異世界スナイパー ~元 武器商人、異世界で売る側(商い)から使う側(利用者)に~(休止)
山鳥 雷鳥
序章 敗戦直前
第1話 始まり
澄み渡る空気の中、青年は空を見る。
ヒュウウウ、
するとタイミングよく気持ち良い風が吹き始め、青年の頬を撫でる。
「やっと、ここまで来たか」
青年はその気持ちよい風を受けながら、風に触れる被っていたフードを抑え、その高い大地から広い世界を視る。
「私が生きていた時にはこんなことは無かったんだがな」
青年は数か月前のことさえも感慨深く、思いながら自身の体をまじまじと見る。
「それにこんな物の私のいた時代にはまだ、こんなに画期的なものではなったよ」
そう青年は言いながら外套の内側に隠れ、腰に掛けてある一つの黒い塊。
現代男子なら一発で噛みついてきそうな程の造形、そしてどこか触ったことがあるような握り心地、そして細かく描かれているディティールが更に黒い塊の造形をカッコよさを増している。
「まさか、『銃』がここまで進化しているとは………」
しみじみと青年は腰に掛けてあった銃、グロック19を触りながら過去の思い出に浸る。
(あの時は、まだカートリッジ式をやっと導入し始めたばっかりで何発も連続に撃てなかったからなぁ。それに、何しても軍事転用で面白くは無かったし、何しろ辛かったからな)
青年はそう思いながら、次には肩にかけてある大きな銃を見る。
先ほどのグロック19並みに細かい造形に、男心擽るディティールがさらにリアリティを増しており、それに先ほどのグロック19に比較にならないほどのサイズ。それに加わるかのように本体には見た事もないレンズのようなものが仕込まれている。
「L96A1………か」
青年はそう言いながら背中に背負っている大きな銃、いや、スナイパーライフルの名前を言う。
青年は背中に掛けてあったスナイパーライフルをちらっと見ると、すぐに目の色を変え、その場を歩き出した。
「そうだ、僕はこんな所で銃を愛でている暇なんてないんだ」
心の中を入れ替え、青年は高い丘を登ることを再開した。
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