が嬉しいぞ」


「パパ。ありがとう」

「でもさ、テネブルの世界って今後の目標は何になるの?」


「そうだな、俺は最初の頃に漠然と強くなってマリアを守りたいとか。魔法薬を作れるようになりたいとか思ってたけど、俺達って猫とか鳩とかじゃん?」

「うん。そだね」


「魔法薬造りとかは、どうしても人間の手の細やかな動きが出来ないと無理だって解ったから、俺じゃ知識があっても完成できないし、チュールちゃんの応援をするしか無いな。古代魔法の方なら俺達でも何とか出来そうだけど」

「ねぇ、パパ? 私達って向こうで出来る事は基本こっちでも出来るよね?」


「あ、ああ。そうだな」

「こっちでは普通にパパも私も人間じゃん?」


「あ! ああ、そうか。こっちで作るなら俺でも出来るって事か」

「そう! 出来そうでしょ?」


「そうだな、魔素の問題とかはあるけど、魔石を大量に持って帰れば魔素の問題もクリアできそうだしな」

「明日帰ったら、マリアちゃんの所に寄ってサンチェスさんに魔法薬の錬金セット揃えて貰おうよ」


「解った、ちょっと楽しみが増えたな」


 ◇◆◇◆ 


「おはよう。俊樹兄ちゃん。昨日スポンサーさんとかにさ、凄い褒められたよ」

「そうか、でも投稿小説サイトの会社なんだよな?」


「うん。昨日は特に月間ランキングと四半期ランキングで一位、二位の二人の先生が元夫婦だったって言う、衝撃的な事実とかをさらっと放送する、放送事故に近い展開もあったしね」

「明らかに狙ってたよな晃子……」


「でも、憎しみあってるとかじゃ無いから別にいいじゃん」

「まぁな。飛鳥と香織が居てくれるから、俺は何があっても頑張れるぜ」


「へぇ? 私もちゃんと役に立ってるのかな?」

「勿論さ。香織は今の俺には必要な存在だ」


「ヤダ、いきなりそんなの真顔で言われると照れるよ」

「イヤか?」


「イヤじゃないよ、嬉しいよ。ありがとう俊樹兄ちゃん」

「パパ、朝からなんか全開でピンク色のオーラ出してるね」


「ああ、なんかスマン飛鳥」

「そう言えばさ、7チャンネルの掲示板が凄い盛り上がってるの知ってる?」


「イヤ知らなかったけど、どんなネタだ?」

「昨日の俊樹兄ちゃんと晃子さんの会話であったでしょ? テネブルは本当に向こうの世界に行ってるかどうかって話だよ」


「信じる奴いるのか?」

「夢一杯だからね」


「一応なその対応は、坂口さん経由で整合を整えてあるんだよ」

「え? そうなの? どんな風に」


「俺達の会社に毎月凄い額のコンサルティング料がはいって来てるだろ?」

「そうだね」


「それを無人島を一つ丸ごと使ってさ、異世界テーマパーク作る事にしてて、そのイメージパースって扱いだな」


「凄いね。それ実現しちゃったりしたら、めっちゃ流行りそうだね」

「無人島だから、前にハリウッド映画で恐竜物のがあったじゃん」


「超有名作じゃん」

「あんなのりで出来たらいいんだけどな」


「広さとか次第だよね」

「まじで、転移門とかで東京辺りから、繋げてしまったりしたら凄いだろうけどな」


「それは、どうなんだろ凄すぎて怖いね」

「平和な現代じゃ無理だけど、坂口さんとこのご先祖様って竜馬さんじゃん。岩崎さんの世界のダンジョンは竜馬さんが作ったらしいから、そんなに非現実的でも無いみたいなんだ」


「ちょっとだけドキドキするけど……まさかこの世界にダンジョン発生させるの?」

「やりかねないよな。俺達の存在は、ストッパーとして必要だろうし、一定の距離を保ったまま付き合うよ。岩崎さんも月一くらいで様子を確認してくれるって言ってたし、竜馬さんが信用できないんだって」


「そうなんだ。ねぇ俊樹兄ちゃん?」

「あの勇者達で一番強かったの誰なの?」


「あー、どうだろうな。みんな俺よりは超強いけど。自信の程の感じだと、心愛ちゃんかもな」

「まじで?」


「フュージョンしなかったら全然敵いませんよ。って言ってたから、したら敵うって事だろ? 心愛ちゃんの性格上同じくらいなら敵うなんて表現使わないから、きっと楽勝レベルなんじゃ無いか? って思う」

「そうなんだぁJK恐るべしだね。飛鳥ちゃんは随分仲良くなってたから、結構能力使える様になってたりとかあるの?」


「へへぇ。まだ内緒です。香織姉ちゃんに危機が訪れたら使うかもね?」

「本当に、能力手に入れてるんだ……」


 そんな会話をしながら、小倉に無事に戻った。


「今日はこのままマリアの所に行きたいけど、どうする?」

「勿論行くよ!」


 帰るとすぐに地下室へ向かって、総司爺ちゃんに挨拶をすると青い扉を潜ってマリアの世界へとやって来た。


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