第19話 温水プールで弾けたら衣も弾けて(後編)


前書き


割とあっさりとしたイチャツキ要素




第19話 温水プールで弾けたら衣も弾けて(後編)


休憩所に戻り森の薬屋さんのお弁当や飲み物を出す。これだけじゃ足りなそうだからテナントのお店でも何か買った方が良さそうだ。何件か屋台風の飲食店を回る。


里乃愛「真樹くん、このお店の美味しそうだね♪」


真樹「これはケバブ屋さんだね、皆で言う所の異国の伝統料理だよ」


翠「このケバブ丼おいしそ~!」


店主のサービスで少し味見させてもらえたが濃厚なソースも新鮮な添えた野菜も美味しい。これは人数分買いだな。ご飯ものが増えてきたな、完食できるか少し心配だ。


咲桜里「お兄ちゃん、夕食の後はゲームセンターでアーケードゲームしよっ?」


想里愛「あたしはエアホッケーしたいです♪」


食後にも楽しみが一つ増えて良いことだ。果物屋で直搾りのジュースも買いに行く。僕はメロンを選択してみた。韓国のキムチ屋もあったので購入する。ケバブ丼に乗せるのもアリなのかもしれない。


咲桜里「お兄ちゃん、あたしアレも食べたい♪」


焼肉屋の牛タンの串刺しだ。ネギ塩をかけてあるものを人数分購入する。これは精が付きそうだ。厚みもあり食べ応えも満点だろう。紙容器での焼き肉のたれも多めにもらえた。


里乃愛「いただきま~す!」


翠「かぁ!温水プールあがりの一杯は格別だね~!」


咲桜里「翠ちゃん、良い飲みっぷり~!」


確かに長めにサウナにも入ったからなぁ、水分補給は大事だよね。

森の薬屋さんの栗弁当も栗の味が良いな、大きさも充分でしっかり栗弁当を食べた感じがする。

ごはんと合わせて牛タンの串に食らいつくがこちらも美味しい。塩分の摂りすぎみたいで喉は渇くが飲み物が美味しくなるし大丈夫だろう。


想里愛「真樹さん、あたしのイチゴジュースと交換してみませんか?♪」


真樹「いいね、想里愛の選んだイチゴジュースすごくおいしいよ♪」


想里愛「えへへ、よかった・・・♪」


美味しく夕食の時間を過ごす。ガラスに映るバイキング船には早めに夕食を済ませたであろう客が波に揺られている。設置されたベンチにサングラスをかけて休む客もいる。僕もゆっくり休んでみたいものだ。

演出なのか天井から雨が降っているようだ。所謂難破船か、手の込んだ造りに店側の努力を感じる。


真樹「夕食美味しかったね」


翠「うんうん、ボク大満足だよ♪」


里乃愛「お店で食べるのも美味しくて良いね♪」


しばらく休憩所の大型テレビのバラエティー番組を見て過ごす。そろそろお腹も落ち着いた頃だろうか。


咲桜里「お兄ちゃん、そろそろゲームセンターいこっ♪」


咲桜里の先導で夜のゲームセンターに入っていく。おお、都合良くエアホッケーが空いているぞ。じゃあいつ遊ぶのか?今でしょ!


真樹「この硬貨をそこの間に入れてみてごらん」


想里愛「はい真樹さん♪あっ・・・始まった~!」


空気が勢いよく出てエアホッケーが始まる。というか強すぎてスカートの子がめくれ始める。


里乃愛「ちょっと、あたし片手でやらないといけないの?」


翠「まあ、持てるのは1つだけだし片手でもなんとかなるよ」


スカート組の二人には厳しいハンデだ。僕が手加減しなくては・・・

なぜか僕vs美少女四天皇の構図ができあがる。僕は二刀流で対峙し・・・いざ勝負!


咲桜里「えいっ!」


想里愛「こうかなっ?」


彼女達が腕を振るう度に胸もぶるんぶるんと揺れて勝負に集中できない・・・。圧倒的敗北を喫する僕。後悔はまったく無い。長い髪も風で優雅に揺れて良い絵になっている。エアホッケーもありだな。


翠「ふふ、真樹に勝ったよ♪」


里乃愛「風にはやられたけど・・・楽しかった♪」


想里愛「真樹さん、あちらのゲーム機は何をするゲームなのですか?♪」


真樹「あれはメダルゲームだね・・・少し遊んでみようか?」


咲桜里「ふふ・・・この勝負師さおりに敗北の文字はないんだよっ?♪」


ノリノリでメダルに交換してくる咲桜里。おお、座った台は兄マロッタだ。特徴としてはハイリスクハイリターンであり運が良ければ何百倍ものメダルが返ってくる・・・勝負師に相応しいゲームだ。他の子は咲桜里の勝負を見守るそうで僕も一緒に見守る事にする。


咲桜里「この兄祭り~ってゲームやってみるね!」


里乃愛「わっ!お兄ちゃんがいっぱい出てきた!」


神輿を担いだガタイの良いお兄ちゃんが神輿を振るう度に上に乗った兄が箱に入った番号玉を落とす。この出る数字を予想して賭けるゲームのようだ。


翠「わっ!またお兄ちゃんが増えたよ!」


説明書きを見ると兄祭りフィーバータイムとある。いつもより多くの番号玉を落とすようでサービスゲームのようだ。次々と賭けた数字が埋まっていく。


想里愛「やった!20万枚当たったよ!」


ふぁっ!?恐らく万単位の確立を引き当てた結果恐ろしい数値がクレジットに追加されていく。おいおい、元々のベット数はそんなにないぞ。とんでもないハイリターンだ。しかし勝負師の野望はこの程度では満たされない。


咲桜里「ふふん、こんなのまだ序の口よぉ。ここから全賭けでミリオン達成してやるわい!(勝負師顔)」


想里愛「ちょっと止めなさいよさおり!この回以降ずっとFXで有り金全部溶かした人みたいな顔の作画にされてもいいの!?」


翠「そうだよさおりちゃん!自分の分を弁えてベットしないと!」


里乃愛「遊びだからって適当に賭けていいのは数百ベットまでなんだよ!?」


オールベットのボタンを押そうとする咲桜里とそれを阻止する彼女達の攻防が続き・・・その後全部溶けた。


咲桜里「じゃ・・・ゲームは程々にして休憩所戻ろっか」


有り金を全部溶かした人の顔で咲桜里が力無く休憩所へ戻っていく。勝負の世界は非情であり一部の人間しか生存できない過酷な世界である事を再認識させられた。


想里愛「せっかく来たんだし今度はベンチに寝転がって過ごしませんか?♪」


真樹「いいね~!そうしたほうが遊びに来た感じが実感できるもんね♪」


もう一度着替えて人数分あるベンチを隣合わせて横になる僕と彼女達。近くの波の音、煌めく星空、この開放的な気分は森の中で過ごすのに匹敵するぐらい良いものだ。側に置いたストレートジュースを優雅に飲む。このストレスフリーな生活・・・悪くない。


咲桜里「もうすぐ閉店の時間なのかな・・・人が空いてきたね~」


翠「ふふ、まるで貸し切りで来ている気分だね」


里乃愛「列に並ばないで遊べるのは時間が有効に使えて良いかもね♪」


家にもプラネタリウムを設置して綺麗な景色で眠りにつくのも良いんだろうなと考える僕。窓際で頭を動かして星空を見るのは少し疲れるからな・・・。それより天井を一部ガラス張りなどにして透明に改装するのも良いのかもしれない。


アナウンスのお姉さん「ご来場頂いている皆様へご案内致します、当館はまもなく閉店致します。お気を付けてお帰りください。本日はご来場頂き誠にありがとうございました。繰り返します・・・」


真樹「もう帰る時間だね・・・帰ろうか。」


想里愛「はい!今日はとても楽しかったです♪」


閉店の5分前に出口を出て駐車場へ向かう。今日はしっかり遊び切った満足感がある。帰ったら疲れですぐにぐっすりと眠れそうだ。夜遅く空いた道を粛々と進める。行きよりだいぶ早く家に帰宅できた。皆が家に入ると予想通り疲れがたまったようで早めに布団を敷き横になる。・・・パジャマも今度買いに行かないといけないな。想里愛が皆が起きている間から堂々と僕の布団に入ってきてくれている。正妻の行動力には驚かされるが嬉しいから何も問題は無い。


真樹「そういえばピアノの音の綺麗な癒しの音源を買っておいたんだ。音量低めにしてかけてみようかな。」


咲桜里「落ち着くメロディーだね♪森の中でも聴いてたい気分♪」


翠「良い曲だけど益々眠たく・・・」


里乃愛「翠ちゃんが一番でおやすみかな?うーんあたしも眠たくなってきちゃった・・・」


翠と里乃愛が夢の世界へ入っていく。翠のフードを外し眠りやすくしてあげる。良い寝顔だ。


咲桜里「お兄ちゃんの隣まだ空いてるね?とうっ♪」


姉妹に布団の中で挟まれて僕のテンションは鰻登りだ。


想里愛「真樹さん、こっち向いてください♪」


甘くキスしてくれる。僕は彼女の頭を撫でる。


咲桜里「お兄ちゃん、こっち向いて♪」


妹にも同様の行為を受ける。まったく、就寝前は最高だぜ!僕も同様に頭を撫でる。

しかし二人も疲れがたまっていたようで、撫でている内にすやすやと眠り始める。

可愛らしい寝顔を見て頬にもキスする。よし僕もしっかり寝てまた明日に備えよう。

おやすみなさい。




後書き


賭け事は程々にしようねっ!(咲桜里風

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